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君と出会う、もう一度  作者: 梅干し


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5/8

近づく距離、揺れる心

新人戦が終わり数日後。

昼食を終えた教室では、少しずつ眠気が広がっていた。

歴史の授業だ。

先生が黒板に問題を書いていく。

「じゃあ、この問題を――」

晴はノートを取りながら、何度も小さくあくびをしていた。

「……眠い」

美咲が後ろから小声で、

「晴、もしかして昨日も遅かったんじゃない?」

「まあ……ちょっとな、夜更かししちまった」

「ちゃんと寝なきゃダメだよ」

「分かってるって」

その隣では、遥も晴の様子を見ていた。

「晴、大丈夫?」

「大丈夫……」

そう答えた直後――

「……ふぁ」

大きなあくび。

遥が思わず笑う。

「大丈夫じゃなさそうじゃん」

「……かも」

晴が苦笑する。

そのとき。

「……」

遥がもしやと後ろを見る。

蓮が机に突っ伏していた。

「……蓮くん?」

反応なし。

美咲も蓮を見る。

「蓮?」

「……」

完全に爆睡している。

「ちょっと、蓮!」

美咲が小声で呼ぶ。

それでも起きない。

晴が振り返って、

「こいつ、寝てる?」

「うん。完全に」

遥は口元を隠しながら言った。

その瞬間――

「神崎」

先生の低い声が教室に響いた。

「……」

蓮は起きない。

「神崎!!」

「……はいっ!?」

蓮が勢いよく顔を上げる。

教室中から大きな笑い声が起こった。

「お前、授業中に寝るな!」

「す、すみません!」

蓮が慌てて姿勢を正す。

晴は笑いをこらえきれない。

「っ……ははは!」

「おい晴! 笑うな!」

「いや、お前……完全に寝てたじゃん!」

美咲も笑いながら、

「もう、蓮ってば」

遥も、

「ふふっ……すごく気持ちよさそうに寝てたよ」

「遥まで!?」

教室にまた笑いが起こる。

蓮は恥ずかしそうに頭をかいた。

「……昨日ちょっと寝るの遅くてさ」

「何してたんだよ」

晴が聞く。

「ゲーム」

「お前なぁ……」

「だって新作が――」

「授業中寝るくらいならやめとけ!」

また笑いが起こった。

しばらくして授業が再開する。

晴はノートに目を戻した。

「……」

そして小さく呟いた。

「……俺も寝そう」

「晴?」

美咲がすぐに反応する。

「寝ちゃダメ」

「分かってるんだけど、つい…」

遥も笑う。

「頑張って、晴」

「おう」

その少し後ろでは――

「……」

蓮がまた眠そうに目をこすっていた。

「神崎」

先生の声。

「寝てません!」

「まだ何も言ってないぞ」

「……すみません」

教室中に、また笑い声が響いた。


その日の放課後。

部活のない晴たちは、四人で帰り道を歩いていた。

「なあ、なんか食って帰ろうぜ」

蓮が突然言い出す。

「また食べるの?」

美咲が笑う。

「新人戦終わったんだからいいだろ!」

「それ、何の理由にもなってないよ」

遥が笑いながら言った。

晴も笑いながら、

「まあ、俺も腹減ったし。寄ってくか」

「晴まで……」

遥が言った。

そんなやり取りをしながら、四人はコンビニへ入った。

店内に入ると、蓮が真っ先に肉まんを見つける。

「見ろ!肉まんあるぞ!」

「寒いし、ちょうどいいね」

遥も肉まんを手に取る。

四人で肉まんを買い、店の外で食べ始めた。

「……あったけぇ」

晴が肉まんを頬張る。

「おいしいね」

遥も嬉しそうに笑う。

そのとき晴が、美咲の肉まんを見る。

「美咲のうまそうじゃん。それちょっと食べていい?」

「え?」

美咲の動きが止まった。

「……私の?」

「うん。一口だけ」

「……別にいいけど」

「おっ、サンキュ」

そう言いながら、美咲は少し顔を赤くする。

「ほら……」

肉まんを差し出す。

晴は何も気にせず、

「いただき」

と一口食べる。

「ん。うまい!」

「……そ、そう?」

美咲は目を逸らす。

「どうした?」

「なんでもない!」

「?」

晴は不思議そうに首を傾げる。

蓮がその様子を見てニヤッとする。

「美咲、なんか顔赤くね?」

「寒いから!」

「いや、絶対違――」

「蓮、うるさい!」

美咲が慌てて遮る。

遥はそんな二人を見て、少しだけ笑っていた。

「ふふっ」

「遥まで笑わないでよ……」

