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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
外伝、その2「理想の国」

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第41話「ルピアールの休日」

10月、ルマニア共和国、首都・ルピアール。大統領官邸。


「梓補佐官、国道1号線計画だが、進捗が早すぎるんだ。現地のチェック体制はどうなってる?手抜き工事の可能性もあるぞ?」

「それはこっちでも把握してる。今のところ問題なしよ。担当者が『鼻薬』で甘くなってるって事もない」

「大統領、例の人民資本の途中撤退の件、カタがつきました。国で一元管理で了承もらってます」

「ルイス大臣、ショッピングモールの件は?」

「計画は順調、ルマニア初出店が35店舗もある。どこのフランチャイズも前向きだったよ」


会議は加速していく中、ユーリ大統領が手を2回叩いた。


「はい。みなさん、ワーカーホリック過ぎです。明日は建国記念日です。全員、大統領官邸への立ち入り禁止とします。しっかりと休みましょう」


わざとらしく言った。


♦︎♦︎♦︎


「まさか『休め』と言われるとはな……」


新任のルイス商務大臣が言った。


「はは、私も最近では『仕事が楽しい』って感覚だったよ」


張大臣も苦笑する。

そこへ。


「はい、ビール2つ、おまちどうさま!」


少女がビールを持ってくる。


「クロエ。仕事は慣れたか?」


張が声をかける。


「うん。でもね。来週には家族が迎えに来るって。なんでも、学校も再開するし、実家の牧場も軌道に乗ったからってさ」

「よかったじゃないか」


張が目を細めて笑う。


「……思っていたんだが、この国は若い」


先程のやりとりを見ていたルイスがポツリと言った。


「そうだな。若さに溢れて、エネルギーがある」


張もそれに同意した。


「『理想の国』かもしれんな」

「いや、まだまだだろ。そうするために我々がいるんだ」


何気なく、市場の周囲を見渡す。


同じようにビールを頼む客がいて、ワインを飲む女性もいる。


その向こうでは通路で子どもが遊んでいて、別の子どもが親に手を引かれて帰っている。


何気ない、休日だった。


♦︎♦︎♦︎


「今日は随分と熱心に祈るのね」


梓がユーリに言った。


「ああ、1ドル=150ネオ・ルピアになったからな。ようやく、峠を越えたと思ってな」

「今日は休みなんでしょ?」

「そうだな、市場でもいくか?」


そこでユーリは梓の異変に気づく。


「どこに行ってた?」


お気に入りだろうパステルグリーンのワンピースにところどころ埃がついていた。


「ふふ、バレちゃった。ハルちゃんの家。たまには風を通して軽く掃除しておこうと思ってね」

「なるほど。それで少し酔ってるのか……」


ユーリが断定する。


「この国では19歳は飲酒OKだもの」

「教会にふさわしい、罪の告白だな」


ユーリが軽く言った。

そして、梓の唇を奪った。


「もう、馬鹿!」


顔を真っ赤にして怒る梓をユーリが笑う。


「知らないのか、教会は『誓う』場でもあるんだぜ」

「永遠の愛を?」

「いや、我が国の防衛力強化かな?」


今度こそ、梓は怒った。


「もう、馬鹿!知らない!」


出口に向かう。それをユーリが引き留める。


「今度はキチンとしてね」


梓がそっぽを向いたまま、笑っていた。

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