ロデンミル内人国
ビティアとベルマウルがルクナスを通じて内人国に入ると、その記録はすぐにルクナス管制所へ伝達された。
ルクナスは現在の論理では確実に判断することが難しかったこの問題を自ら修正し、結界の秩序に追加した。
そして管制所に修正状況を共有した。
中央制御室の巨大な水晶板に問題の映像が表示されている。
映像を見ていた所長がゆっくりと席から立ち上がる。
「明白な違法行為です。賢者たちにこの状況を報告しなければなりません。」
所長の前方に座っていた職員の一人が所長を振り返りながら叫ぶ。
「ゴンッ!」
しかしその直後、鈍器で頭を殴られて倒れた。
「ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!」
あちこちで鈍器を振るう音が連続して聞こえる。
管制所のあちこちで一部の職員たちが鈍器で殴られ、床に倒れた。
ルクナス内人国管制所はあまりにも容易く制圧された。
「指示を。」
鈍器を持った内人国の者が所長に近づいて尋ねる。
「ガーディアンを投入する。発見次第処理しろ。」
所長が部下たちに命令を下す。
「はい。承知しました。」
指示を受けた部下たちはその場を離れた。
「ビティアとベルマウルか。」
所長はすでに二人の正体を知っているような表情をしている。
しかし所長の口からは別の声が漏れ出た。
「すべてのガーディアンを出動させろ。発見次第排除する。」
管制所を完全に掌握した所長の部下たちが水晶板を操作する。
やがて命令を受けたガーディアンたちが目を覚まし、保管所の外へ向かった。
そして保管所を出たガーディアンたちは瞬く間に四方へ散開した。
飛行型ガーディアンたちが空を飛びながら、ビティアとベルマウルを探すために慌ただしく動いている。
しかしロデンミル内人国の人々はそれほど気にしていない様子だった。
普段からガーディアンたちが巡回しているため、突然ガーディアンの数が増えても、ロデンミル内人国の人々には大きな騒ぎには見えなかったからだ。
ベルマウルはロデンミル内人国のガーディアンを見るのが今回初めてだったため対応が遅れる可能性もあったが、幸いにもビティアにはガーディアンを見た経験があった。
ガーディアンはロデンミル外人国でも使用されていたため、ロデンミル外人国を訪れた際に何度か目にする機会があったのである。
ガーディアンはロデンミルを防衛するために人族が作った、自律的に行動する機械式魔法兵器であり、胸部に装着された魔法コアによって動いている。
ガーディアンの身体は純粋な機械装置であり、魔法が付与された魔法コアを搭載している。
この魔法コアに充填された魔力を利用して機械の身体を動かす構造になっている。
そしてガーディアンの行動を制御する命令も魔法コアに入力されていた。
魔法コアに入力された姿と照合しながら、飛行型ガーディアンたちは上空からビティアとベルマウルを探していた。
状況を直感的に理解したビティアは、はるか向こうから飛行型ガーディアンが周囲を監視しながら近づいてくるのを見ると、その視界に入る前に素早くベルマウルの腕をつかみ、路地の中へ身を隠した。
飛行型ガーディアンは見えるものすべてを識別すると、すぐに別の場所へ飛び去っていく。
大通りよりも狭い路地は、大型の飛行型ガーディアンが入り込めないため、飛行型ガーディアンの調査範囲ではなかった。
そのため狭い路地は、より小型の地上型ガーディアンの担当区域となっている。
だから飛行型ガーディアンは路地の中まで確認することなく、ビティアとベルマウルをそのまま見逃して通り過ぎていった。
「どうやら私たちの不法侵入がバレたようだね。まあ、いずれ時間の問題ではあったけれど。ベルマウル、私の後ろにぴったりついていて。これからは静かに動かなければならない。」
「はい。分かりました。」
ビティアの言葉に、ベルマウルは静かにうなずきながらビティアの後ろへと身を移した。
実際、潜入や隠密の経験はビティアのほうがはるかに豊富だった。
ビティアとベルマウルはロデンミル内人国の路地を素早く通り抜けながら、目的地へ向かう。
「ガーディアンの数がどんどん増えている。間違いなく私たちを探しているんだろう。ルクナスを抜け道で通過したことがバレたみたいだ。思ったより対応が早いな。」
ビティアが状況を正確に判断する。
