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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第6章「勃発?第3次世界大戦」編

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第182話「次の動き」

アーリントン州、リングレー。CIF(Central Intelligence Freedom-country)本部。


「1108ヵ所の開票所のうち、30ヵ所で日本の魔法少女が双方の解散に成功しました」


まだまだ完全解決には時間がかかりそうだとポーター長官は思う。


先程、『怪物』だと結論づけた佐藤ゆりあ大臣は、部屋の隅でまだスマホで通話している。


と思ったら、瞬間的に少女が現れ、消えた。


テレポーテーションが使える者がいるのだろう。確かルマニア共和国の大統領夫人になった岸本梓がその能力者だったと記憶している。


「現場から凶器と思われるモノを回収したわ」


一見するとただの見慣れた『自由の国』の国旗だ。だが50cm程の旗竿の後端、持ち手側の先端部分に見慣れないものがついている。


「指サック?」


先程までポーターに説明していたケイシー=カッシュ市場・経済担当情報官がそこを見て言う。


確かに、指サックのようなゴム製の部品がついている。


ポーターは旗竿を手に取り、重量を確かめるように軽く振った。


「まだ推測段階だけど、旗竿の中にゴムを通してパチンコのように弾を撃ち出したんじゃないかしら?」


ゆりあの言葉に、『まさか』と思う。

だが『あり得ない』と思う以外に、否定する材料はない。


「確かにこれなら大学体育館などの簡易ボディーチェックのある会場でも銃撃事件が起こった理由も説明がつきますね」


ケイシーは納得するように言う。


「私にも見せてくれ」


そう言って、リチャードが自前のスマホを構える。


「樹脂キャップの形状が一致しました。『ナイル』に販売ページがあります」


スマホのカメラがAIとリンクしている機種でリチャードが瞬時に流通経路の割り出しにかかる。


メインモニターにナイルの商品説明ページが表示される。


『「自由の国、国旗」

スポーツ観戦・イベント・選挙応援に最適。

価格、15セント。

サイズ、国旗部分 縦12cm×横18cm。旗竿50cm。

※地球環境に配慮し、旗竿を樹脂製から金属製に変更しました。

生産国、「人民の国」


この製品のレビューはまだありません。

最初のレビューを書いてみませんか?』


確かに先端の樹脂部分が似ている。そして、今、出ている指サックのようなゴム部品は旗竿になっている鉄パイプの中にあったのだろうと製品写真から容易に想像ができた。


「旗竿の中にゴム部品を使う合理的理由がないわね。だからやはり、この部品は発射装置と見るべきね」


ゆりあがそう結論づけた。


「販売数は?」

「『ナイル』は庭のようなものです。任せてください」


リチャードがそう言ってパソコンを操作する。


「累計販売数は約9,000本。……購入者リストには、判明している被害者20名の名前も含まれています」


おそらく、ナイルのどこかのバックドアから販売情報を抜いたな。とポーターは思う。非常時なので目をつむる。


「リチャード捜査官、私が命令していいかわからないけど、『ナイル』で『自由の国の国旗』を検索してくれる?」

「そのくらい構いませんよ」


ゆりあの言葉にリチャードが応える。

そして、画面に表示された瞬間、気づく。


「なるほど……他が1ドルを超える中、この商品だけが破格と言っていいほど安いな」


ポーターのその言葉に、ゆりあが推測を重ねる。


「15セントなんて、儲ける気はないわね。多分、大量にばら撒くために赤字覚悟で安く売った。

構造から推察すると弾が出なかったもの、出たが人に当たらなかったもの、買ったが実際には使わなかったものもあるはずよ」

「ねぇ、つまり、あと、8000人以上の犠牲者が出るって事?」


ケイシーの声が震えた。普段は株価や市場規模を冷静に語る彼女が、初めて数字を「命の数」として口にした。


「ポーター長官、これは提案なのだけど、この件は公表しましょう。現在はSNSが停止中だから、テレビで発表してしまえば新たな犠牲者は防げるかもしれない。同時に州兵が一般市民を射っていないという証明にもなるわ」


ゆりあの言葉にポーターが腕を組み、少しだけ考え、答える。


「それならウチ(CIF)より、EBI(Extra Bureau of Investigation)の方が最適だな」


CIFは対、国外。EBIは国内。と役割分担がされている。だが、今回の件のように国外勢力が国内で事件を起こすケースもある。両者は緊密に連絡を取れる体制が構築されていた。


「それと大統領官邸にも報告が必要になるな……」

「それなら、どちらかを私が担当しましょうか?今回の現場対応では私の専門はあまり役に立ちませんから」


そう言って、ケイシーが名乗り出た。


「それなら、ケイシーには経済政策などで折衝経験のある大統領官邸を頼んでもいいだろうか?EBIの方はナンシー上級分析官、お願いしてもいいだろうか?私は不測の事態に備えて、ここから動かない方がいいと思う」

「あ、『白い家』に行くなら、我が国の小浜素子総理からの信書を頼んでもいい?」


ポーターの采配にゆりあがついでと頼み事をする。


その時だった。


「発信元は『人民の国』。政府回線ではありません。接続情報から、電機メーカー『ハイワン』経由と推定されます」


リチャードの部下のオペレーターがそう報告する。


「メインモニターに表示してくれ。このタイミングだ。『関係ない』事の方が珍しいだろう」


ポーターがそう指示を出した。


その人物が映し出される。


肩の高さで切り揃えられた黒髪。

黒縁のメガネをかけているが、それでも目立つ美貌。資料によれば若い頃は舞台や映画で女優として活動していたはずだ。


その人物の名前を呼ぶ。

いや、一連の事件の犯人の1人と目される女性。


「紅青。『ミス・パープル』!」

暑い日が続いていますが皆さんはお元気でしょうか?

ようやく電気も復旧し、エアコンのありがたみが身に染みています。

借りているアパートが地震の影響により取り壊しが決まり、引っ越しが確定しました。

それにより連載が不定期になってしまいます。

大変申し訳ありませんが、ご理解いただけると幸いです。

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