表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第5章「公安」編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

198/237

第129話「会頭」

千葉から1時間、電車に揺られ、八丁堀で地下鉄に乗り換えて20分程、日赤医療センターと女子大の間にあるホテルに都留留美子と伊都子が入って行く。


「ユウさん、ごめんなさいね。こんなところまで来てもらって。でも、今日はあなたがいた方がいいの」


(……渋谷区広尾か。登記上の『本部』と近いわね)


精神感応系の魔法少女である伊都子にとって、今日の留美子の『目的』はわかっている。支援者を集めての『集金』である。


このホテルの小広間が会場となっていた。

意外にも『世界調和協会』側の職員は少なく5人もいない。他は支援者である企業や団体の代表者が多い。こちらは10人近くいる。


会合が始まると、留美子が『協会』の代表者として挨拶して、100人を超える者を助ける事ができたと支援に対しての礼を言う。


「ーー今回は我々の活動により、実際に支援中の方に来ていただきました。椎葉ユウさん、お願いします」


(……ここは『魔法』の使いどころね)


「……ただいま、ご紹介に預かりました、椎葉ユウです。まずはコレをご覧ください」


そう言って、伊都子がブラウスのボタンを外し、肩から腕の部分を露出させる。青黒い痣がそこには見えるはずだ。


「……アタシは青森県から逃げてきました。日雇い派遣でネットカフェに泊まり、このままでは身体を売るしかないか、という時に『世界調和協会』に助けていただきました。つまりはあなた方に助けていただいたのです」


徐々に『魔法』を使う。

参加者の1人はハンカチで目元を拭っている。他の者も鼻をすすったり、顔を伏せたりしている。


(……これで留美子さんの『想定』以上の寄付金が集まるでしょ)


伊都子はそう思った。実は見せた痣は映画などで使われるラテックス製のものをファンデーションで輪郭をぼかして使っている。留美子でさえ、この痣を見て目を丸くしていた。


「ユウさん、頑張って生きてください!」


報告会が終わり、小太りの中年男性からそう言って小切手を渡された。額面は1000万円と書いてある。


(……やりすぎた。かしら?)


傍らの留美子の思考を読む。


(目標額1000万いけばいい方だと思っていたのに?どういう事?1億を超えたわよ!)


その時だった。


「都留議員。ありがとう、お疲れ様」


そう言って会場に入って行く女性がいる。


「会場の皆様、想定以上の浄財を賜り、誠に感謝申し上げます」


その声はマイクを通さずとも会場内に聞こえ、嫌でも注目が集まる。


「『世界調和協会』会頭の宮本孝子でございます」


会場の空気が変わる。


「『世界調和協会』はバブル経済時代に弱者救済を目的に設立されました。その後の『失われた30年』でも救済の輪は途切れませんでした。皆さんのような支援者がいて下さったからです。また来年もご支援の程、よろしくお願いします!」


宮本孝子が伊都子をチラリと見た。

伊都子はその前から注視している。


そんな伊都子に孝子が微笑んだ。


その腕に『テンペスト』はない。

その手に『指輪』もない。


つまりは魔法少女ではない。

魔女でもない。


ーーなのに。


(……思考が読めない!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