「内人国に抜け道で入ったのは、確かに私たちが悪かったです。でも、ガーディアンたちの様子が怪しいです。まるで……」
戦闘で得た経験から、ベルマウルはガーディアンの動きを警戒する。
「まるで私たちを見るなり攻撃してきそうだ、ということだろう?」
ビティアがベルマウルの言おうとした言葉を代わりに締めくくった。
「心配するな。機械なんかに負けるものか。せっかくここまで事を起こしたんだ。必ずダルガンの塔である第五塔ネルマルクを見てやる。行こう。」
ビティアがやる気を燃やす。
そうしてビティアとベルマウルはガーディアンの捜索をあちこち巧みに避けながら、ついに内人国第五塔ネルマルクの前に到着した。
ロデンミルの塔は八つすべてが、それ自体で巨大な構造物だった。
空気中を漂う一般魔力を圧縮し、高密度の魔力へと変換して都市にエネルギーを供給する装置であるだけに、その規模は非常に大きかった。
そのため、空高くそびえ立つ八つの塔はロデンミルのどこからでもよく見える。
そのため、塔はむしろ観光名所に近かった。
結局のところ、観光案内所に用意されている無料の地図さえあれば、誰でも望む塔にすぐ到着できた。
「おかしいな。」
第五塔ネルマルクの近くで塔を見ながら、ビティアが不審そうな表情を浮かべる。
「どうされたのですか?」
ベルマウルが尋ねる。
「何とも言えない違和感がある。見た目だけなら問題なく見えるんだ。でも、その感じがあまりにも完璧すぎるんだよ。」
ビティアが腕を組む。
「そう見えるのですか? 私にはよく分かりませんが。」
ベルマウルも塔を観察しながら、ビティアに再び尋ねる。
「気のせいかもしれないけど、何だか妙な感じがする。とりあえず、もう少し近づいてみよう。」
ビティアはそう言うと、一歩前へ出る。
「ドスッ!」
正確には、ビティアが立とうとした場所へ空から金属の矢が飛来し、地面に突き刺さった。
「母上!」
ベルマウルは耳に風を切る音が聞こえると、本能的にビティアを素早く引き寄せ、自分の後ろへ回した。
「ドスッ!」
ビティアをかばいながらベルマウルが木の後ろへ隠れると、すぐにベルマウルが立っていた場所へガーディアンが放った二本目の矢が飛来し、地面に突き刺さる。
「母上、大丈夫ですか?」
ベルマウルが尋ねる。
「うん、大丈夫。ありがとう。」
ビティアがベルマウルの後ろで姿勢を整える。
「ガーディアンの魔法コアを狙うんだ。準備して。」
ビティアがベルマウルに指示する。
ビティアの言葉が終わるや否や、飛行型ガーディアンが空から急降下し、ベルマウルが隠れた木へ向かって高速で突進し始めた。
ガーディアンの両手には剣が装着され、木ごとベルマウルを切り倒そうという攻撃態勢を取る。
しかし、一般人相手ならともかく、高度な実力を持つベルマウルに通用するレベルではなかった。
ベルマウルは空中へ跳び上がると、自らの肩でガーディアンの身体に体当たりし、その体勢を崩した。
そしてガーディアンの体勢が崩れるや、ベルマウルはその機会を逃さず、ガーディアンの魔法コアへ自分の剣を突き刺した。
「バキッ!」
ベルマウルの剣が魔法コアを貫く。
次の瞬間、ベルマウルは素早く剣を引き抜き、地面へ着地した。
魔法コアが破壊されると、制御を失ったガーディアンは地面に激突して転がり、そのまま第五塔へぶつかった。
しかし、ベルマウルの攻撃によって第五塔へ衝突したガーディアンは、確かに塔にぶつかったにもかかわらず、何の抵抗もなく塔の内部へ吸い込まれるように消えていった。
それを見たビティアとベルマウルは状況を察する。
「塔は幻影です。」
ベルマウルが先に正解を口にする。
「うん。どうやら塔のように見せかけていたみたいだね。急いで中に入ろう。」
ビティアは同意しながら塔へ向かって走り出す。
その後をベルマウルが追う。
「急いで。すぐに他のガーディアンたちが押し寄せてくるはずだ。」
ビティアの足取りは速い。
予想通り、塔のように見えていたものはただの幻影に過ぎず、ビティアとベルマウルが手で触れると、その部分は霧のようにぼんやりと霞んでから再び塔の姿へ戻った。
ビティアとベルマウルは何の制約もなく幻影の塔の中へ入っていった。
予想通り、塔の内側はがらんとした平坦な空き地でしかなかった。
そして中央には、ベルマウルによって魔法コアを破壊され、停止したガーディアンが倒れていた。




