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冒険者ギルドのお手伝いさん  作者: にわそーじ
第二章 養成所
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番外編 ある夜の話

 冒険者の宿、酔竜亭すいりゅうてい。その一室で、ダークエルフの少女ヴォルフィーネが尋ねる。


「太陽神様以外に、神様っているの?」


 尋ねられた男、冒険者ギルドの職員ユルグは、彼の太ももに頭をのせている少女に答えた。


「もちろん、いる。けれど今は、眠りについておられるそうだ」

「眠ってるの?ねぼすけさん?」


 少女の言葉に彼は微笑む。


「そうではないんだが…アヤカさんが詳しいから、気になるなら今度聞いてみるといい」

「ユルグから聞きたい」

「俺は詳しくはないんだが…」


 じっと見つめてくる少女に、一つ息をはくと彼は話を続ける。


「かつて、世界は死の霧に覆われていた。神々は死の霧を、光の柱で浄化された。けれど、死の霧を生み出し続けるものがいた。それは、巨大な黒竜。神々は黒竜を打ち倒さんとした」


 少女の頭をそっとなでながら、彼は語る。


「長きにわたる戦いの末、ついに黒竜は滅びた。しかし、神々もまた傷つき、それを癒すため、眠りについた。残った神の一柱、太陽神は人々に知恵を授け、導き、世に平和をもたらした。…大体、こんな話だった、と思う」


 そこまで言うと、彼は申し訳なさそうに、


「残った他の神々や眠りについた神のことは、あまり知らないんだ。もし知りたかったら、アヤカさんに聞いてみてくれ」


 と、自分の頭の後ろをなでた。少女はこくり、とうなずく。そして体を起こすと、彼のひざの上に乗って身を寄せる。


「ユルグは太陽神教徒なの?」

「教徒、と言うほど熱心ではないが…まあ、そうだな」


 少女の頭をなでながら答える彼に、彼女はまた尋ねる。


「どうして?」

「どうして、か…」


 しばし考えた後、彼は口を開く。


「…上手くは言えんが、性に合っているから、かな。よく生きること、それが教義の元で、出来ることを出来るだけがんばりなさい、という。生が終われば、善も悪もなく、体から魂がはなれて神の御元へ逝く。そして安息の時を得た後、再び新たな命に宿る…」


 そこまで話すと、彼はほおをかいた。


「色々言ってしまったが…フィーはどうなんだ?」

「私?うーん…」


 ちょっとの間。


「あんまり考えた事、なかったかも。それよりも、冒険者になるんだって鍛えてる方が楽しかったから」

「そうか」


 少女の答えに、彼は再び微笑むのだった。






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