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太陽と不死炎の少女  作者: 木戸銭 佑
望夜編4:もぐらのワーズワーズ
203/204

おまけ:望夜編の設定とか裏話(ネタバレあり) 上

 これは本編とは全く関係の無い設定的な話や内情です。

 そういう事に興味が無い方や嫌いな方は閲覧を控えた方がいいかもしれません。

 問題が無ければ続きをどうぞ。
















・望夜編が何故今頃になって出たのか?

 『今頃になって出た』という『今頃になってようやく出せた』というのが正しいです。

 スケィリオン編が終わってからかなり時間が経ってから何故か評価人数が4人ほど増えていたので望夜編1のみをおまけシナリオ的に公開出来たらいいなと考えて書き始めたのですが、前作主人公である『のかな』が居なくなるというシナリオにしてしまったために戻りの所までは書かないとキリが良くない形になってしまいました。

 そしてその場面は盛り上がりからするとラスト付近に持って来たかったので、エタる可能性を考えて最後までの見通しがつかない限りは出さないという形にしたのです。

 実際その選択は正解で、この物語の需要の無さを途中で確認してしまったならばその時は最後まで行きつかなかったでしょう。

 まあ、四年間何の音沙汰も無く完結していた話に今更続きが来たというわけで、呆れずに読んでくれる人が居てくれるならその奇跡を喜ぶべきではありますが。

 構成を変えるという考えもありましたが、そこまでして出す物でもないので時間がかかって旬が過ぎるとしても一番良いと思うシナリオを選択しました。



・ことか編は出る?

 需要が無いです……。





・各巻について

1、ホメロスタシスオーバードーズ

 スケィリオン編ラストで出たシャイニングエクゾダスがどういう物かという事を説明する為に書きました。その際に何かしら特別なギミックを入れたいなと思い、その時流行っていた地底冒険RPGの『決意』を自分ならどう表現するかと考え、組み込みました。

 鳴り物入りの『決意』表現ですが、縦書きの時しか通用しない上にあんまり見栄えが良くないし、何より”ススメ”のパロに過ぎないと感じたので正直失敗したなと思いました。

 最初からインフレさせるわけにはいかないのに望夜の戦闘力が高すぎたので、食人獣(マンティコア)戦ではかなり弱体化を入れる形になったのですが代わりにパワーバランスは良かったと思います。

 ローヘヴンが爆散して再登場しなかったのは、構成的に四巻あれば十分だと考えていたのでローヘヴンに割くページや気力が無かったからです。

 


2、血意FF(フォルテッシモ)

 エルトポVS時計仕掛けのオレンジWith銀河鉄道の夜という悪夢のような構成で、序盤の魔女(ベルダム)戦は能力バトルとして普通に面白いと思ったので、なぜ世間で魔法少女バトルロイヤルが流行ったのかを今更ながらに理解しました。

 じゃあ、この物語も能力バトル路線にすればいいのでは? と思わない事も無かったのですが、メインに()えたところで人気が取れるわけでもないので諦めました。

 コスモフラワーはスケィリオン編で出た悪役ですが、パートナーが『カンパネルラ』だったのでそこから物語が広がってダークヒーローとして再登場を果たしました。

 もしパートナーが『カンパネルラ』ではなく、別の名前だったらそもそも出なかった可能性が高いです。ついでに『カンパネルラ』はスケィリオン編の時はテキトーにどこかで聞いた事のある名前として付けました。つまりは怪我の功名です。

 主人公が普通に暗殺されているという展開は書いていて禁じ手だと思いました。これが許されると秘密結社と戦いながら一般生活を送る主人公の存在が無くなってしまいます。

 ただ、そういう無法っぷりがこの物語の味であるので以降、暗殺については展開的に釘を刺されたとはいえ無しでごり押しています。

 血意を『ブラッディプラズマ』と読ませたので、決意も何かしらの別の読み方があるとこの時点で気づいた方もいたかもしれません。



3、チョコレートサイダーズ

 年上の妹というネタの為だけに真心は登場しました。

 設定的にはスケィリオン編時点でトゥルーハート(真心)はクマ印(のかな)の妹だったのですが、それがここに来て回収された形になります。

 ただ、そういう一発ネタとして登場した真心は意外にも物語を助けてくれて、4巻ラストでのかなに負けて死亡するはずだった望夜を生存する方向に変更させています。

 『ホロ』や『聖女人形(マリアネット)』はこの物語の中枢にある『竜』という設定を更新するための存在なので舞台装置的な意味合いが強いです。

 のかなの友人である『るい』や『ぐり子』が登場するのはファンサービス的な物で活躍を期待していた方には気の毒な事をしたかもしれません。

 




