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食卓の上の友情

「もう少し詳しくお話しいただけますか?」


ビティアがまじめな顔で尋ねる。


しかし、ルガルマはしばらく何も言わない。


さらには、ルガルマはビティアに感情を悟られないよう、身じろぎ一つしない。


まだその時ではないと判断しているからだ。


ただ、ベルマウルの剣の柄をゆっくりと撫でる。


まるで剣と話しているかのように、その表情には繊細さが宿っていた。


「いいえ。」


ルガルマが沈黙を破り、顔を上げる。


平然と話しているが、その意思は揺るがない。


「この剣は名剣です。いくらエクスバーク様であっても、このような剣を再び作ることはできないでしょう。世界にただ一つしかない剣であるという点は保証できるほどです。」


ルガルマの答えを聞き、妙な緊張が漂う。


「それでは結局、ベルマウル将軍と関係する何かがあるということですか?」


アイオレンが慎重に尋ねる。


「お二人は何か誤解されています。私はこの剣がベルマウル将軍にふさわしくないと言ったのです。ベルマウル将軍に何か問題があるという意味で申し上げたのではありません。」


ルガルマはゆっくりと首を左右に振った。


「それでは、どういうことになるのですか?」


ビティアが心配そうに言う。


「すでにエクスバーク様も十分ご存じだったと思います。しかし、すべてがうまく解決されるという希望を持ち、前向きな方向から見ておられたようです。」


その時、ルガルマの言葉が終わると、セルベインが右手を上げて彼の言葉を制した。


ルガルマがセルベインを見ると、セルベインは静かに首を横に振る。


「はい。セルベイン様もすでにご存じでしょう。私が軽率でした。」


ルガルマはセルベインの意見に同意し、それ以上の発言を避けた。


「師匠?」


心配するビティアをセルベインがなだめる。


「ビティア。確かなことはありません。時には自分で判断して決めなければならないこともあります。もう少しだけ見守っていてください。すべてが明らかになったら、必ず真っ先にビティアに話してあげます。ですから、今は待っていてくれますね?」


セルベインになだめられ、仕方なくビティアはうなずく。


しかし、その表情にはなおも名残惜しさが残っていた。


「それでも、ベルマウル将軍に剣術を教えていただきたいです。」


「はい。その点はご心配なさらなくても大丈夫です。明鏡止水の剣術。その学びはすでに始まっています。」


セルベインの問いにルガルマが答える。


「よろしくお願いいたします。それと、ギガンティックビーストの状態はいかがですか?」


セルベインは自然に次の話題へと移った。


草原を抜け、セルベイン一行の前まで来て暴走していたレックスビーストについても、気になることは多かった。


「現在、レックスビーストは気絶した状態です。気絶させた後、農場へ移送して隔離し、第一次調査を行いました。」


ルガルマが対応状況を共有する。


「それで、どうでしたか?」


セルベインが尋ねる。


「レックスビーストの体には黒い波動が微かに残っていました。しかし、残留していた黒い波動から推測する限り、レックスビースト本体を精神支配するほどの魔法の呪文がかけられていたわけではないと判断しています。」


