聖ケセラルト学園の食事
その日の夜。あるホテルで少女は嘆いていた。
「黄色い歓声……私はどうしていつもこうなのだ……」
スレンダーな体型に平均的な身長。長く少し青みかかった銀髪を左で結んでサイドテールにしている。そして相手に強めの印象を与える青色の瞳は、今は死んだ魚のようになっていた。
その少女、天津花梨は沖縄チームが宿泊するホテルのバイキングでネルタ相手に愚痴を吐いていた。
ネルタはいつものことなので、特に何も思っていない。
「無視したら?私はそうしているわよ」
「む、むぅ………」
プチトマトをフォークで突く花梨はネルタの言葉に同意できないそうだ。
「あなた、変な所で律儀よね。だから、私よりファンが多いと思うんだけど」
「ネルタのような性格になれるのならば、とっくに私もそうしている!だが、天津家長女として人を無下に出来るはずが……ないのだぁ……あ~あ…」
「最後の言葉で一気に緩んだ……」
花梨とネルタの弟子は少し離れた所で二人の様子を見ている。
ちなみに二人とも学校では珍しい男子生徒であり、この二人に選ばれた理由が『女子生徒だと色々盗まれそう』というものだ。
花梨とネルタの言葉に二人は『なるほど』と、妙に納得した様子で頷いたという。
「そういえばネルタ……お前、今日私の応援に来なかったそうだな。お前の弟子が言っていたぞ」
「まぁ、どうせ私が行かなくてもあなたにはいっぱい応援がいるでしょ」
「あれは応援ではあるが……何か違うような気がするぞ。それで、どこに行っていたんだ?」
「翡翠の紅哉さんと俊介さん。あと白銀のティアさんとボーリングとゲームセンターに行ったわよ」
「なに!?くっそぉ……私も1日目で試合が終わればお前らと羽を伸ばして遊べたというのか……」
花梨はカルピスを飲みながら至極残念そうにテーブルに崩れる。
「待て。お前、一日目でやたら俊介という男子生徒に絡んでいたな。もしやネルタお前…」
「え…!?ち、違うわよ!私は俊介さんの事は特に何も―――」
「ははーん。ネルタにやっと春が来たんだなぁ?道理で今日気合の入った服を着ていると思ったら、そういうことか」
ちなみにネルタと花梨はルームメイトである。
弟子が男ということもあるし、女子生徒に付きまとわれる同じ身として一緒に住んでいるのだ。
ということで、ここのホテルでも同じ部屋に住んでいる。
ネルタの行動は全てお見通しというわけだ。
「という事は、この大会終わりのパーティーで俊介という男と踊るのか?」
「し、知らない!あなた、これ以上詮索したら愚痴に付き合ってあげないわよ!」
「…ッ!?ま、まぁ待て。分かった。これ以上詮索しない」
席を立ってトレイを片づけようとしたネルタの腕を花梨は掴む。
ネルタは本気ではないのか、それを聞いて椅子に座る。
「しかし、ティアも一緒だったのか。あいつはまぁ紅哉のこと大好き女だから当然か」
「大胆よね。紅哉さんは気付いていないようだけど」
「お前がそれを言うか?俊介だってお前の気持ちに―――待てまて!悪かった!今のは完全に私が悪かった!」
「忙しい人ね」
無言で立ち上がったネルタの腕を再び花梨は掴む。
ネルタは弟子の方を向くと、手の動きで『アイスを持って来い』と言った。
花梨の弟子も立ち上がったところ、花梨にも持ってくるようだ。
「それでティアだが、あいつは今年もまた強くなっているようだな」
「そうね。サタンの一撃は相変わらず……最初当たるの北海道チームだっけ?」
「このまま行けばな。まぁ、他の県のチームにサタンを止められる奴はいない」
「Sランクは私達みたいな有名校が取っているものね」
「Sランクが全てというわけではないが、翡翠の天馬でも止められないのだ。私たちにも止められない」
「北栄が潰してくれると嬉しいけれど」
「あのヘタレがサタンに敵うと思うか?」
「ないわね」
ネルタはアイス専用のガラスの容器たっぷりのアイスが持ってこられると早速スプーンで一口。
花梨には通常の量だが、ネルタはその3倍だ。
「うむ、すまないな。下がっていいぞ」
「あなたの弟子は侍か何かなの…?」
「私にも分からんが、これがいいらしい」
「変な弟子ね」
女の子は甘いものに目がないのだ。
北栄のエースが花梨にヘタレ、と言われていましたね。
ですがまぁ、エースなので強いのは確かです。
こんなあとがきでいいのか、と度々思うのですが、これ以外に何を書けばいいのか思いつかないのですよ。
確かにこれがあるかないかで随分と違いますよね。私はよく小説を買って読むのですが、あとがきがない小説とか、凄いがっかりすると思うんです。
まぁ私自身こんな弱小作家ですが、そういうところはしっかりしていきたいな~と思っているのです。
前書きが今のところ一度も書いたことがないのですが、あらすじとか書けばいいのでしょうかね?毎回書くのはそれはそれで疲れる気もしますが……




