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龍の血を引く者  作者: また太び
7章 第二の神の遺産
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朱音の真の力

紅哉たちは遺跡の中を歩いていた。



「兄さん、この壁画」


「さっきから続いているな。なんだか神話とかそんな感じの絵っぽいな」



この壁画は恐らくこの遺跡を作った神の絵だろう。神が指輪みたいなものを天からこの遺跡に落としている絵がある。

ここに眠る遺産は指輪なのだろうか。



「魔物の気配が近くにあるのですが、いない……」


「妙だね……あたしも感じるけど…出てくる気配がない…」


「不気味だな。さっさとレリックを取って帰りたいもんだ」



先頭を歩く癒理と朱音さんがそう言うのだから本当にいるのだろう。だが、見えない。

どういう事だろうか。


紅哉たちは通路を抜けると、炎で照らされたドーム状の広場に出る。柱には様々な色のクリスタルが置いてあり、なんだか細工めいたものを感じる。



「アイリ」


『紅哉くんちょっと待ってね。あのクリスタル解析してみる』



言われなくても既に解析に入っていたアイリに感心する。

もう既に衛星カメラは使えないので、紅哉の服についている小型カメラでアイリが紅哉達の状況を見ている感じだ。


紅哉はクリスタルの前に来てアイリから渡された機械を取り出した。これは物体をスキャンするもので、アイリの手助けになればと思って紅哉はスキャンを開始した。



「データを送った」


『うん、確認したよ。凄い高度な技術で出来ているね。もう魔法の域に達しているものだよ、これ』


「浅見パークランドも古代魔法が生きていたな。確か浮遊系統だった」


『ほええ!見たかったなぁ……アイリたちが行ったときは水がいっぱいで大変だったよ~』


「……それはともかく、結局どうなんだ?このクリスタルは」


『恐らく何かの動力源じゃないかな~。近くに何かない?』


「探してみる」



紅哉達は周辺をくまなく探す。だが、何かあるようにはとても思えなかった。



「何もないな……」


「紅哉くん何もないよ~?」


「師匠、何もないですね」


「こっちも何もないようです」


「アイリ、何もないそうだ」


『おっかしいなぁ……それは動力源のクリスタルだと思うんだけど…』



カタカタとパソコンを操作する音が聴こえる。



「とりあえず全部持っていくか」



皆も紅哉の意見に同意してくれてクリスタルを取る。その時だった。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……―――――



「な、なんだ!?」


「あ!奥に行く扉しまりだしたよ!」


「やべ!早く持っていくぞ!」



怪しく輝くクリスタルを全てリュックに入れると、紅哉は翼を広げ、朱音は稲妻を放電させ、癒理は風を纏い、彰はスレイプニルを召喚する。



「閉まる前に飛び込めえええええ!」



紅哉の合図と共に一斉に駆けだした。

思ったよりも閉まる速度が速く、これはぎりぎりかもしれない。

まずは紅哉が通過し、次に癒理。そして朱音。最後に彰だが………―――



「彰!急げ!」



そして彰がスレイプニルを解除してスライディングで飛び込もうとした。

だが、その前に扉が―――――


ガアアアアン―――――!



「朱音さん!?」



朱音とゲオルギウスが閉まろうとする扉を食い止めていた。そこへ彰が滑り込み、通過するが、突如朱音さんは何かに引っ張られるように広場へ押し出された。



「え!?うそおおお!?」



こちらのセリフだった。その正体は広場に竜巻が渦巻いていたからである。



「朱音さん!大丈夫!?」


「大丈夫!紅哉君たちは先に行ってて!この扉開かないし、他のルート探るから!」


「分かった!死ぬなよ!」


「あたしがやられるような女じゃないよ。それじゃ頑張ってね~」



閉じてしまった扉に一度だけ礼をして紅哉たちは先を急いだ。



「行こう。多分このクリスタルを持ってきて正解だ」


「そうだといいですね。すみません、朱音さん」


「あなたのせいではありません。それに本来ならば朱音さんもこちらにいました。ですが、一瞬だけ見えたのですが、広場に竜巻みたいなものが…」


「まぁ朱音さんなら大丈夫だろ。あの人も結構な超人だし」


「そうですね。朱音さんなら大丈夫です」



一瞬だけ心配になったが、朱音さんなら大丈夫だろう。紅哉と癒理は彼女の強さを信頼していた。




「ゲオルギウス。あれは?」


「古代の兵士。アヌビスだ」



渋い男のくぐもった声が朱音の耳に届く。それは隣にいる騎士から発せられたもの。白銀の兜には龍のような角があり、白銀の鎧に赤いマントは誰もが幼いころに夢見た騎士そのものだろう。

