111/123
24.ざわめく人と妖怪たち
水面に石を投げた時のような波紋が、そこかしこで広がる。
始まりは、小さな波紋だった。
次第に大きくなり、収めることは難しくなる。
噂話が広がっている。
人から人へ伝わるたびに尾ひれが付き、次第に事が大きくなる。
一人は『人を襲う』と伝える。
一人は『人を攫う』と伝える。
また別の人は『子供だけを狙っている』と伝える。
聞いた者たちは、何が正しいのかなんて分からない。
所詮噂だ。
だが、怪異はそうして生まれる。
人々は知らない。
妖怪たちは気づいていた。
人々がなにか恐ろしいものを生み出しているのを。
『噂』という、目に見えない不確かなものを使って……




