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冒険者ギルドのお手伝いさん  作者: にわそーじ
第三章 帝都への旅立ち
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幕間 神殿にて

 人さらいの頭目は、いぶかし気な顔をしていた。自分たちの境遇が理解できないからである。とはいえ、ひどい扱いを受けているわけではない。むしろ逆である。


 太陽神教の神殿。その一室へと連れて来られた後、彼らは拘束を解かれた。そして茶を出され、しばし待つよう言われたのである。


 ここの奴らは危機感がないのか?と困惑しながらも、しかし頭目は逃げようとは思わなかった。

 部屋の入口に控えている二人。フードをかぶり顔や種族は分からない。しかし、


(あれは、化け物だ。昼間会った奴ら以上の)


 それを肌で感じ、彼は部下たちに逆らわぬよう指示を出していた。ややあって、一人のエルフが部屋へとやって来る。


「やあやあ、待たせたかな?」


 気さくな調子で話しかけてくる彼女を、頭目は無言で、じっと睨んだ。


「そんな怖い顔をしないでくれ。ヘラルド=エリオット隊長」


 その言葉に、頭目は驚いた顔をする。彼の反応に笑みを深くし、エルフは続ける。


「今回君たちを連れて来させたのは、頼みたいことがあるからなんだ。副長のエイル=ホース、隊員の…」


 と、彼女は人さらいの一団全員の名前を呼んでいった。頭目は警戒もあらわに口を開く。


「俺たちの事をどうやって調べた?…いや、それはいい。頼みたいこととは何だ?」

「話が早くて助かるよ。実は、とある女性に危機が迫っていてね。彼女を助けるのに、君たちの力を借りたいんだ」


 話を聞いて、頭目は鼻で笑う。


「人さらいに頼むこととは思えんな」

「そうでもない。君は、抵抗出来ない女性を犯そうとする輩を、決して許さない。そうだろう?」

「…」


 黙る頭目に、エルフは続けて話す。


「手を打たないと、彼女はむごい目にうことになるだろう。それこそ、君の奥さんのようにね」


 エルフがそう言うやいなや、頭目は手刀を彼女の喉元に突きつける。


「貴様…何を知っている?」

「おそらく、君の知りたいことを」


 凄まじい殺気を向けられて尚、エルフはその態度を崩さない。息を一つはくと、彼は姿勢を戻した。そして皮肉気に笑って言う。


「選択肢などないのだろう?」

「心外だな。もちろん断ってもいいさ」


 あっけらかんと言ったエルフに、頭目は虚を突かれた顔をした。


「ボクはね、説得して仲間に出来るキャラは仲間にしたい派なんだ」


 胸を張って彼女は言うが、頭目たちはぽかーんとしている。ややあって、眉間にしわを寄せながら頭目は尋ねた。


「…つまり、俺たちに帝国を裏切れ、と?」

「別に、今の君たちは帝国に仕えている訳じゃないだろう?」


 どうやら腹芸で敵う相手ではなさそうだ、と彼は首をすくめると、うなずいた。


「分かった、協力しよう。代わりに部下たちの今後を保証してほしい」

「もちろんだとも。君のことも含めてね。太陽神に誓って、約束しよう」


 最後は誠実な声で、エルフはそう答えたのだった。






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