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龍の血を引く者  作者: また太び
7章 第二の神の遺産
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神の遺産が眠る遺跡

「師匠、みなさん。おはようございます」


「お、来たか」



朝8時ピッタリに癒理は紅哉の家に来る。

この子は5分前行動というものを知らないのだろうか。



「師匠。どうやって青森まで行くのですか?」


「なんだか雅文の方で用意をするって言っていたが」



すると、どこからかジェット機特有のエンジン音が響いてきた。



「兄さ~ん!!」


「ジェット機とかトラウマしかないんだが…」



紅哉の言っている事は女装して乗った事だろうか。



「お~これで青森まで行くんだね~?」


「朱音さんはメイド服で行くのか…?」


「うん!あたしこの服が好きだからね。良いデザインだよ」


「ちなみにデザインしたのは舞香な」



という事で紅哉たちは彰が待っているジェット機へ乗り込んだ。





青森に着くと、流石北に近いせいか、春だというのに少し肌寒い。



「お~い。朱音さん行くぞ~」


「は~い!」



朱音さんは観光客から是非撮らせてくれと言われていた。確かに美人の朱音さんが着たメイド服はコスプレにしか見えない。

しかし、ホント髪の色が昔の舞香とよく似ていた。



「アイリ、聞こえる?」


『うん!バッチリ聞こえるよ~!紅哉くん達の行動は衛星カメラから拾えるからだいじょーぶ!』


「うん、お前がどうやって衛星をハックしたとか聞かないけど、よろしく頼む」


『はいはーい!んじゃ、アイリが送ったデータを元にそこに向かってね~』


「了解。よし、行くか!」


「おー!」


「兄さんは元気ですね」


「師匠、気を付けて行きましょう」



腕を上げてくれたのは朱音さんだけだった。彰は笑顔を浮かべているだけだし、癒理はいつも通り。

というか、このメンバーでそれを求めるのは間違いだ。


アイリから貰ったデータを元に紅哉達は探索を始めた。データによれば山の奥にあるらしい。

らしいというのは道が全く分からないからであり、今も深い霧が立ち込めてきた。



「ん、紅哉君」


「あぁ、この霧は浅見パークランドの地下と同じだ」


「これで魔術は使えませんね。奏を連れて来なくて正解でした」


「奏がなんでだ?」


「紅哉兄さんにどうしてもついて来たかったらしく、最後まで駄々をこねていました」


「なるほどね……」



どんどん奥に進めば進むほど浅見パークランドと同じ現象が起こる。黄金の霧は紅哉達の姿を映しだし、なんだか周り全てが鏡のように思えてきた。



「この霧があるという事は遺跡が近いようだね」


「そうだな。また幻術に覆われていなければいいが…」


「このメンバーでは幻術に詳しい人がいませんから、絶望的です」



癒理が言わなくていい事を言う。紅哉は俗にいう脳筋。朱音さんは万能だが、万能である故に全てが平均的。癒理は紅哉と同じry。

紅哉はそこで彰を見るが、彰も残念そうに首を左右に振った。



「やばくね?」


「やばいね。瑠璃ちゃんがいれば楽勝だったんだけど…」


「ないことを祈るしかありません」


「そうですね。私達ではどうしようもできませんから」



あくまで冷静の癒理が先を歩いて行く。彼女の目は英雄と契約してから視力が格段の伸びたという。

この霧では余り変わらないような気もするが、気休め程度にはなるだろう。



「エーテルはいくら使っても消耗しなさそうだね」


「この濃い霧にはエーテルが入っているからな。安心と言えば安心だが、魔術を封じられるのは辛い」


「ウィザードタイプの天敵となる場所ですね」


「コンバットタイプの魔術師が少ないのが今の魔術世界ですから、それも仕方のない事です」


「というかさ、中学の授業自体ウィザードタイプに進めるよう促す内容じゃん?そのせいもあるな」


「ええ、コンバットタイプは目立ちます。中学校にもよりますが、全国の学校を見てもウィザードタイプを育成する学校が多いのは明らかです」



彰もデータ上でそう語られていると言う。コンバットタイプは奇形と言った所なのだろう。

紅哉のクラスは40人いるが、40人中27人がウィザードタイプだ。残りの13人が紅哉たちコンバットタイプで、要塞崩しでは主力を担う者たちだ。


