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12.現世

調査を初めてから、数分後……

 ミサキたちは、現世へと来ていた。ウカが繋いだ縁が現世を指し示していたからだ。

 薄いピンクのワンピース、胸元にはフリルがついている可愛らしい服を来て歩いている。ウカたちは姿が人間に見られないようにしているため、傍から見ると幼い子供が1人で歩いているように見える。そのため、時折こちらをチラリと見てくる者がいるが、声をかける気配はないので、完全にスルーしていた。


「ウカ様、こんな住宅街にいるのでしょうか?」


「さてな、縁が指し示しているならば居るかもしれん」


「ですが、とても静かですよ?」


 ウカたちの姿はミサキにしか見えていないため、小声で会話する。閑静な住宅街に入ると、人気が全くない。その為、小声でも声が響いているように聞こえる。


「縁はいずくまで続くのだ?」


「うーん、まだ先かも」


 紅燕の方を見ながら歩いていると、横から引っ張られる感覚があった。たたらを踏み、顔をあげるとウカがミサキの腕を引っ張っていた。


「前を向いて歩け」


 ウカの言葉に慌てて前を見ると、人間とぶつかりそうになっていた。

 小さく、ごめんなさい!と謝りながら少し小走りでその場を立ち去った。


 ぶつかりそうになった人間は、怪訝な顔をしてミサキでは無く、ミサキの後ろを見ていた。


 数m程走った為、少し息が切れている。紅と朱に背を撫でて貰いながら息を整える。ふと視界に写った赤い糸がピンと伸びているのに気がついた。

 ゆっくりと顔をあげ、糸の先を見るとそこには古民家がある。人が住んでいるか怪しいくらいのボロボロ具合に思わず2度見してしまった。


「あの、あそこのお家だと思います」


 え?と声を上げながらミサキと同じように2度見する紅と朱。考え込んでいるような表情のウカと紅燕。子供と大人で完全に反応が分かれていた。


「どうしましょうか?」


「行ってみるしかあるまい」


「でも、なんか出そうですよ!?」


「何が出るって言うんだ……」


 呆れたような声に、むぅと頬を膨らませる。

 確かに、ウカが居れば怖いものは無いかもしれない。実際、何があっても必ずウカが助けてくれているので、本当に怖いものは無いのだが…


「だって!お化け怖いです!」


 お化けは触れない。具現化しない。いきなり驚かしてくる…のは、妖怪も同じだ。それでも怖いものは怖い。

 そう言って怯えるミサキの手を取り、分かると朱が何度も頷いた。

 その様子を見ていた他の3人は、微笑ましい目…いや、とても生暖かい目で見ていた。


「ミサキ様、朱、そんな事を言って居ても仕方がありません。さあ、行きますよ」


 紅は容赦なくミサキと朱の手を引き引っ張っていく。いやー!という2人の悲鳴を聞きながら保護者2人は後ろからついて行った。

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