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番外編 後悔
これは、ユルグがまだ小さかった頃のお話。
ある日、彼は母の体内に黒い影のようなものがあることに気付く。
それは日ましに大きくなっていき、次第に彼女の体調は悪くなっていった。
「お医者さんにみてもらおう?」
ユルグは母にそう言った。
「大丈夫だから」
そう返事をした翌日、彼女は帰らぬ人となった。
あの時、自分がもっとちゃんと、母を説得していれば。
そうしたら、母は死なずに済んだのではないか。
そんな後悔が、彼の心に巣くった。
やがてそれはふくらんでいき、いつしか彼はこう思うようになっていった。
母が死んだのは自分のせいだ、と。