朱音はユニゾン状態でもパートナーを呼び出す事が可能だ。鎧を纏っていない分のエーテルをパートナーに回す事で召喚を可能とする。



「朱音よ」


「ん?わお。感じるけどいないと思っていたのはこういう事だったのね」



ゲオルギウスは朱音に呼びかける。朱音は壁を突き破って這い出てくるアヌビスを見て面倒臭そうに答えた。



「恐らく遺跡の罠であろう」


「そうとしか考えられないね。ゲオルギウス、あれは倒しても呪いを受けたりしない?」


「受けるが、私の加護を甘く見るではない」


「そうだったね。聖騎士様の加護を受けていれば呪いは弾けるんだね」


「んじゃ、ゲオルギウスは下がってて」


「うむ。貴君に我が剣を預けている以上、負けるではないぞ」


「誰に言ってんだか。あたしは最強なのよ」



マントを翻して騎士は消えた。すると、朱音は目を閉じた。



「紅哉君たちもいないし、久しぶりに張り切っちゃおうかな」



カッ!と目を開くとその目は大空を思わせる済んだ青色だった。そして髪の色は群青へと変わる。



「Set」



呟かれた言葉に反応するように、朱音周りに黒、紫、青、緑、灰色、白の宝玉がくるくると回り始める。



「Set.001インストール….OK…ファーヴニル。加重制御……Set.002イントール….OK…ヴリトラ」



朱音の大剣から激しい黒炎が噴き出す。そして身体には触れれば消滅するようなヴリトラのオーラを纏った気がした。



「うし!行くよ!覚悟はいいかな!」



大剣から遺跡を震わせるほどの力を感じる。ニルのようなパワーを秘めた大剣を構えた朱音はアヌビスの大群へ突進した。


アヌビス達は朱音の身体に触れるだけで消滅して行く。

大剣が振るわれるたびに炎がアヌビス達を焼き殺し、焼き切る。


アヌビスたちは口から怨念の籠った死霊そのものを吐きだす。それは朱音に襲い掛かり、死霊に触れれば確実に朱音は死ぬ。



「即死ってわけ?ノンノン!チェンジ!Set.005インストール!アジダハーカ!」



空中に舞っていた灰色の宝玉が大剣から出てきた黒い宝玉と入れ替わるように入って行く。

黒炎は消えたが、代わりに辺りを死に包むような絶対的負のオーラが広場を満たしていく。

朱音はそのまま死霊を大剣で叩き切ると、怨念を吐いているアヌビス達を切り殺した。


だが、数が一向に減ることはない。むしろ増えていると言っていい。

朱音は小さく舌打ちすると、大剣に黒い霧が収束して行く。



「皆まとめてグッバイ!Set.005!安楽のタナトス!!」



ブオオオオン――――朱音は大剣に渦巻いている黒い霧ごと大きく振り回した。

黒い霧はフロアを満たすように広がり、そして朱音はすぐに何もない空間を一閃する。すると、次元が裂け、ブラックホールのように黒い霧とアヌビス達を吸い込んでいった。

残されたのは黒い大剣を持つ朱音のみ。

朱音は息を吐くと同時に宝玉が最初から何もなかったかのように消えて行き、目の色、髪の色が元に戻る。



「やっぱりダハーカは疲れるね。あの子は死そのものだからかな……使いやすさで言えばニルちゃんが一番…」



誰に聞いてもらうわけでもなく、朱音は大剣を背負って敵を倒したことで開いた扉へ歩いて行った。

彼女の何者で、何故紅哉に力を貸すのは分からない。そして朱音の周りに浮くあの宝玉がなんなのか。それを知る者はこの世界に誰もいない。


また謎が増えましたね!朱音さん万歳!私、朱音押しなんですよ。

と、それはどうでもいいですね。

さて、朱音が力を見せた今回。どうだったでしょうか?そして勘のいい方はむむ!?と思ったと思われる最後の一言。

私が思っている強さの順番は、まず一番目にクロフィード、次に朱音が来るんですよ。あとはセレナ~紅哉と続いていきます(少し適当かもしれない)

突然話は変わりますけど、小説を書いている私が最近思った?というか前からかな……まぁ思っていたことはこれ独り言ですよね。一人で何役こなしているんだ!って一人でいつもツッコんでいます。

だからなんだ、と言われれば終わりですが、独り言が得意なあなたは小説を書けるかもしれません……あ、私は危ない子じゃないですよ?

って上から目線で何を言っているんだ私は。さて、これくらいで終わりにします。

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