「ごめん。でも、なんか二人らしいなって」

「……もう」

美咲は恥ずかしそうに肉まんを一口食べた。

晴だけが、何も気づかずに笑っている。

「やっぱ肉まんうまいな」

「……晴って、ほんとそういうところ鈍いよね」

「え? 何が?」

「なんでもない!」

寒い冬空の下、また四人の笑い声が響いた。


ある日の放課後。

窓の外では、朝から降り続いていた雨が、まだ静かに校庭を濡らしていた。窓ガラスを叩く雨音を聞きながら、遥は鞄の中を探していた。

「……あれ?」

何度探しても、傘が見つからない。

「どうしたの?」

後ろにいた美咲が声をかける。

「傘……忘れちゃったみたい」

「えっ、今日雨降るって言ってたのに」

「朝は急いでて……」

遥は困ったように笑う。

そのとき、体育館の方から蓮の声が聞こえてきた。

「晴ー!美咲ー! 早く行こうぜ!」

晴が鞄を持って立ち上がる。

「おう。すぐ行くわ。美咲は?」

「今日は私、遥と一緒に帰るよ」

「え?」

遥が驚いた顔をする

「傘ないんでしょ?」

「でも、美咲の傘……」

「大丈夫。二人くらい入れるよ」

美咲は笑った。

「それに、遥を雨の中一人で帰らせるわけにもいかないし」

「……ありがとう」

晴も二人の会話を聞き、

「そういうことか。二人とも気をつけて帰れよ」

「うん。また明日」

遥も手を振る。

美咲が晴に声をかける。

「晴も雨だから帰り気をつけてね」

「ああ、わかった」

「蓮もね」

「俺は大丈夫だって!」

蓮が笑いながら晴と一緒に体育館へ向かった。

遥と美咲は一緒に昇降口へ向かった。

外に出ると、雨の音が一気に大きくなる。

美咲が傘を開く。

「ほら、入って」

「うん」

遥が隣に入る。

二人で歩き始めた。

最初は、雨音だけが二人の間に流れていた。

「……なんか、意外にこうやって二人で帰るの初めてだね」

美咲が言う。

「そうだね」

遥が笑う。

「いつも晴と蓮くんが一緒だから」

「うん」

少し歩いてから、美咲が笑った。

「でも、たまにはこういうのもいいかも」

「私も」

遥も小さく笑う。

「美咲と二人で話すの、楽しい」

「ほんと?」

「うん。文化祭のときもそうだったけど、美咲って話しやすいから」

「私も遥といると楽しいよ」

美咲は少しだけ遥の方を見る。

「最初はもっと大人しい子なのかなって思ってた」

「そう?」

「うん。でも、意外と天然だよね」

「……え?」

遥が驚いた顔をする。

「この前だって、体育なのに理科室行ってたし」

「……あれは」

「あと、文化祭の準備のときも――」

「それは忘れて」

遥が恥ずかしそうに笑う。

「ふふっ」

美咲も笑った。

「やっぱりかわいい」

「もう、美咲ったら……」

二人の間に、自然な笑いが生まれる。

しばらく歩いたところで、美咲がふと口を開いた。

「ねえ、遥」

「うん?」

「晴のこと、どう思ってる?」

遥の足がほんの少しだけ止まりそうになる。

雨音だけが、二人の間に響いた。

「……晴?」

「うん」

美咲は前を向いたまま続ける。

「文化祭のときもそうだったけど、遥って晴のことよく見てるじゃん」

「……そうかな」

「うん。そんな気がする」

美咲は少し笑った。

「晴が疲れてるとすぐ気づくし、試合のときも誰より一生懸命応援してたし」

遥はしばらく黙っていた。

遥はゆっくり言葉を選んだ。

「……大切な友達、かな」

「友達?」

「うん」

遥は微笑む。

「晴といると、なんだか安心するし。四人でいる時間も好き」

「そっか」

美咲はそれ以上聞かなかった。

少し歩いてから、今度は遥が尋ねる。

「……美咲は?」

「私?」

「うん。美咲は晴のこと、どう思ってるの?」

「……」

今度は美咲が黙った。

雨の音が少し強くなる。

「私も……大切だよ」

美咲は小さく笑った。

「ずっと一緒だったから」

「うん」

「晴って昔から、無理して頑張るところあるんだよね」

「……分かる」

遥が頷く。

「だから、放っておけなくて」

「うん」

美咲は少し俯いた。

「晴が笑ってると嬉しいし、困ってたら助けてあげたいって思う」

「……優しいね」

「そんなことないよ」

美咲は首を振る。

「幼なじみだから、それくらい普通だよ」

そう言ったあと、美咲は少しだけ黙る。

「……でも」

「うん?」

「最近、それだけじゃない気がするんだ」

遥が美咲を見る。

美咲自身も、少し戸惑っているようだった。

「晴が誰かと楽しそうに話してると、なんか気になるし……」