4、もぐらのワーズワース

 初めにことか編の匂わせがあるのはめておが居なかった時はことか編の世界に居たという扱いだからです。

 メッチャーが竜として覚醒する重要なシーンがあっさりなのはあそこで過去を提示しても物語が面白くなる事は無いと判断したためです。設定的には色々考えていたのですが想像に任せた方が(あいまいな方が)良いと思いました。

 のかな戦は物語的に大きな意味を持つバトルで極論を言えばここまでの全てが前振りに過ぎません、当初の予定では望夜は闇の欠片ではなく闇そのものであり死亡させるつもりでした。少なくとも一巻や二巻時点ではそういう方向性だったことが見て取れると思います。

 しかし、もしこの物語を最後まで読んでくれるような奇跡が起こるのならば仮にも主人公である望夜が負けるような展開はふさわしくないと考えました。

 それに『最強』とは何かという問いに対する答えが『嘘っぱち』というのはあまりにも悪趣味過ぎる。

 自分が読者の立場ならば作者にはもっとパワフルな答えを求めるはずです。

 だから望夜は闇だろうがのかなだろうがぶっ倒しました。『誰よりも強い』という事が『最強』であるという意味ではありません、それはあくまで十分条件に過ぎない。

 つまる所『最強』というのは作中で望夜が言った通り『カッコよさ』だと思いました、別に地獄先生的なネタではなく。

 コブラとかケンシロウが劇中で常に最強というわけではない、負ける時もある。

 それでも読者は彼らの強さを信じる、カッコいいからです。彼らの信念や生き様が読者を熱くしてくれるからです。

 望夜をそういう存在として書けたかは分かりません。ただ、そう見せようとは思っていたつもりです。






・キャラについて


望夜(もちや)命論(みのり)/魔法少女『決意(ハイパープラズマ)

 スケィリオン編のめろんは主人公としては色々とパワー不足だったので、望夜は破嵐万丈やJ9を意識したコミカルもニヒルもいけるキャラとして再構築しています。どちらかといえばシャンゼリオンの(あきら)の方が近いかもしれませんが。

 自信過剰な性格は前時代的で読者に嫌われる可能性が高い事は理解していたのですが、謙虚で実は強いというキャラクターよりも時にダサすぎて見ていられないほどあっても最後まで意地を張り続けるというキャラクターの方が『意志』や『最強』をコンセプトに置いたこの物語には似合っていると思いました。

 ハカイダーがモチーフの一つであるため脳みそ=本体であるバッジがむき出しというデザインにしたのですが、今思うとどちらかと言えばソウルジェムですね、これ。

 魔法少女としてのパワーが高い代わりに素の状態での能力が低かったのでそれを調整するようにしたのですが、サーベルや超能力のどれも必殺技にできるほどのインパクトが無く、バトル構築には苦労しました。

 当初は闇そのものだったのでコミカルな面がありながらも超然とさせていたのですが、中盤以降はそうでなくなったので地を見せるようなシーンもあるようになりました。間奏はギャグパートなのでノーカウントです。

 シャイニングエクゾダスを受けて唯一生き残れた人間ですが、単にご都合主義というわけではなくシャイニングエクゾダスが『決意』つまりは『意志』によって制御される以上、『意志』の力はシャイニングエクゾダス=無限に等しい、または超えた物だという表現でもあります。

 飄々(ひょうひょう)としていてタフなので読者からのヘイトを買いやすい可能性が高かったので基本的に誰に対しても穏やかな口調で悪口を言わないようにしてヘイトを抑え、周りの人間から罵倒されるような形にしてヘイトを発散させる事を狙いました。