ウィザードタイプが多い事は分からないまでもない。それが本来の魔術師のあるべき姿だからだ。

後はパートナーにもよるだろう。例えば紅哉の場合ドラゴンは魔術ではなく魔法だ。

一度だけニルが使った敵を球体に閉じ込める技、あれも魔法だ。

龍だけに伝わる秘術と言った方が合っている。


ドラグシールドは龍の折れない心を具現化したもので、龍にも屈しない力がなければ決して砕けぬ盾だ。

して話は戻るが、紅哉にはそんな魔法を使えるほど偉大な人物ではない。よってドラゴンの秘術も使えないという事になり、コンバットタイプになる。

癒理もそうだ。元々槍の英雄ということで、ルーンもお飾り程度の魔術だ。

槍を使ってこそのものであり、彼女がもしウィザードタイプならばリンは契約を放棄しただろう。



「ま、そんな事を言ってもどうしようもならないんだけどな。コンバットタイプの魔術師は自分を鍛えないといけないし、それで挫折する者が多い」


「もう皆貧弱だよね~癒理ちゃんを見習ってほしいよ」


「いえ、私ではなく師匠を見習ってほしいものです」


「いや~癒理さんは本当に紅哉兄さんの事が好きなのですね」


「それは違いますよ。私が師匠に好意を抱くというのが間違っています。私は師匠を尊敬しているのです。恋愛とは違います」



否定を込めた言葉を3度使った。勘違いなど起こさせないように。

先を歩いていた癒理は歩みを止めて後ろにいる彰たちに聞こえる声でそう言った。

これには彰も驚いた。紅哉はいつも通りため息をつき、朱音さんもやれやれと言った感じだ。



「平常運転どうも、だ」


「癒理ちゃんらしいね~」



今の発言はどこから来たのか考えている彰の肩をポンと叩き紅哉と朱音さんは先を歩いて行った。



「不思議な方だ」



そういうしかなかった。




「師匠。あれは」


「お!あったか!いや~幻術かかってなくてよかったよ~」



癒理が指差した先には古い石造りで出来た遺跡の入り口があった。

濃い霧で道を間違えそうだったが、この端末があって本当に助かった。



「ふぅ…一安心だね」


「それは入ってみないと分かりませんね」



ほっと息を吐いた朱音さんを抜かして彰は遺跡へ入って行った。



「俺達も行こう」



生唾を飲んで紅哉達も彰の後を追った。




中に入ると、ミストは更に濃くなり、よほどの魔術師でない限り魔術が使えない空間へと変わる。

外は気を付ければいい程度のミストだったが、ここは本当に危険だ。



「浅見パークランドのとこより酷いな…」


「もう本当に魔術が使えない空間だね。みんな、いつ奇襲されてもおかしくないようにユニゾンして行くよ」


「そうですね。生身の僕らでは魔物に太刀打ちできない」



彰、紅哉、癒理は同時にユニゾンすると各々の姿へ変身する。

朱音はメイド服のままだが、纏う雰囲気が変わり右手には巨大な大剣を持っていた。



「朱音さん、それはユニゾンなのか?」


「うん。あたしクラスになるとね、そういう変身しなくても必要なものだけ取り出せるんだ。あ、ちなみにこれは英雄限定だよ」


「そうなのですか。朱音さん、今度私にも教えてください」


「うん!癒理ちゃんは本当に一生懸命だね~」


「僕も教えて貰おうかな…」


「あ、それなら麗華さんがいいかもね。麗華さんも佐々木小次郎っていう剣豪の英雄持っているから、教えてもらうといいよ」


「朱音さん、どうして麗華さんのパートナーを知っているのですか?麗華さんも秘密と言っていたのですが」


「それはセレナちゃんから聞いたからね~」



一瞬ビクリとした朱音は大剣を背中に刺して先を歩いて行った。

彰は疑いのある目を向けるが、紅哉と癒理は朱音さんが怪しいことなど今更なので特に気にはならなかった。



遺跡突入です。ここからどんな話になるかは私次第ですね、はい。なんというのでしょうか。話を重ねるごとにどんどん面白くなっていくような、そんな話を作りたいのですよね。当たり前のことですがw

最初のころは余り手ごたえが感じず、林間学校付近から書いていて楽しくなりましたね。だから林間学校編だけすごい長いのですが、それは私の都合です。

このキャラのエピソードがほしい!という声をいただければ是非今度の話の参考にしたいと思うで、気ままにコメントしてください。

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