↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
外伝、その2「理想の国」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

164/298

第25話「4年前」

ルマニア共和国・首都ルピアール。中心部の教会。


ユーリ大統領が祭壇に向かって祈っている。


「ユーリ大統領、また護衛もつけないで……」


呆れたように梓が言った。


「いや、今日はアズサに話があって、彼らにはメシに行ってもらった」


いつもは見ない鋭い視線に梓は気圧される。


「………何?」


やっと返した返答に、ユーリが更に言葉を重ねる。


「アズサ、出会った頃に見せてくれた、スイスの銀行の1億ドル。あれはどうやって手に入れた?普通の18歳が手にできる金額じゃないだろ?」


その質問に少しだけ梓は緊張を解く。


「4年前の話よ。不愉快だろうけど聞く?」


少しの間、だがユーリは選択した。


「ーー聞かせてくれ」

「『ゴンザレス=カール』って知ってる?」

「……『トヨサン自動車』元CEO」

「そう。あの人を日本からノンレバ国に逃したのが、私。……1億ドルはその報酬よ」


その告白に、ユーリがため息を吐く。


「ーーやっぱりか。今度は俺の話だ」


祈りの場に静かに影が落ちた。


♦︎♦︎♦︎


4年前。軍政時代のルマニア国、首都ルピアール。


「先輩!今晩、1杯どうですか?」


後輩のピエールが俺に言ってくる。


「待て、少将に呼ばれているんだ。それの内容次第だな」


そう言って廊下ですれ違ったピエールと別れる。


呼び出されたのはスィープ=フォーリオ少将。入隊したての頃、散々しごかれた記憶が蘇る。


「すまないな。この人達は、シャンゼリゼ自動車の役員ともう1人は……」

「ノートルダムの人ですね。元宗主国のエージェント」


匂いが同じだ。つまりは『美の国』のエージェント。


「ご理解が早く助かります」


「『ゴンザレス=カール』、ご存知ですか?」


ひょろりとしたシャンゼリゼ自動車の役員が言う。この人にメガネをかけたら、ピエールにそっくりだと思う。


「貴社のCEOで日本の『トヨサン自動車』の元CEOでもある人ですよね。ノンレバ国に逃亡した」

「ご存知でしたか!ならば話が早い」

「これでもテレビぐらいは見ます」

「あの逃亡事件、『日本側に都合が良すぎる』と思いませんか?」


悲痛な願いが室内に響く。もう1人のエージェントさえ、しかめ面をしている。


「それなら、お隣のエージェントに頼めばいい」


(この流れは面倒になりそうだ)


そう直感で思う。


「できるなら、そうしていました。ですが我々では日本に溶け込めない。あなたは日本の小倉高専から早応大学に留学経験があり、日本語も堪能。しかも同じアジア系で日本に溶け込める。だからこうしてお願いに来たのです」


(困った。俺しかいない)


「ユーリ!こちらのシトロエン自動車は我が軍に2000万ユーロの資金提供を約束してくれた。存分にやってくれ!」


上官に言われてはしょうがない。


こうして俺は日本へ旅立った。

できれば、いいねとかお気に入り登録していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。