対名命論(ついなみのり)

 望夜が記憶の中で『のかな』と誤認していた元の自分です。

 闇により万物王(ソ・ノ・シャリオン)の力を与えられた端末の一体であり、NOの一人である『NO=エルハース=ノッソ』による訓練の末に超能力と不死炎を得ています。

 戦いの果てに闇に敗れますが、その時にかすめとった物が望夜になりました。

 自身が闇だと気づく事を禁止されているので誕生の時を初め、望夜の記憶は曖昧になっていた部分が多くありました。




・長谷川ゆり

 設定的には無能ですが、無能なキャラを読者は嫌うので物語の中の重要な場面で役に立っていなかったり足手まといになったりするような描写はしないように徹底しました。

 ゆりはるいと同じように天運を持つ存在で、るいが己の勇気や思いやりで仲間を助けるのに対して短絡的で愚かな行動が結果として仲間を助けるという『混沌(カオス)』そのものなキャラとして書きました。

 こういういかにも無能でありながら何故か組織に必要という人間が実際に物語の中でどう動くのかを見るのは面白かったです。

 余談ですが望夜が『めろん』と呼ばれるのはゆりが『命論』という名前をいつまで経っても正しく読めなかったためです。




・村上くみ

 他人に対して支配的でヒステリックという嫌われる要素を持っていますが、あまりキツくなりすぎないように気を付けてフォローの為に常識的で有能な描写を多くするようにしています。

 望夜の事が嫌いだと口では言いますが、実際には手のかかる相手だと思いながらもそれを楽しんでいる気持ちも持っています。そうでなければ友人として付き合ってはいません。

 そういう所を理解してか、望夜もくみの事は大切に思っており、友人としてはかけがえのない存在として特別扱いをしているように描写しています。ことかやゆりへの扱いと比べればその違いは分かりやすいと思います。

 ぐり子とは異なり、特殊な力があっても非力な少女として描いています。これは差別化の為ですが、先人曰く「非力であっても無力ではない」という事は見れば分かると思います。




・桑納のかな

 ラスト付近にしか出てこないので本人の実際の性格について語る事はほぼありませんが、他人から見たのかなは偉大なる存在として扱われています。

 それは単にのかなが凄いという意味ではなく、本当ののかなを知る読者との齟齬(そご)を狙った描写であり、またそれと同じように見ている望夜が盲目になっているという事を示してもいます。

 のかなは作劇上の嘘がとても多く、全ての魔法や能力に嘘が存在します。例えば素手が作中では割と強めに扱われていますが、実際はリーチが短くて使い物にならないはずです。ただ、多かれ少なかれ創作には嘘が存在するので特にそれ自体に問題はありませんが。

 望夜は意外にも作劇上の嘘が少ないので劇中の通り、インチキキャラののかなに勝つことは困難です。

 しかし、望夜は主人公だったのと劇中最大の嘘である『最強』だったので打ち勝ちました。

 前作主人公であったので格が落ちないような負け方をするように気を付けました。




NO(エヌオー)=エリィキッス/ネフェルオーラ=エリクサ

 物語が上手く回らなかった時の狂言回しとして念のため用意しておいたキャラです。

 田村めておを成長させるために必要な経験を与えるための人物はローアビスの予定だったのですが、それが展開上不可能になったのでエリィキッスが居なければシナリオの大幅な変更が必要になるところでした。

 それ以外については竜人や古代人としての立場から物語を引っ掻き回す役割を担ってもらいました。

 隙あらば人を試し見て、気軽に人類滅亡をちらつかせてくる非常に厄介な性質を持つ存在ですがその分見返りも大きく、気に入った人間にはサービスを惜しみません。

 劇中ではめておが好感度を稼いでいたので、エリィキッスとして殺された後ですら手を貸してくれるほどでした。

 名前の表記が『NO』から『エリィキッス』に変更されているのは聖女人形(マリアネット)の創造主である別個体の『NO』との混同を避けるための処置です。

 悪人であると明言されている上に最終的に退場するので読者からのヘイト管理についてはそれほどこだわっていません。

 




