暇な悪の組織アヴェンジャーズ
「章仁さ~ん!」
「ん?どうしたんだい?綾香ちゃん」
「あのですね。今度全国魔術師運動大会あるじゃないですか」
「あるね。それでどうしたのかな?」
「それでお爺ちゃんが一緒に行こうって言ったから行ってもいいですか?」
「あぁ、組長からお誘いが来てたのかい?行っておいで、今神の遺産の周辺のミストが濃くなってレーダーに引っかからない時期だから、別に大丈夫だよ」
「わーい!沖田さんはー!?」
「む、私はここから花火でも見ているさ。幹部の連中がみな自由すぎるせいか、私だけでも真面目にしなくてはならないのだよ」
「む~章仁さんは~?」
「僕はそうだねぇ……行ってみようかな?」
「ホントですか!?んじゃ、早速お爺ちゃんに電話してきますね!」
綾香は会議室を飛び出して行った。
組長というのは、その名の通り、ヤクザの組長である。
章仁が運営するアヴェンジャーズの資金提供者であり、章仁の伯父に当たる人物だ。
もう老いたという事で隠居生活をしているが、たまに章仁が連れてくる綾香を孫のように可愛がっている。
それで今回の祭りを一緒に行かないか?というお誘いを綾香にしていた。
綾香も組長の事は大好きで、身寄りのない綾香にとっては本当に肉親と思えるほど心を許している。
組長の名は本田 豪三郎という。
昔は本田豪三郎と聞けば誰もが震えあがる男だったが、今は綾香を甘やかす心優しいお爺ちゃんだ。
組の者も綾香を可愛がっており、綾香が来るたびに限定スイーツを買ってきたりしているのだが、この事実は本田組しか知らない。
「僕の幹部は何をしているのかな?」
「江ノ島は魚釣り、お菊は組長の所で将棋、葉隠は江ノ島の付き添いだ」
「自由すぎない?」
「お前が自由放任の組織にするからこうなるのだ」
「うん……僕自体今日本屋に行っていたしね…」
「何をしているのだお前は…」
「うんとね、半年ぶりに発売する文庫本が今日発売日でさ、慌てて行ったらどこも売り切れで、街中歩き回ったよ」
「私しか真面目な奴がおらんのか!」
沖田はそろそろ限界に達していた。
「お、落ち着いて沖田さん!え、ボスの僕に刀を向けるの?それ確か毒塗り刀だよね?触れただけで神経麻痺起こす恐ろしい刀だよね!?」
「ふぅ………まぁ、今更ではあるな」
沖田は刀をしまって席に腰を下ろす。
章仁の幹部は右から綾香、沖田、葉隠、江ノ島、お菊となっている。
「まぁ仕事ないからいいんじゃない?僕たちの部下も皆麻雀とかしてるよ、きっと」
「もう学生たちは準備期間に入ったわけだな」
「そうだね。東京の要塞崩しには今年も紅哉君が入るようだ」
「お前が目を付けた龍人か。私も一度その目で見てみるべきか…」
「きっと沖田さんも気に入ると思うよ」
「私の代理に任せて祭りに行くとするか」
「綾香ちゃーん!沖田さんも行くってさー!」
「ホントですか!?なら、もう幹部全員誘いましょう!どうせ暇ですし」
「それいいね!久しぶりに皆で出かけよう!」
外で電話をしている綾香に章仁は呼びかけた。
そう、今日もアヴェンジャーズは暇なのだ。
やっと動き出したアベンジャー。ですが、目的が祭りを楽しむだけという至って暇な組織。日本で警戒されている組織として有名ですが、その実態はただの暇人集団。やるときはやる組織。だけど暇。
これからの展開が 私 気になります