美咲は苦笑する。

「私、こんなこと考えるタイプじゃなかったんだけどな」

「……美咲」

「ごめんね。変な話しちゃった」

「ううん」

遥は首を横に振る。

「変じゃないよ」

そして少し考えてから、

「……美咲は、晴のこと本当に大切なんだね」

「うん」

美咲は素直に頷いた。

「たぶん、思ってたよりずっと」

その言葉を聞いて、遥は小さく笑った。

けれど、その笑顔の奥にはほんの少しだけ複雑なものがあった。

「……そっか」

「遥?」

「ううん。なんでもない」

遥は雨の向こうを見る。

「美咲って、晴のこと本当によく知ってるよね」

「ちっちゃい頃から一緒だったからね」

「……うん」

遥は少しだけ笑う。

「私も、もっと晴のこと知りたいな」

「え?」

「友達として、ね」

美咲は一瞬だけ遥を見る。

そして、ふっと笑った。

「じゃあ、私が教えてあげる」

「ほんと?」

「うん。晴の昔の話とか、結構知ってるよ」

「聞きたい」

「じゃあ今度ね」

「約束」

「約束」

二人は笑った。

しばらくして、遥が傘の中から雨空を見上げる。

「……雨の日も、悪くないね」

「そう?」

「うん。美咲とゆっくり話せたから」

美咲は少し照れながら笑う。

「私も、遥と話せてよかった」

二人は並んで歩き続ける。

晴と蓮がいない帰り道。

いつもとは少し違う静かな時間。

けれど、その日から二人の間には、以前より少しだけ深い信頼が生まれていた。

「じゃあ、また明日ね」

分かれ道で、美咲が言う。

「うん。また明日、美咲」

遥は手を振った。

美咲も手を振り返す。

そして二人は、それぞれの家へ向かって歩き出した。

雨は、まだ降り続いていた。


11月のある休日。

朝から空はよく晴れていた。

数日前の昼休み。

「ねえ、今度の休みさ」

美咲が三人に声をかけた。

「みんなでどこか行かない?」

蓮がすぐに反応する。

「お、いいじゃん!」

「どこ行く?」

晴が聞く。

「まだ決めてないけど……せっかくだし、四人で遊びたいなって」

美咲が笑う。

遥も、

「私も行きたい」

と頷いた。

「じゃあ決まりだな!」

蓮が嬉しそうに言う。

「晴も絶対来いよ?」

「行くって」

こうして、休日に四人で出かけることになった。


そして当日。

待ち合わせ場所は駅前。

晴が少し早めに到着していた。

スマホを確認していると、

「おーい、晴!」

蓮が手を振りながらやってくる。

「蓮、珍しく早いじゃん」

「まぁ俺は時間に厳しい男だからな」

「この前、授業に遅刻しかけてただろ」

「それは……まあ、また別の話だ」

「同じだろ」

二人で笑っていると、美咲と遥がやってきた。

「ごめん、待った?」

美咲が言った。

「ううん。今来たところ」

晴が答える。

「おはよう、晴。蓮くん」

遥が言った。

「おはよう」

「おっ、二人とも今日はなんか雰囲気違うな!」

蓮が言う。

「何それ」

美咲が笑う。

「休日だからおそらくいつもとちょっと違うだろ?」

「蓮くん、朝から元気だね」

遥が笑う。

「今日は遊ぶからな!」

四人が揃う。

「じゃあ、どこから行く?」

美咲が尋ねる。

「映画!」

蓮が即答した。

「昨日から決めてたの?」

「いや、今決めた」

「なんだそれ」

晴が笑う。

駅の近くに映画館があることもあり、四人はそのまま向かうことになった。


映画館に着いた。

上映作品を見ながら、四人で相談する。

「これ見たい」

美咲と遥が指差したのは、恋愛映画だった。

「恋愛映画?」

蓮が少し驚く。

「俺も別にいいけど、晴は?」

「俺もいいよ」

晴も抵抗なく頷いた。

「じゃあ決まりね!」

チケットを買い、四人で席につく。

映画が始まる。

美咲と遥はすぐにスクリーンへ集中する。

蓮は最初こそ真剣に見ていたが、しばらくすると隣の晴に小声で、

「……なんか恥ずかしくね?」

「知らないよ」

「お前、よく平気だな」

「映画なんだからいいだろ」

二人が小声で話していると、

「静かに」

美咲から注意される。

「……はい」

二人は黙った。

遥は思わず笑った。

映画が終わり、四人は映画館を出る。

「いやー、面白かった!」

蓮が伸びをする。

「蓮、途中眠そうだったよ」

美咲が言う。

「寝てねぇ!」

蓮は必死に否定した。

「俺寝てなかったよな!?晴!」

「いやしっかり寝てたな」

「裏切り者!」

遥が笑う。

「でも、いい映画だったね」

