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追放された“無能支援役”、実はパーティ全体を最適化する最強の頭脳でした 〜気づかれなかった俺が抜けた途端、全部崩壊する〜  作者: 鷹宮ロイド


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第15話 必要とされた理由

 「次は排除する」


 その一言は、戦闘の終わりよりも重かった。


 主の巨体が倒れたまま、動かない。

 静寂。


 でも、終わっていない。


「……レイン」


 ガルドが低く言う。


「撤退するか」


 短い問い。


 でも、その中にあるのは判断じゃない。


 確認だ。


 今、決めるのは僕だと分かっている。


「しない」


 即答。


「ここで終わらせる」


「……終わらせる?」


 ルナが眉を上げる。


「何を」


「“必要かどうか”」


 視線を後ろに向ける。


 管理局の男。


 こちらを見ている。


 完全に敵として。


「……」


 リゼが小さく息を呑む。


「それって……」


「証明する」


 短く言う。


「ここで」


 沈黙。


 そして。


「……いい」


 ガルドが頷く。


「付き合う」


「マジかよ」


 ザックが呟く。


「もう逃げられねえな」


「最初から逃げてないでしょ」


 ルナが笑う。


 ジンも肩を回す。

「ちょうどいい。さっきの続きだ」


 イーリスが杖を握り直す。

「……魔力は残ってる」


 全員が、前を向く。


 管理局。


 今度は、向こうから来る。


「……」


 男が一歩踏み出す。


「再確認する」


 低い声。


「未登録支援者レイン。および関係者」


「うん」


「即時排除対象とする」


「分かってる」


 短い返答。


「……抵抗するか」


「する」


 即答。


 それで十分だった。


「――行動開始」


 管理局が動く。


 今度は迷いがない。


 完全な排除行動。


「来るぞ!」


 ジンが叫ぶ。


 数が多い。


 さっきよりも。


 そして、動きも速い。


「……」


 少しだけ、考える。


 さっきまでとは違う。


 相手は“人”。


 連携もある。


 そして。


 僕のやり方を、見ている。


「……いいね」


 小さく呟く。


「何がだよ」


 ザックが怒鳴る。


「条件が揃ってる」


「は?」


「試せる」


 短く言う。


「全員、さっきと同じでいい」


「同じ?」


 ガルドが問う。


「いや、少し変える」


「どっちだよ」


「基本は同じ」


 そして。


「僕が前に出る」


「は?」


 全員が同時に声を上げた。


「何言ってんだ」


 ガルドが低く言う。


「お前は後ろだろ」


「今回は違う」


「なんでだ」


「見せるため」


 短く言う。


「何を」


「これ」


 軽く指を動かす。


「……」


 リゼが一瞬で理解する。


「……ああ」


 小さく頷く。


「なるほど」


「おい、分かったのかよ」


 ザックが言う。


「説明してくれ」


「あとで」


 時間がない。


「来るぞ!」


 管理局が踏み込む。


 速い。


 正確。


「レイン!」


 ガルドが叫ぶ。


「分かってる」


 一歩、前に出る。


 初めて。


 完全に前に立つ。


「……!」


 管理局の動きが一瞬止まる。


 想定外。


 当然だ。


 前に出るタイプじゃない。


「……いい」


 小さく呟く。


 これでいい。


「ガルド、今」


「行く!」


 踏み込む。


 その後ろ。


 イーリスが詠唱。


 ザックとルナが待つ。


 ジンが補助。


 全部、見える。


「……ここ」


 指を動かす。


 ガルドの位置が少しずれる。


 その一歩。


 管理局の動きが崩れる。


「……!」


 男が目を見開く。


「今、イーリス」


「了解!」


 火が通る。


 想定外の角度。


「ザック」


「おう!」


 入る。


 完全に通る。


「ルナ」


「任せて!」


 連続。


 繋がる。


「……」


 管理局の連携が、崩れる。


 完全に。


「……なんだ」


 男が呟く。


「何をしている」


 その問いは、前と同じ。


 でも、意味が違う。


 “理解しようとしている”。


「簡単だよ」


 僕は軽く言う。


「位置、変えてるだけ」


「……」


 沈黙。


 でも、もう遅い。


「ガルド、押す」


「行く!」


 今度は完全に押す。


 崩れている。


 通る。


「……っ!」


 一人、倒れる。


 連鎖。


 もう止まらない。


「……」


 男が後退する。


 初めて。


 完全に。


「……撤退」


 短く言う。


 指示が飛ぶ。


 管理局が下がる。


 戦闘終了。


---


 静寂。


「……」


 誰もすぐに動かない。


「……勝ったな」


 ジンが呟く。


「勝った」


 ガルドも言う。


 でも。


「……これ」


 ザックが言う。


「さっきと違うぞ」


「違うね」


 僕も頷く。


「何が違うんだ」


「見せた」


「は?」


「やり方」


 短く言う。


「……」


 リゼが静かに言う。


「“分からないもの”ではなくなった」


「そう」


 それが重要。


「……」


 ガルドが小さく笑う。


「なるほどな」


「何が」


「お前が必要な理由」


 短く言う。


「やっと分かった」


 その言葉で。


 完全に終わった。


 追放。


 否定。


 全部。


 そして。


 新しい関係が始まる。


「……」


 僕は小さく息を吐く。


 一区切り。


 でも。


 まだ終わらない。


「……レイン」


 リゼが言う。


「これから、どうしますか」


 いい問いだ。


 少しだけ考える。


 そして。


「広げる」


「広げる?」


「うん」


 短く言う。


「もっと大きく」


 その時だった。


 遠くで、鐘の音。


 重い。


 警告音。


「……なんだ」


 ジンが眉をひそめる。


 イーリスが顔を上げる。


「……管理局の非常招集」


「は?」


「どういうことだよ」


 ザックが言う。


「……」


 僕は小さく笑った。


「来たね」


「何がだ」


「本番」


 その一言で。


 全員の空気が変わる。


 ここからが、本当の始まりだ。

第1章、ここで一区切りです。


「必要とされた理由」がようやく形になりました。

ただし、これはスタートラインです。


ここから一気にスケールが広がります。


もしここまで面白いと思っていただけたら、

ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです。


次章から、本番に入ります。

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