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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第6章「勃発?第3次世界大戦」編

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第156話「魔法の使えない私」

東京都文京区、私立・明王義塾学園・秘匿施設、魔法少女寮。


「精密検査の結果、異常ナシよ。いたって健康。それじゃ、最後に古典的、魔法検査をやるわね」


前田優子先生がそう言った。魔法少女のために医者になった元・魔法少女で『魔法とは何か?』を追求する研究者でもあった。


体重計の上に乗る。


「では、何でもいいわ。呪文を唱えて。さくらちゃん」

「はい。アイスキューブ!」


何も起こらない。本来なら、箱状の氷が出るはずだった。


「やっぱり。大気中から魔力を取り込めていないわ。だから、魔法が使えない」


前田先生がそう結論づけた。


「前田先生。魔法が使えなくてもおもらしが起こるんですが?」

「それは普通よ。だって、さくらちゃんは魔法少女になってから『おむつにするのが普通』だって思っているでしょう?元々、あなたは世界で1番『魔法を使える』人間だったーー」


魔法少女ワールドカップで、『欧州3大魔女』を含むトーナメントを勝ち抜き、優勝した。


「ーーそれはつまり、1番、大気中から水分を取り込める人間だったのよ」


要約すると、私は魔法も使えない、おむつをしてる中学3年生の女の子であるって事だ。


♦︎♦︎♦︎


「へぇ、魔法が急に使えなくなる事もあるんだ」


そう言いながら、髪にハサミが入る。

ここは学校近くの美容室で、魔法少女御用達。というか、元・魔法少女が経営している美容室なのだ。


「はい。眠っていた影響なのかなぁ………」

「それはないと思うわ。ゆりあさんの魔法はAランク。最低値だもの」


連合王国で行われたワールドカップから帰国直後、私はゆりあ大臣によって眠らされ、気がついたら3ヶ月経っていた。その間にユウ君はルマニア国に出向し、『チーム・スプリング』は3名の体制に戻っていた。


「前髪どうする?」


私の不安をよそに、カットは続いていく。


「前と同じで。あと、ストパーもお願いします。どうせ、出動もないですから」

「ふふん、そうね。前は途中で出動になったわね」


笑いながらも、嶺さんのハサミは動いていく。


♦︎♦︎♦︎


『人民の国』東部、某島。


「ねえ、そろそろ教えてくれない?あと1人について」


エマ=ブラウンが紅青に聞いた。


「あら、エマ。訓練はいいの?」

「あまり派手にやると周辺国にバレるのよ。それより、誰なのよ?」


その言葉に紅青が笑う。


「うふふ。『もう1人』はね。いないの。でも、1つ余っている事に意味があるの」

「なるほど!」


納得したようにエマも笑う。

答え合わせのように続ける。


「存在しない『もう1人』をずっと探す事になる。確かに消耗戦を強いる結果になるわね!」

「そう。勝っても負けてもね」


だが、エマは少しだけ気に入らない表情を見せた。いや、懸念していた。


「いい案だと思う。でも同時にそれはこちらの戦力が減る事を意味するわ。だから、相手も弱くなってもらいましょう」


紅青をもってしても、意味がわからない。


「具体的に言って」

「簡単よ『分断』を使うの。それだけで相手の数が減るのよ」


総統や宣伝相を裏で操ったエマ=ブラウンの本領発揮だった。

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