「うん」

美咲が頷く。

「なんか……恋愛って難しいんだなって思った」

「美咲、急にどうした?」

蓮が笑う。

「ただ映画の感想!」

遥も少し考える。

「私は……好きな人と一緒にいられる時間って、大切なんだなって思った」

晴が頷く。

「確かにな」

遥はその横顔を見て、ほんの少しだけ笑った。


映画館を出た四人は、そのまま近くのショッピングモールへ向かった。

中へ入ると、たくさんの店が並んでいる。

「どこから見る?」

晴が聞く。

その瞬間――

遥が足を止めた。

「……あ」

「遥?」

美咲が振り返る。

遥が見ていたのは、ショーケースいっぱいに並んだケーキだった。

「……おいしそう」

その目が、明らかに輝いている。

晴が笑う。

「出た。遥の甘いものセンサー」

「そ、そんなのないよ」

「めっちゃ嬉しそうじゃん」

美咲が笑いながら遥の隣に立つ。

「じゃあ、ちょっと見ていこうよ」

「うん!」

遥が嬉しそうに頷く。

ショーケースを覗き込む二人。

「これもおいしそう」

「こっちもかわいいね」

「……どうしよう」

遥が真剣に悩み始める。

晴と蓮は少し離れたところでその様子を見る。

「……長くなりそうだな」

ふと晴が言った。

「女子の買い物ってそういうもんだろ」

「蓮、なんでそんな偉そうなんだよ」

「経験だ」

「絶対嘘だろ」

やがて遥が一つのケーキを選んだ。

「……これにする」

「決まった?」

「うん」

晴がケーキを見る。

「そのケーキ、なんか遥っぽいな」

「……私っぽい?」

「ああ、なんとなく」

遥は少し照れながら笑った。

「ふふっ。なにそれ」

四人でケーキを買い、休憩スペースへ。

遥は一口食べると、

「……おいしい」

思わず笑顔になる。

「よっぽど好きなんだな」

晴が笑う。

「うん。甘いもの大好きだから」

「覚えとくよ」

晴が何気なく言う。

遥は一瞬だけ目を丸くした。

「……うん」

そして嬉しそうに笑った。

その後、美咲が立ち上がる。

「ねえ、次は服見ない?」

「いいね!」

遥も立ち上がる。


二人で服屋へ入る。

「遥、これ似合いそう」

美咲が服を手に取る。

「本当?」

「うん。試してみたら?」

遥が試着室へ向かう。

しばらくして――

「どうかな?」

「めっちゃかわいい!」

美咲がすぐに笑う。

「やっぱり遥かわいいからなんでも似合う!」

「ありがとう、美咲」

晴と蓮も近づいてくる。

「おお」

蓮が頷く。

晴も、

「うん。似合ってるじゃん」

「……ありがとう」

遥が少し照れる。

すると遥が今度は美咲を見る。

「美咲も、これ着てみたら?」

「私?」

「うん。絶対似合うと思う」

美咲が少し迷ってから、

「じゃあ……着てみようかな」

試着を終えた美咲が戻ってくる。

「どう?」

「やっぱり似合ってる!」

遥が嬉しそうに笑う。

晴も、

「よく似合ってる」

「……そ、そう?ありがとう」

美咲が少し顔を赤くする。

それを見た蓮がニヤニヤする。

「なんか今日、女子二人だけで楽しんでない?」

「いいじゃん」

美咲が笑う。

「ね、遥」

「うん。私、すごく楽しい」

二人は顔を見合わせて笑った。

その笑顔を見ながら、晴も自然に笑う。

「じゃあ、次どこ行く?」

「ゲームセンター!」

蓮が即答する。

「やっぱりそこかよ!」

四人の笑い声が、休日のショッピングモールに響いた。


ショッピングモールを出る頃には、空はすっかり夕暮れ色に染まっていた。

四人は駅へ向かって並んで歩いていた。

「いやー、今日は死ぬほど遊んだな!」

蓮が満足そうに言う。

「ほとんど食べてただけじゃん」

美咲が笑う。

「映画も見たし、服も見ただろ!」

「でも一番楽しそうだったの、ゲームセンターだったよね」

遥がくすっと笑う。

「それは……まあ、そうだけど」

「ふふっ」

晴も笑う。

「でも、楽しかったな」

「うん」

美咲が頷く。

「こうやって四人で遊ぶの、久しぶりだったし」

遥も嬉しそうに、

「私も楽しかった」

と言った。

少し歩いたところで、遥がふと立ち止まる。

「……また来たいね」

「お、いいじゃん!」

蓮がすぐに反応する。

「じゃあ次は冬休みだな!」

「冬休み?」

晴が聞き返す。

「そう! せっかくだし、もっと遠いところ行こうぜ!」

「蓮、気が早いよ。その前に期末試験頑張らなきゃ」

美咲が笑う。

「うわー!それは言うな!」

蓮は頭を抱えながら言った。

