↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第4章「魔法少女ワールドカップ編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

112/297

第85話「敗北のカテゴリー」

「佐藤ゆりあ女史、話はわかった。2人だけで別室でも用意するかね?」


この場は『連合王国』のものだ。だから女王・エリザードがまず口を開いた。


「この場で構いません。これだけ証人がいれば言った、言わないの水掛け論にならずに済みますし」


ゆりあが答える。その目線はプラント大統領から外れない。


「わかった。それならダージリンを用意させよう。ゆりあ女史もだが、先程まで海上にいたさくら女史も冷えただろう」


意外にもスマホを取り出して、どこかに電話をかけている。「私だ。ダージリンを2つ」と要件だけ告げて切った。


「ご厚意に感謝します。それでは、本題に入りましょうか?プラント大統領」


プラント大統領はここでも強気の姿勢は崩さない。彼は大統領である以前に「ビジネスマン」である。外交を商談に、防衛をコストに変化させて、世界を相手に「自国優先主義」を貫き通した。それと同時にメディア、SNSを駆使できる有能さを持ち合わせている。


「大統領である私の相手が、日本の代表とはいえ『一大臣』である。というのが気に入らないが、まあ、いい。話を聞こうか?」

「ありがとう。私が言いたいのは1つだけ。あなた、ウチの小浜首相に『2回戦、ウチが勝ったら、51番目の州にする』と言ったそうね?ご覧の通り、我が国代表は勝利したわ。その上で言うわ。『やってご覧なさい?』」


プラント大統領は馬鹿ではない。

彼の見守る中で第2艦隊は敗北し、日本を軍事的に追い込むのは不可能だと証明された。

同時に起こった経済戦争はほぼ敗北が確定している。その上で経済的に追い込むのは不可能だろう。

残ったカードは1枚しかない。けれどそれをこの場で切るのは自殺行為に等しい。


なぜならそれは、マスコミやSNSを使った『世論』に訴えること。『魔法』の存在を表明に出そうとした時、どうなるかはケネディー兄弟が物語っている。


何も言えない彼に、ゆりあは追い詰めたりしない。


「ここからは『敗北のカテゴリー』の話をしましょう。第2艦隊の件はとても公表できない。そうでしょ?」

「そうだな。『世界のカウボーイ』である、と自尊心を持つ国民は多い。大義もないまま軍を動かし敗北したとわかれば、軍の立つ瀬がない」


重く、それでいて説得力のある言葉。

メディアに見せない彼の『素の言葉』だった。


「では経済は?」

「『彼ら』には恩義がある。私は『彼ら』に大統領にしてもらったのだ」


そこにゆりあはニヤリと笑う。


「『彼ら』は政府ではないわ。だから『敗北した』のは『彼ら』で『自由の国』ではない」

「それだと、我が政権は立ち行かん……」

「プラント大統領、あなたは2期目。そこにいるウーチン大統領みたいに憲法を変えなければ3期目はない。つまり最長、あと3年。あなたは『首輪なし』で大統領ができる」

「恐ろしい。さすが『永田町の魔女』ね!」


マリア=ティモシェンコが茶化して言う。

それを踏まえて、メルケンも口を出す。


「つまり、佐藤大臣の言う『敗北のカテゴリー』とは責任の所在を『あの財団』に一手に負わせるというの?」

「半分以上、正解です。厳密には、その上で『責任』をとって『分割』してもらいます。かつてのロームフェラ・オイルのように」


ゆりあの答えにエリザードが笑う。


「かっかっかっ!それは面白い。『歴史は繰り返す』だな!」


最後の美味しいところをウーチン大統領が言ってしまう。


「プラント殿、これは貴殿にとっても、利のある話ではないか?なんのしがらみもなく、大統領をやれるのであるから」


プラントはそれでも首を横に振る。


「それでも『彼ら』は裏切れん。私の債権の殆どを握られているのだ。大統領でありながら、破産しかねない……」


ゆりあはその言葉を待っていたかのように、タブレットを差し出す。


「10億ドルあるわ。これであなたの首輪は外せるでしょ?」


今度こそ、プラント大統領は敗北を認めた。

いや、佐藤ゆりあのシナリオに賭ける事にした。

できれば、いいねとかお気に入り登録していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。