・道下ことか

 サブ主人公として物語を進行させる予定で登場させたキャラです。

 あまり柔軟な動きが出来ない望夜に代わって色々と立ち回る役割と読者に近い視点を持つキャラとして共感役を担ってもらいました。

 そのため物語を能動的に動かすというよりも巻き込まれる形で行動する方が多い形になっています。

 特殊な口調でありながら真面目であるため周りから非難される事が少なく、気づかずに読者からのヘイトが溜まり続ける危険性があったので間奏では不条理な目に合わせて解消を狙っています。



・アリスタ

 メイドでことかの精神安定剤です。

 望夜編ではことかのオプションにすぎませんが、その正体はことか編の根底に関わってくるほど重要な物なのでここで多くを語る事はできません。




・ジャネット=レオン

 コスモフラワーに関連するシナリオの主要キャラであるため、割と目立つ事になりました。 

 多くの物語だと強能力である時間停止があんまり強くなかったのは、この物語は主人公でもない限りはキャラの弱点を補うような能力を追加しないという方針だからです。

 ジャネットの弱点は攻撃性能の低さなので、時を止めると波紋が使えなくなってかえって攻撃力が下がるというような調整にしています。

 魔法少女の上位陣は石仮面パワーでどうこうできるレベルの相手ではないので、ジャネットの強さランクは相変わらず中堅のままだと思います。

 本編中ではひたすら曇らされ続けるので、特にヘイト管理は要らないという判断でした。

 



・パウラ=マッカートニー

 ジャネットとは逆に他のキャラとの因縁が無いため、最後の『命論の復活』にすら立ち会う事はありませんでした。

 『バカ』というキャラ特性が読者から嫌われる要因になると思ったので、ギャグにならない所では特性を出さないようにして出すシーンも少なくしています。

 口調こそ粗野なものの真面目でマメで苦労人なキャラとして設定しています。

 真面目なために周りから非難されない上に見かけだけでも乱暴な印象を与えてヘイトを買う可能性があったため、ヘイト管理の為に間奏だと理不尽な目に合わせるようにしています。




・アルトゥース=ルービンシュタイン

 望夜編から元『女』という設定が追加されましたが、元々変身能力があるのでそこまで扱いは変わりませんでした。

 魔法少女のサポート動物ポジションでオスのキャラはいわゆる『淫獣』扱いされる事が多いのですが、今回はそれを逆手にとってエピソードが追加されています。

 一巻でされた本人の説明とは逆ですがワーズワースを性的に襲ったのは女のアルトゥースの方です。これはアルトゥースの性格的に被害者である事は平気でも加害者である事には耐えられないタイプだと思ったのでそういう設定にしました。

 遠ざけていたワーズワースを最終的に自分から受け入れているので二人の間では過去の出来事の一つとなり、いつかは忘れていくでしょう。

 



・山田えま

 名前からして『閻魔』を匂わせているキャラです。

 ”あの世”という未知の敵に対しての解説役として用意しました。

 そういった役割の為、二巻以降で出すつもりはありませんでした。




・セト=スピーゲル=ヴィーナス

 のかなのラーに対するキャラとして設定したのですが、望夜は他人に対する関心が低く相棒として成り立たせる事が出来ませんでした。その役割は代わりにくみがこなしています。

 もっとも、特に引っ張って活躍をさせるようなキャラでも無かったので、サブキャラの一人という立ち位置でかえって良かったのかもしれません。

 事実、最終巻では展開的に必要なかったために出番そのものがありませんでした。

 


・ローアビス

 某ブーツさんをモチーフとしたキャラ……というかそのまんま。

 当初はただの幹部の一人でしたが、冥界(アビス)と言えばエジプトなのでエリィキッスと関係があるという設定になりました。

 初期では田村めておに『覚悟完了』させる役割を担っており、その後のローインフェルノとの戦闘で死亡する予定でした。

 結果としてその役割を担って死んだのはエリィキッスだったのでローアビスは死なないようになりました。

 劇中では結果的とはいえ誰も殺しておらず、悪事も大したことはしてなかったので生き残るのは自然な流れでしたが、改心もしていない明確な悪人が罰も受けずにフェードアウトというのは割と珍しい結末だと思います。