「でも……いいかもな」

晴が言う。

「冬休みなら時間もあるし」

「だろ?」

蓮が嬉しそうに笑う。

「雪とか見に行こうぜ!」

遥の目が少し輝く。

「雪……いいね」

「遥、雪好き?」

美咲が聞く。

「うん。あんまり見る機会ないから」

「じゃあ決まりだな!」

蓮が勝手に話を進める。

「まだ決まってないって」

美咲がツッコむ。

四人で笑う。

「まあ、冬休みまでまだ時間あるし、ゆっくり決めようよ」

「そうだな」

晴が頷く。

遥はそんな三人を見ながら、静かに笑った。

「……楽しみだね」

「うん」

美咲が笑う。


四人は歩きながら、さっきまでの話を続けていた。

「じゃあ、冬休みの予定はまた学校で決めようぜ!」

蓮が言う。

「うん。まだ時間あるしね」

美咲が頷く。

「雪、見に行けたらいいな」

遥が小さく笑う。

「俺も楽しみだわ」

晴も笑った。

やがて、四人がそれぞれ帰る方向へ分かれる場所に差しかかった。

「じゃあ、俺こっちだから!」

蓮が手を上げる。

「また学校でな、晴!美咲!遥!」

「おう。またな。蓮」

「うん。蓮くん、また学校で」

「気をつけて帰ってね。蓮」

蓮と別れたあと、遥も反対側の道を指差した。

「私はこっち」

「そっか」

晴が頷く。

「じゃあ、またな。遥」

「……うん。またね、晴」

遥は少し嬉しそうに笑った。

「遥も気をつけて帰ってね」

美咲が声をかける。

「うん。美咲もね」

遥は二人に手を振ると、自分の帰り道へ歩いていった。

蓮と遥の姿が見えなくなったところで、美咲が晴の隣に並ぶ。

「じゃ、私たちも帰ろっか」

「ああ、そうだな」

いつもの帰り道。

昔から何度も一緒に歩いてきた道だった。

「……今日、楽しかったね」

美咲が言う。

「ああ、結構遊んだな」

「また四人で行けるといいね」

「だな」

晴は何気なく答える。

その隣で、美咲は少しだけ笑った。

――こうして晴と並んで帰る時間も、昔から変わらない。

けれど最近は。

同じ時間なのに、少しだけ違って感じることがある。

美咲はその理由を、まだ自分でもうまく言葉にできなかった。

「……晴」

「ん?」

「なんでもない」

「なんだよ、それ」

「ふふっ。なんでもないって」

二人の笑い声が、夕暮れの帰り道に響いた。


期末試験が近づいてきた、ある日の放課後。

教室では、いつもより少しだけ試験の話が増えていた。

「もうすぐ期末かぁ……」

美咲が机の上に教科書を置きながら呟く。

「やばいな」

晴が苦笑する。

「特に蓮」

晴が付け足して言った。

「なんで俺だけ!?」

蓮がすぐに反応する。

「だって蓮、前のテストも勉強してなかったじゃん」

「今回はするって!」

「その言葉、前も聞いた気がする」

美咲が言った。

「美咲まで言うなよ!」

三人のやり取りを聞いていた遥が、くすっと笑った。

「でも、試験近いんだよね」

「そうなんだよね」

美咲が頷く。

「だからさ、」

美咲は少し考えてから、三人を見る。

「今度、みんなで勉強会しない?」

「勉強会?」

晴が聞き返す。

「うん。図書館なら静かだし、分からないところがあったら教え合えるし」

「いいじゃん!」

蓮が食いつく。

「俺、誰かに教えてもらわないと無理だから!」

「自分で勉強する気は?」

「ある!」

「ほんと?」

「……ちょっとだけ」

「もう」

美咲が笑う。

遥も頷いた。

「私も行きたい」

「じゃあ決まりだな」

晴が言う。

「いつにする?」

遥が聞いた。

「週末はどう?」

美咲が提案する。

「それなら時間もあるし」

「俺も大丈夫だぜ」

「私も」

「よっしゃ!じゃあ週末な!」

こうして、四人で図書館に集まることになった。


週末。

学校近くの図書館。

四人は静かな自習スペースの席についた。

席は自然と、

晴と遥が隣。

その向かいに美咲と蓮。

という形になった。

「じゃあ、始めよっか」

美咲が教材を開く。

「今日はちゃんと勉強するぞ!」

蓮が気合いを入れる。

「その気合い、最後まで持つといいね」

晴が笑う。

「持つって!」

「……たぶん」

遥が小さく付け足す。

「遥まで!?」

蓮がショックを受ける。

「ふふっ」

四人で笑う。

そして、ようやく勉強が始まった。

しばらくは静かな時間が続く。

ページをめくる音。

シャープペンを走らせる音。

時々、蓮が小さく唸る。

「……うーん」

「蓮、どこ?」

美咲が顔を上げる。

