第97話「ガールズ?トーク」
「勝者、真琴女史!」
エリザード女王の言葉で私は勝利した。
セラフィナさんはその直後に限界を迎えた。
「使ってください」
自分のリュックから予備を取り出してセラフィナさんに渡す。
「持ち歩いているって事はもしかして、あなたも?」
セラフィナさんが聞いてくる。私はスカート裾を持ち上げてそれを見せる。
「試合中、気になったんです。あなたの言葉。日本では常識です。『魔力』は体内に取り込む時に『水分』も取り込んでしまう事。そしてそれは魔力量に比例する事」
「つまりは日本では『おむつ』が強者の証だと?」
「いえ、日本では『標準装備』です」
その言葉にセラフィナさんだけでなくエリザード女王も驚く。
「真琴女史、聞き捨てならんな。日本では魔法少女におむつが必要なのか?」
「はい。『ビースト』が強力なので、強大な魔法を使った結果、そうなります」
「つまり、真琴女史は『特別』ではないと?」
「はい。本来、さくら先輩がビギナーの部で出場予定でした。昨年6月に魔法少女になったと聞いてます。こちらの出場規定が9月だから、私が急遽、出場しています。次回の4年後、私は出場できないと思います。先輩方の足元にも及びませんから」
その瞬間、今までの人生で最大限の殺気を感じる。
「『ユニオン・ジャック』!」
光とかビームのような魔法。それが私に当たる。
だが、それだけだ。
「え、エリザード女王、これはいったい?」
「私の持つ最大級の攻撃魔法だ。それを真琴女史は常に防御できる。
それでも、国の代表すら危ういと?」
「はい。だって、さくら先輩は実は年齢的に私の1つ下ですもの」
そこに割って入るのはセラフィナさん。
「ちょっと待って!マコト、あなたは常時『盾』を展開してるの?」
「はい、そうですけど?」
「わたし、どうやっても勝てないじゃない!」
10代女子2人と90代の女王の会話はいつまでも続きそうだった。
『ちょっと、エリザード女王!早く戻らないと、『不戦敗』にするわよ!』
なぜか『テンペスト』からマリアさんの声がした。
「おおう、すまん!すぐに戻る」
そうだった。あの女王はこれから戦うのだった。
エキスパートの部、準決勝戦。
日本(藤原さくら)×欧州の工業国(ユンゲラ=メルケン)
連合王国(エリザード4世)×ロクライナ(N)
午後からの対戦カードだった。