 中盤以降の動きは完全に味方側だったので、実質的に改心したようなものでしたが。




・鬼道かすみ

 某エイリアン漫画がモチーフのキャラ。

 その漫画の固有名詞こそ出ていないものの『ゆり』『くみ』と合わせるとそういう事です。

 一巻以降で重要な役割を与える予定が無かったため、流れに合わせて動かしています。そのためガチガチにシナリオが組まれた最終巻は出番が無くなりました。

 年齢の設定を忘れた為に小学生~中学生くらいの非常に曖昧な認識で書かれています。一応は真心より年下の設定です。



・オネアミス

 名前について深い意味はありません、そのまんまです。

 性別こそありませんが一応男性想定です。




食人獣(マンティコア)

 一巻目のボスというイメージだけで書かれたキャラです。

 そのため本編から察せられる設定やバックヤード以上の事は考えてもいないし、名前も秒で決めました。

 このキャラが『マンティコア』だったというだけでカンパネルラは『自動的な存在』となりました。




・ローヘヴン

 神官という容姿とミステリアスな性格と『空間操作』という能力は決まっていました。

 爆散させても後から必要になれば生きていた事にすればいいのでノリで爆散させました。

 必要になりませんでした。



・四体の魔女(ベルダム)(カーニバルパペット、ミリオンバッツ、レッドヒート、イノセントクイーン)

 エルトポにおける四人の達人を意識したキャラ達です。意識しているのは数だけで内容については見て分かる通り一切関係ありません。

 『太陽と不死炎の少女』では魔法少女同士の戦いをあまりさせたくないのですが、シナリオ的に面白いと思ったので採用しました。

 再登場の予定は無かったのですが、ミリオンバッツの小物臭さが妙に気に入って再生怪人的に出しています。

 物理耐性を誰も持たないのでジャネットの新能力のお披露目にちょうど良かったというのもあります。



・コスモフラワー/超特救(スーパーレスキュー)コスモレイン/花河(はなかわ) (ぎん)

 スケィリオン編で初登場した魔女(ベルダム)

 パートナーの名前が『カンパネルラ』だったおかげで再登場を果たした珍しいキャラです。

 『銀河鉄道の夜』をイメージしたキャラクターですが、裏モチーフとして『メタルヒーロー』を持っています。ヒーロー名である『コスモレイン』は特救指令に寄せているのと同時に『コスモとレイン(コスモトレイン)』となり、銀河鉄道を暗示しています。

 魔女(ベルダム)だったという特殊な経歴を持ち、この物語における重要なキャラクターとして当初から考えていた存在です。

 終盤にメタルヒーローになるのはギャグではなく、過去が現在の自分となる以上否定できない(しても無意味な)ため、逆に過去の方から否定させて今と過去を別人にさせる必要があったためです。

 望夜の闇に目を付けられていたのは『銀河(ギャラクシー)魔法少女』のように新しい概念を創造し、タイムリープすらも可能とするほどの強大な力を持っていたためです。その力は概念破壊やシャイニングエクゾダス無しで望夜の闇を突破できる可能性があるほどでした。

 味方側のキャラですが、過去に善良な人間を殺している人間なので読者が許してくれるかどうかは未知数でした。導線はちゃんと引いておいたつもりですが、読者の方からはコスモフラワーがちゃんと贖罪(しょくざい)が出来た人間に見えたのでしょうか? それとも罪を忘れ幸せになろうとしている恥知らずな人間に見えたのでしょうか?