「ここ」

蓮が問題集を見せる。

「これ、全然分かんない」

美咲は問題を見る。

「ここはね、まずこの公式を使って――」

「なるほど……」

美咲が丁寧に説明していく。

「じゃあ、ここから自分でやってみて」

「おう!」

蓮が問題を解き始める。

しばらくして、

「……できた!」

「すごいじゃん」

「やっぱ美咲先生だな!」

「先生って……」

美咲が苦笑する。

向かいでは、晴が遥のノートを覗いていた。

「遥、ここどうした?」

「ん?」

「この問題。途中までは合ってるけど、ここから違うぞ」

「え、本当?」

「うん。ここはこうして――」

晴が説明する。

遥は真剣に聞きながら頷いた。

「……あ、分かった」

「そうそう」

「ありがとう、晴」

「いいよ」

遥が嬉しそうに笑う。

「晴って、教えるの上手だね」

「そうかな?」

「うん。分かりやすい」

「ならよかった」

今度は晴が別の問題で手を止めた。

「……遥」

「なに?」

「これ、どうやるんだ?」

遥が晴のノートを見る。

「ああ、これはね――」

今度は遥が晴に教える。

「ここにこの式を入れて……」

「……あ、なるほど」

「分かった?」

「ああ、遥のおかげで」

「よかった」

二人は顔を見合わせて笑った。

その様子を、美咲は向かい側からちらりと見ていた。

「……」

晴と遥が楽しそうに話している。

別に、それだけのこと。

いつもの四人の勉強会。

分からないところを教え合っているだけ。

なのに。

なぜか、少しだけ胸がざわついた。

「……美咲?」

蓮の声が聞こえる。

「え?」

「手止まってるぞ」

「あ、ごめん!」

美咲は慌てて問題集に視線を戻す。

「大丈夫か?」

「うん。全然大丈夫!」

そう答えたものの。

美咲の視線は、また晴のほうへ向いてしまう。

晴はまだ遥に問題を教えている。

「……」

美咲は小さく息を吐いた。

そして――

「……晴」

「ん?どうした?」

晴が顔を上げる。

「この問題……教えてほしい」

美咲が問題集を晴のほうへ向ける。

晴は問題を見る。そして首を傾げた。

「これ?」

「うん」

「……美咲、これ分かってるんじゃない?」

「……」

美咲は少しだけ黙る。

実はその問題。

さっき自分で解いて、もう答えまで出していた。

それでも。

「……分かってるけど」

美咲は少しだけ視線を逸らす。

「本当に合ってるか、晴に教えてほしいなって……」

「そういうことな」

晴は何も疑わずに笑った。

「じゃあ、いいぜ」

そう言って、美咲のほうへ身体を向ける。

「ここはさ――」

晴が問題を指差す。

「まず、この部分をこう考えるんだよ」

「……うん」

美咲は頷く。

けれど。

問題の解き方なんて、とっくに分かっていた。

今、美咲が欲しかったのは――

ただ、晴と話す時間だった。

「……分かった?」

「うん」

美咲は小さく笑った。

「ありがとう、晴」

「ああ、いつでも言ってな」

晴は何事もなかったように自分の勉強へ戻っていく。

美咲はそんな晴の横顔を見つめた。

そして、自分でもまだ名前をつけられないその気持ちを、そっと胸の奥にしまった。


「……もう無理だ」

蓮が机に突っ伏した。

「え、もう?」

美咲が時計を見る。

「まだ二時間くらいだよ?」

「二時間もだよ!」

「蓮くん、ちょっと休憩したら?」

遥が笑いながら言う。

「遥、優しい……」

「でも、ちゃんと休んだらまた勉強しようね」

「……はい」

「素直だな」

晴が笑う。

四人は一度勉強を切り上げ、図書館の休憩スペースへ向かった。

それぞれ飲み物を買い、席に座る。

「いやー、勉強したな!」

蓮が満足そうに言う。

「まだ終わってないよ?」

美咲がすぐに突っ込む。

「分かってるって!」

「本当に?」

「……たぶん」

「ふふっ」

遥が笑う。

「でも、こうやって四人で勉強するのって楽しいね」

「確かにな」

晴が頷く。

「一人だったら、俺も途中でスマホ見てたかも」

「晴も?」

「俺だって見るよ」

「意外」

遥が少し驚く。

「なんだよ。俺をなんだと思ってんの?」

「真面目な人」

「買いかぶりすぎだろ」

「ふふっ」

四人で笑う。

しばらく休憩したあと、再び勉強に戻った。

「じゃあ、あと一時間くらいやろう」

美咲が言う。

「よし!」

蓮も気合を入れ直す。

そして、今度はさっきよりも集中して問題に取り組んだ。

「……あれ?」

