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冒険者ギルドのお手伝いさん  作者: にわそーじ
第二章 養成所
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番外編 養成所での一幕 1

 アカツキたち訓練生が冒険者の養成所スクールに来てからしばらくの時が経った。

 彼らが養成所での生活に慣れてきたことを確認し、教官のユルグはある日彼らにこう言った。


「今日からはそれぞれ、街での仕事を経験してもらう」

「冒険者が街でする仕事の体験ってことか?」


 やや興奮した様子のアカツキに対して、教官は冷静に告げる。


「いや。街の人々の仕事を手伝ってもらう」

「え~、何のためですかあ?あんまり面倒なのはイヤだなぁ…」


 ぼやくブーレに、教官は肩をすくめる。


「まあ、そう言うな。理由はいくつかあるんだが…。さて、何故だと思う?」


 問われて、訓練生たちは顔を見合わせると首をひねった。ややあって、おずおずとエナシェラが手を挙げて答える。


「街の人の仕事を通じて、その暮らしを知るため…ですか?」

「理由の一つが、まさにそれだ。街の人の暮らしを知るため。ひいては、迷宮ダンジョンの品がどう使われているか、将来冒険者となった時、自分の行いがどう人々の役に立つのか。それを知るためだ」


 教官にゆっくりと言い含めるように言われ、訓練生たちはそれぞれうなずく。その様子を見て教官は続ける。


「また、仕事内容は各自の適正によって割り当てられる。冒険者以外の道があると知っておくこと。これも将来無駄にはならんだろう」

「それって逃げなんじゃねーの?」


 不服そうなアカツキに、彼は落ち着いて返す。


「視野を広げる訓練、そう思ってくれ。あとは、君たちが働いた分給金が出る。その半分がギルドに入ることになる」

「おいそれズルくねーか!?」

「ギルドに入る分は、君たちの食材を用意したり、養成所の備品代に充てられる。ここの使用料として、どうか割り切ってほしい」


 アカツキはまだ不満そうではあったが、一応矛を収めた。少し心配そうにエナシェラが口を開いた。


「あの、これ、私たちに言って良い話なんですか…?」

「無論だ。金の話は大事だからな、他の者にもきちんと説明をしている。君たちはそれを理解したうえで動いてもらいたい」


 彼女は何か納得したようにつぶやく。


「養成所って入る時は無料だったから、どう運営しているのかと思ってましたけど…謎が解けた気がします…」

「流石に、運営資金全てを見習いたちに頼るようなことはないからな。先も言ったが、主に君たちの食費として使われる」


 そんなやり取りを聞いて、アカツキはため息をついた。


「そんなら、まあ。しっかりやらねーとだな。街の仕事ねえ…」

「気負わず、一つ一つやっていってくれ。何か困りごとがあった時は相談すること。俺でも良いし、寮にいるエルフさんに言っても良い」


 教官の言葉に、訓練生たちは各々了承の返事をするのだった。






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