 許しても許さなくても彼女は自分のした事をずっと忘れないとは思いますが。





・カンパネルラ

 名前からして元ネタは説明不要だと思います。初めから死んでいるのはその為です。

 生き返らせるかどうかは難しい問題でしたが、コスモフラワーにハッピーエンドをもたらすためには不可欠な存在だと思い、生き返らせる方向で行きました。

 『自動的な存在』だったのは『マンティコア』からのネタであるのと同時にゆりに対して何かしらの能動的な役割を与えたかったからです。

 ゆりの起こすアクションは無能でありながら有効という物なので、出番が多すぎるとご都合主義が目立ちすぎてしまうという危険性がありました。『自動的な存在』のおかげで出番を減らさずにアクションを減らすという事が出来たと思います。

 

 



・田村めてお

 名前の漢字は一応考えていて『愛緒』で『愛』は濁らずに「めて」と読み『愛緒(めてお)』となります。若干無茶があるのは女児向けアニメの主人公を意識した名前というデザインの為、漢字表記を当初は想定していなかったからです。

 そういうデザインの通り、裏主人公としてシャイニングエクゾダスを習得する役割がありました。

 シャイニングエクゾダスは無敵の必殺技であり、それを使えるという事が『最強』の証明でした。逆に言えば望夜が強いのではなくシャイニングエクゾダスが強いのだという事であり、いわゆる”能力使われ”でした。これは意図的にそうしています。

 めておはシャイニングエクゾダスが使える別の人間としてそういった偽りの『最強』を壊させるつもりでした。

 当初はローアビスが成長を手助けしてくれる予定だったのですが、シナリオ的に上手くいかなかったのでエリィキッスが手を貸しています。

 正直、最終巻でレベリングを行うのはかなり無理があったと感じています。

 




・クリアーアトモス/風間澄香(かざますみか)

 当初から死亡させる予定で出したキャラです。

 それがめておにシャイニングエクゾダスを習得させる切っ掛けになるはずでした。

 自分でも何を言っているのか分からないのですが、なぜか最終的に生き返ってしまいました。

 おそらく生存フラグがローアビスの物と同じだったのだと思います。

 ただ、途中で蘇るとシナリオ的に支障があるので直前にエリィキッスを離脱させて、蘇生を不可能にしています。




・桐谷あるま

 当初の予定では本当に悪人だったのですが、そうなるとミュー太がさらに無能になってしまうので止めました。

 洗脳された魔法少女というある種の王道キャラです。

 めておと同じく望夜に対してコンプレックスを感じていたという描写がありますが、めておとは違い望夜に魅了されてはいなかったようです。

 何かが少し違えばめておとは互いに逆の立場だった可能性も考えられます。

 ドリルが武器な理由は突然『ドリル少女』を思い出したからです、デザインも似たようなイメージです。……言っている意味が分からない? それは右手をドリルにしようと初めに言い出した人に言ってください。 



・ミュー太

 第二世代の魔法少女達の相棒(マスコット)です。ウエハースチョコとコーラにトラウマを持っています。

 ウサギのような見た目とその語尾から元ネタには察しがつくと思います。

 第一世代の『パートナー』が大体有能なのでより無能さが際立ちますが、無能な腰抜けで終わらせるつもりは当然ながらありませんでした。

 生き残れるかどうかは五分五分だったのですが、「めておと一蓮托生」と言ってしまったので殉職する事になりました。もっとも出撃直前に「今回で仕事辞める」と言っていた時点で「死んだな」と大半の読者の方が予想していたとは思いますが。

 



・ローインフェルノ

 超能力を悪用する人物という望夜の超能力に対するカウンターとして用意されたキャラです。

 平和になった時、力を持て余した望夜が暴走するのではないかという疑問は魔王を討伐した後の勇者のようにありがちなものです。

 望夜の妹が生える前に考えられたキャラなので、結果的には余計でしたが。

 精神的に非常に幼稚なキャラで、軍人のような恰好をしているのは子どもが権威ある大人の姿を真似ているようなものです。

 すぐに調子に乗り、他人を見下し、思い通りにならなければ癇癪(かんしゃく)を起こす。

 その精神性を生まれ持った能力が悪影響を及ぼした為と考えるか、それとも元々そういう性根だったと考えるのかは想像にお任せします。

 ただ一つ確実なのは劇中で語られた通り、彼女はどういう気持ちなのか分からない他人が恐ろしくて(たま)らなかったという事だけです。




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