蓮が問題を解き終える。

「できた」

美咲が確認する。

「……正解!」

「よっしゃ!」

「やればできるじゃん」

晴が笑う。

「だろ?」

「でも、これ美咲が教えたところじゃん」

「それでも自分で解けたんだからすごいよ」

遥も笑う。

「美咲先生のおかげだな!」

「だから先生じゃないってば」

美咲が笑う。

そんなやり取りをしながら、勉強会は最後まで続いた。


気づけば、外はもう暗くなっていた。

「そろそろ帰ろうか」

美咲が時計を見ながら言った。

「そうだな」

晴が答えた。

遥が教材を片付ける。

「今日は結構できたね」

「蓮も思ったより頑張ったな」

晴が言う。

「思ったよりってなんだよ!」

「褒めてるんだって」

「ならいいけど」

四人は荷物をまとめ、図書館を出た。

外の空気は冷たかった。

「寒っ!」

蓮が肩をすくめる。

「もう冬だね」

遥が空を見上げる。

「この前まで文化祭だったのに、早いな」

晴が言う。

「ほんとだね」

美咲が笑う。

四人は駅まで歩いた。

やがて、いつものように帰る方向が分かれる。

「じゃあ、俺こっちだから」

蓮が手を上げる。

「また明日な!」

「うん。また明日」

三人で手を振る。

「遥も気をつけて帰ってな」

「うん。晴もね」

「じゃあな」

「また明日」

蓮と遥がそれぞれの道へ歩いていく。

残ったのは、晴と美咲。

二人はいつもの帰り道を並んで歩き始めた。

しばらく無言だったが、美咲がふと口を開く。

「……ねえ、晴」

「ん?」

「今日、勉強会楽しかったね」

「ああ、思ったより楽しかったな」

「……そっか」

美咲は小さく笑う。

少しだけ歩いてから――

「……晴に教えてもらえて、よかった」

「俺も美咲が頼ってくれて嬉しかったよ」

「うん。ありがとう。晴」

美咲は前を向いたまま笑った。

「ああ、明日テスト頑張ろうな」

「ふふっ、うん!頑張る」

冷たい冬の風が二人の間を通り抜ける。

いつもと同じ帰り道。

いつもと同じ幼なじみとの時間。

――なのに。

美咲の胸の中には、今までとは少し違う気持ちが残っていた。


そして、翌日。

チャイムが鳴った。

教室の空気が、一瞬で変わる。

「それでは、始めます」

先生が教卓に立ち、問題用紙を配っていく。

一枚目の問題用紙が、晴の机に置かれた。

「……」

晴は静かに問題を見つめる。

少しだけ息を吐いた。

「始め」

教室中で、一斉にペンが動き始めた。

晴も問題を解いていく。

昨日の勉強会で確認した問題が出ている。

「……これ、やったな」

小さく呟き、答えを書き込む。

隣では遥も落ち着いた様子で問題を解いていた。

一問、また一問。

迷うことなくペンを走らせていく。

そして、遥がふと横を見る。

晴も集中して問題を解いている。

「……」

少しだけ安心したように微笑んで、再び問題へ視線を戻した。

一方、その後ろでは。

「……」

蓮が問題用紙を見つめていた。

「……」

ペンが止まる。

「……これ、昨日やったやつじゃん」

心の中で呟く。

だが。

「……どうやるんだっけ」

完全に忘れていた。

額に手を当てる。

それでも何とか思い出そうとする。

「……美咲が……ここから……」

昨日の勉強会を思い出しながら、ゆっくり問題を解いていく。

「……よし」

なんとか答えにたどり着いた。

その向かい側では、美咲が淡々と問題を解いていた。

普段通りの落ち着いた表情。

けれど、ふと晴のほうを見る。

晴は真剣に問題を解いている。

美咲はすぐに前へ向き直った。

「……」

なぜか少しだけ、嬉しくなる。

昨日、一緒に解いた問題を晴も解いている。

そんな小さなことが、妙に嬉しかった。

再び教室に静寂が戻る。

カリカリとペンを走らせる音だけが響く。

そして――

「そこまで」

先生の声が響いた。

全員が一斉にペンを置いた。

「終わった……」

蓮が小さく呟く。

晴は息を吐いた。

「ふぅ……」

遥も問題用紙を見つめたあと、静かに片付け始める。

美咲も教材を整理する。

まだ試験は残っている。

けれど。

四人とも、昨日の勉強会で一緒に過ごした時間を思い出していた。

――次の試験も、頑張ろう。

そんな気持ちを胸に、四人は次の科目へ向かった。


そして、2日後。

「じゃあ、テスト返すぞー」

先生が答案の束を持って教室に入ってくる。

教室中から、少しざわついた声が上がった。

「来た……」

蓮が嫌そうな顔をする。