「ですが、レックスビーストは魔法の盾を五つも一度に無力化しました。」


ルガルマの言葉に、アイオレンは自分が見たものを語る。


セルベイン一行が目撃したレックスビーストの恐るべき破壊力は、黒い波動が直接介入した結果であることは明らかだった。


ルガルマは目を閉じ、しばらく考え込む。


「黒い波動の介入があったのであれば、それに伴う明確な痕跡があるはずです。しかし、私たちが行った調査では関連する証拠を発見できませんでした。」


ルガルマは再び目を開き、部下から受け取った報告書を思い浮かべる。


「より確実な結果を得るには、まずレックスビーストを目覚めさせなければなりませんね。」


セルベインはうなずく。


「はい。ですので、明日第二次調査が行われる予定です。」


ルガルマが同意する。


「差し支えなければ、私たちも調査に参加させていただけますか?」


アイオレンが尋ねる。


「もちろんです。獣人族の気功とは異なる魔法の方が、調査により効果的である可能性もあります。」


ルガルマは笑みを浮かべながら、アイオレンの提案を受け入れる。


「ベルマウル将軍も同行されるのですか?」


「いいえ。ベルマウル将軍は明日、訓練の予定があります。明日はシルブラスに任せてみるつもりです。ベルマウル将軍はまず、シルブラスの風に慣れる必要があります。」


ビティアの質問に、ルガルマはベルマウルの翌日の予定を話して聞かせる。


「ベルマウル将軍のことが心配なの?」


アイオレンがビティアを見る。


「もう立派に大人になった息子なのに、心配だなんて。私はただ訓練がうまくいってほしいだけよ。」


ビティアは唇を尖らせながら言う。


しかし、その表情は言葉とは正反対だった。


「ビティア。明日の夕方にはベルマウル将軍と一緒に食事ができます。その時まで頑張って耐えましょう。」


「はい。わかりました、師匠。ご心配には及びません。」


ビティアはセルベインの言葉に静かにうなずく。


「ベルマウル将軍。朝です。起きてください。気分はいかがですか?」


ゲルへやって来たシルブラスが、ベルマウルを揺すって起こしている。


慣れない場所での寝床だったはずだが、薬草の効果が良かったのか、ベルマウルはぐっすり眠り、体力を完全に回復していた。


「おはようございます。良い朝ですね。おかげでぐっすり眠れました。」


ベルマウルはそう言いながらベッドに腰掛ける。


シルブラスと共にベルマウルの宿舎に来た別の獣人が朝食を運び、食卓の上に並べた。


「朝食です。」


「はい、ありがとうございます。」


ベルマウルは昨日の夕食もまともに食べられなかったため、ちょうど空腹だった。


シルブラスの言葉に、ベルマウルは嬉しそうに椅子へ座り、がつがつと朝食を食べ始める。


「セルベイン様とアイオレン様、それにビティア様は無事に到着されましたか?」


昨夜、シルブラスの背にしがみついて獣王国の首都バルエルへ到着する頃には、座っているというよりほとんど背負われた状態だった。


ベルマウルはうつらうつらした状態で問いかけに答えていたが、誰に何を答えたのかまったく覚えていない。


「セルベイン様とアイオレン様、それにビティア様は昨夜、ルガルマギルド長と一緒に食事をされました。本日は暴走していたレックスビーストの調査に行かれると聞いています。」


シルブラスは昨夜の出来事を簡単に説明した。


「あ、そうでしたか。では私も急がなければなりませんね。」


ベルマウルは調査に合流しようと、食べる速度を速める。


「いいえ。ベルマウル将軍は今日、私と訓練を行う予定です。これはルガルマギルド長の指示です。」


シルブラスは首を横に振る。


「そうですか。剣術の訓練ですね。」


ベルマウルは、獣人の背の上で踏ん張れなかった自分に何か足りないものがあると感じていた。


だからこそ、自分に欠けているものを学ぶため、積極的な姿勢でこの状況を受け入れようとしていた。


「はい。ですので、剣術訓練のために今日も私と一緒に草原へ行っていただく必要があります。」


シルブラスが少し心配そうに言う。


「いいえ。むしろ私の方からお願いしようと思っていました。必ず克服してみせます。魔族国の名誉も取り戻さなければなりませんから。」


幸いにも、ベルマウルは前向きな姿勢でやる気を燃やしていた。


「それと、もうお互いに堅苦しい礼儀はやめにしませんか。私のことは名前で呼んでください。私も友人として接したいのです。」


ベルマウルがシルブラスに先に提案する。


「それでいいですか。」


シルブラスが確認のためにもう一度問う。


「もちろん、シルブラス。」


ベルマウルが先に笑顔で気楽に言う。


「それなら、ベルマウル。今日の訓練を始めよう。」


するとシルブラスも嬉しそうに応じる。


「うん!」


しっかりと食事を済ませた後、ベルマウルは席から立ち上がった。

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