↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第4章「魔法少女ワールドカップ編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

125/297

第98話「リーンベルの壁」

すいません。

先週の体調不良でストックがなくなってしましました。

不定期に更新するかもです。

1989年11月。


サウナから帰ると世界は変わっていた。

首都、リーンベルを東西に分ける『壁』は崩壊していたのだ。


気がつけば、『いい方』に世界が変わる。

魔女・ユンゲラ=メルケンはそんな人生だった。


翌年、1990年。


「私は日本の魔女です。なので『欧州3大魔女』の称号は必要ありません」


その女、長田洋子はキッパリと言った。

準優勝だったメルケンはこうして『欧州3大魔女』となった。


その年の年末には連邦議員になる。

翌年には初当選議員ながら、閣僚に選出。

これは『女性閣僚が欲しい』という、当時のゴール首相の思惑だった。


党代表になったのも前任者に献金疑惑が発覚したためで、代表選挙には敗れている。


こうしてメルケンは首相にまで上りつめた。


♦︎♦︎♦︎


現在。連合王国、首都・ドンロン。

目の前に『長田洋子の再来』と呼ばれる少女が立っている。


藤原さくら。


魔法少女ワールドカップ準決勝戦の相手だった。


水晶宮跡。第1回万博が行われた会場後の公園。ここになったのは偶然か必然か、ある程度の広さを求めた結果だった。


ここにはかつて、ガラスで作られた未来があって、火災によってあっけなく失われた。


「『Leanbell(リーンベル)-Wand(ワント)』!」


目の前に鉄の壁が現れる。

さくらが笑って言う。


「滑稽ね。崩される前提の壁だなんて。『イージスの盾』!」


盾が生成されて壁を断ち切ろうとする。しかし、さくらのイメージとは違う変化が起こる。砕け落ちるかと思われた壁はイージスの盾を受けて曲がった。その部分がさくらに襲いかかる。


「!危な!……まさかここまで薄いなんて!」

「滑稽ね。崩される前提なのに気づいておきながら、崩そうとするなんて」


表情を変えずにメルケンは続ける。


「あなたには『リーンベルの壁』なんて教科書の中の歴史でしょうけど、東リーンベル市民にとってあれは『絶望』の象徴だったわ……」


同級生が突然いなくなる。

遠くでも聞こえる銃声。

そういう事かと理解してしまう自分。


だから『魔法』にした。


♦︎♦︎♦︎


1990年、魔法少女ワールドカップ決勝。ロンデニウム城跡。


「『Leanbell(リーンベル)-Wand(ワント)』!」


あの時も同じ魔法だった。対戦相手は同じく日本、長田洋子。

その壁を前に洋子は笑った。


「滑稽ね。崩される前提の壁だなんて。でも変ね。いや、『崩される』事を前提に作っているのね」


即座にに見抜く。

そして。


「『紫電』!」

「キャァ!」


決着は一瞬でついた。鉄は電流を流す。それがメルケンを貫く。


♦︎♦︎♦︎


現在。


(認めないわ。藤原さくらが『長田洋子の再来』だなんて。あの人は一瞬で見抜いた)


「やっぱり、試してみるのは悪手だったね」


納得するようにさくらが言う。


「『100万ボルト』!」


魔法名は違えど、あの時と同じ電流だった。

だから、対策も当然してある。具体的には一部分が酸化鉄となっていて電流がそれより先、メルケンの元まで届かない。


「それ36年前にやられたわ。こちらからも行くわ。『Spielzeug(シュピールツォイク) roboter(ロボーター) aus(アウス) Eisen(アイゼン) 』!」


レトロなおもちゃのロボットが現れる。

特徴はとにかく大きい。20mはありそうなものだった。箱を組み合わせたようなデザインで、しかし鉄でできているのだろう重厚感がある。それは水色のチープな塗装では隠せていなかった。


腕がぐるぐると回ってこちらに近づく。


「……なるほど鉄を使うってこういう事もできるんだ。ゼンマイ仕掛けなら鉄だけでできる」


さくらは案外冷静に言った。

そしてこう付け加えた。


「壁は崩すためじゃなく、超えるもんだよね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。