「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん」

美咲が笑う。

「いや、結果を見るの怖いだろ……」

「でも、勉強会頑張ったじゃん」

晴が言う。

「そうだけどさ……」

先生が答案を整理する。

「じゃあ、名前順に返していくぞ」

蓮が小さく息を呑む。

先生は1人ずつ答案を返していった。

「次、神崎」

「はい……」

蓮が前へ行き、答案を受け取る。

席に戻ると、恐る恐る答案を開いた。

「……お」

「どうだった?」

晴が聞く。

「……思ったより悪くない」

「何点?」

「それは秘密!」

「なんでだよ」

蓮が答案を隠す。

「まだ順位があるからな!」

「順位で分かるじゃん」

晴が笑った。

「次、桐谷」

「はい」

晴が答案を受け取る。

席に戻って点数を見る。

「……うん」

「どう?」

遥が尋ねる。

「まあまあかな」

「その言い方、絶対いいじゃん」

蓮が言う。

「次、白石」

「はい」

遥が答案を受け取る。

席に戻ると、点数を確認して小さく息を吐いた。 「……よかった」

晴が聞いた。

「遥もいい感じ?」

「うん」

そして、最後

「次、七瀬」

「はい」

美咲が答案を受け取る。

自分の席に戻り、点数を確認する。

「……よかった」

「美咲、どうだった?」

晴が聞く。

「まあまあかな」

「それ、さっきの俺と同じじゃん」

「ふふっ」

四人はそれぞれ答案をしまった。


そして昼休み。

廊下がいつも以上に騒がしくなっていた。

「順位表、出たって!」

「見に行こうぜ!」

その声を聞いた蓮が立ち上がる。

「行こう!」

「蓮、そんなに急がなくてもいいでしょ」

美咲が笑う。

「いや、気になるだろ!」

「まあ、確かに」

晴も立ち上がる。

「遥も行くよな?」

「うん」

四人で廊下へ向かった。

掲示板の前には、すでにたくさんの生徒が集まっている。

「うわ、人多いな……」

蓮が背伸びをする。

「見えない!」

「ちょっと待って」

美咲が人の隙間から順位表を覗き込む。

「……あ」

「どう?」

遥が聞く。

美咲は順位表を上から追っていく。

そして――

「……あった」

「何位?」

晴が聞く。

「……1位」

「え?」

晴が驚く。

「美咲、1位!?」

「うん……」

美咲は少し照れながら頷いた。

「すげぇ!」

蓮が声を上げる。

「さすが美咲だな」

晴も笑う。

「おめでとう」

遥も嬉しそうに言う。

「ありがとう」

美咲が笑う。

次に、遥が順位表を見る。

「……あ」

「遥も見つけた?」

美咲が聞く。

「うん」

遥は自分の名前を指差す。

「3位だった」

「おお」

晴が声を上げる。

「遥もすごいじゃん!」

美咲が言った。

「ありがとう」

遥が嬉しそうに笑う。

「美咲が1位で遥が3位か……」

蓮が二人を見比べる。

「女子二人、強すぎだろ」

「蓮も探してみなよ」

「おう!」

蓮が順位表を上から追っていく。

「……ない」

「まだ上だよ」

「……ない」

「頑張れ」

晴が笑う。

「……あった!」

蓮が指を止める。

「40位!」

「おお!」

晴が笑う。

「よかったじゃん」

「よっしゃ!」

蓮が小さくガッツポーズをする。

「勉強会の成果だな!」

「美咲先生のおかげ!」

「だから先生じゃないってば」

美咲が笑う。

そして晴も順位表を確認する。

「じゃあ、俺は……」

名前を探していく。

「……あった」

「何位?」

遥が聞く。

「10位」

「10位!?」

蓮が驚く。

「普通にすごいじゃん!」

「まあ、こんなもんかな」

晴が笑う。

「晴、ちゃんと上位だね」

遥が言う。

「遥だって3位じゃん」

「ふふっ」

四人は並んで順位表を見上げる。

1位 七瀬美咲

3位 白石遥

10位 桐谷晴

40位 神崎蓮

2年生約100人。

それぞれ順位は違う。

それでも――

「みんな、頑張ったね」

美咲が笑う。

「うん」

遥が頷く。

「次は俺、30位以内目指す!」

蓮が拳を握る。

「じゃあ、また勉強会する?」

美咲が笑う。

「……それはお願いしたい」

蓮が即答する。

「早いな」

晴が笑った。

四人の笑い声が、廊下に響いた。

そして――

期末試験が終わったことで、冬休みが少しずつ近づいていた。

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