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龍の血を引く者  作者: また太び
6章 平和な日常?
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二人の父親

豊姫の父親。三原アディーニ。彼は昔腕利きの傭兵だった。来るもの全て鋼の身体と鋼鉄の拳で振り払い、ロシアの鋼鉄の男と言われていた。

彼とクロフィードの出会いはとある酒場で出会った。クロフィードは酔っぱらっており、でかい図体のアディーニが気に入らず喧嘩を売ったのが始まり。

ロシア最強のマフィアのグリズリーファミリーにクロフィードは属しており、己の力に絶対の自信を持っていた。対してアディーニは寡黙な男であり、身長が2mあろうとも気配の一つも匂わせない男だった。

その両者がぶつかり結果はアディーニの勝ちだが、二人とも重症の怪我を負い。アディーニは傭兵を引退。クロフィードは片目が見えなくなり、マフィアを自主的に抜けた。

彼らはどこか吸い込まれるように日本へ流れ、そこである女性と出会った。

それが麗華と豊姫の母である。おっとりとした性格の中に癒しを秘めた豊姫の母と自分をぐいぐい引っ張っていく麗華に惹かれた二人は後に結婚。

そして子供を授かる。

彼らは古傷が癒えていく想いだった。ナイフで切り裂かれた身体や、銃弾を貰って傷ついた身体がこんな小さな命によって癒されたのだ。

アディーニは元から社会知識は豊富だったため、傭兵の頃に溜めたお金を全額つぎ込んで財閥を立ち上げ後に世界に名を轟かせる三原財閥へ成長する。


クロフィードは頭は余り良くない方で、身体を生かせないかと考えた結果ガードマンになる事を決意し、ある家に生涯ガードを務める契約を結ぶ。これが炎道家である。

二人の共通点は子供だ。

ろくに家に帰る事が出来ず、娘と息子とのスキンシップも出来ないながらも自分の事をかっこいいお父さんと言ってくれる娘と息子に何度救われたか分からない。

息子が財閥を継ぐとアディーニの前で宣言した時は顔こそは無表情だが、心の中では涙を流した。

そんな兄を尊敬の眼差しで見つめる娘。母も微笑ましく見ており、こんな仕事一筋の親でも立派に育ってくれた息子と娘に何かしてやりたい。だが、アディーニは不器用な男だ。

何かしようとしても結局は空回りしてしまう。

今回も娘のために頑張ろうとしたが、まさかクロフィードがいることは予想外だった。



クロフィードは娘が2人出来た事に歓喜し、病室で踊った事もあった。もちろん麗華に怒られたのだが、それでもこんな人間味に満ちた祝福を得られたのは人生で初めてだった。

マフィアに入った時こそは毎晩血を見て生きていると思っていたが、これこそが生きているという事なのだと初めて知った。


娘たちは元気に育ち、長女はクロフィードの格闘術を真似できるほどの天才。次女は運動神経こそないもの、頭脳はずば抜けていた。

後にセレナは炎道家のガードマンとして入り、紅哉と舞香を面倒を見ることになる。

クロフィードは幸せだった。小さい時の紅哉に間違ってお父さんと呼ばれた時は何とも言い難い気持ちでいっぱいになり、紅哉を抱き上げて庭を走り回ったりもした。


クロフィードとアディーニが至った考えは、母と子供は偉大だ。と感じた。

娘と息子と母を思えば何でも出来る気がしたし、実際アディーニの財閥はいつも隣で自分が指示をしなくても息子が自分とそう変わらぬ腕で部下に指示を出していた。

小さい頃から自分の背中を見てきた息子を誇りに思った。


クロフィードは毎日ガードマンの仕事で炎道家の周りをぐるぐる回る仕事かと思えば、暇さえあれば紅哉と舞香と一緒に遊んで幸せな時間を過ごした。

アディーニとクロフィードの過去を知っている者ならば信じられない光景だろう。だが、彼らはもう一人前の親だ。父の背中を見て育った子供がこんなに楽しそうに毎日を過ごしているのだ。

その平穏を脅かす存在は決して許さない。

例え相手が国のトップだろうと、マフィアのボスだろうと己の身体で脅威を跳ね除けるのみ。

何故なら、彼らは父親なのだから。


数奇な運命ですよね。喧嘩で出会った二人は違う道を歩みつつも、行き着いた場所は同じ。クロフィードがガードマンになったのも、もう傷つけるために力を振るうのではなく守るために力を振るうと決意したため。

アディーニが財閥を立ち上げたのも貧乏な三原家を救うため。

それがやがてこんな立派な父親に成長したんですね。不器用ながらも頑張った二人の父親。これからもちょくちょく絡ませていきたいと思います。

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