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龍の血を引く者  作者: また太び
10章 龍族の侵略(続)
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龍族の合流

「ん…?お兄様、リア達が帰ってくるわ」


「お!やっとか!」



その日の夜、リビングで本を読んでいた舞香は本を閉じて紅哉にそう告げるなり外に出て行ってしまった。


そして紅哉が全員を呼びに行った後外に出るとそこには巨大な龍が舞香を見ていた。



『おおお!』


「こ、これ全部龍族っすよね…!」


「凄い迫力…」


「流石に大きいですね」



直人が少し怯えながらも龍を見て驚く。遊佐も3組で常にこれよりも巨大なリアを見ているとは言え、ここまで龍族が並んでいる光景には流石に驚くそうだ。

セレナは一見冷静そうに見えるが、実は内心驚いている。



「リア、紹介して」


「分かりました」



人間姿のリアは一体の翼龍種から飛び降りると舞香の隣に来る。



「まずは無名の龍人種、通称レッドドラゴン、ブルードラゴンが4体と3体。次に翼龍種ワイバーンが4体。最後に地龍種アースドラゴンが3体です。残りの4体は名付きの龍となりますので、それは本人からしてもらいましょう」



そう、赤い龍や青い龍。そして灰色の龍や茶色の龍と全く違う威圧を放つ龍が4体いる。



「オレは水龍種の水亀龍ガルグイユだ」



野太い声の水龍の声は一番左から聞こえてきた。

4足の足はヒレのようになっており、背中には亀のような甲羅。長い首は鞭のようにしなる。

どうやらこの龍に鱗はなく蒼い革だけのまさに水に特化している龍らしい。



「これはガーゴイルの語源にもなった龍ですね。まさか生きていたとは」



セレナが感心した様子で語る。

朱音もカケルも未来で見たことはないのか、何も喋らずにただじっと見ている。



「彼は私の古い水龍種の友人です。彼の弟は遥か昔の人間に討伐されましたが、ガルグイユは争いを好まない性格から現代まで生き残っていました」


「争いを嫌うリアの頼みだ。龍人、オレもお前達のために戦おう」


「ありがとう。頼りにさせてもらうよ」



比較的人間と友好的なそうな龍で安心した紅哉は、次の紹介を待つ。



「次はワタシの方ね」



紅哉は美しい女性の声を聴いた。

その人間とは思えないほどの美しい声に全員そちらの方へ視線を向けると、そこには1体の龍の肩に乗る妖精がにっこりとほほ笑んでいた。



「彼は無口だからワタシが紹介するわね。ワタシは水の妖精のシャナ。で、こっちが龍人種の凶暴龍クエレブレ」



赤い鱗を持ち、大きさはニルより二回りくらい大きい。

凶暴龍などと言われてるが、荒々しいオーラは感じない。恐らく紅哉達に興味がないだけかもしれないが。



「ホントは馬鹿な龍なんだけどよ。こいついつの間にか妖精と住んでやがってさ、連れて来るのに一苦労だったんだぜ」



グリンデルのテンションが珍しく低い。どうやらこのクエレブレという龍は相当融通の利かない龍らしい。



「わぁ…綺麗な妖精ですね……」


「そうですね~。まさか龍と暮らしている妖精がいるとは思わなかったです~」



美波がうっとりとシャナを見ており、凪咲も美波と同じうっとりしている。



「ありがとう。クエレはおバカさんだけど、ワタシが彼の頭脳となるから安心して。誰の指示にも従わないけど、ワタシの声には耳を傾けるから」


「了解だ。シャナ、クエレブレ。二人を歓迎する」


「よろしくね、皆。クエレも」


「…………よろしく」



ホントに無口なんだな、と全員が思った。



「次は私だ。私は地龍種の毒蛇帝龍ニーズヘッグ。これでも龍の里ではダハーカ様の補佐を務めていた邪龍だ」


「ニーズは知将として我の補佐を務めていた龍だ。戦力としては申し分のない龍だぞ」



深緑の鱗の鼻先にはまるで槍のように鋭い角が2本生えている。

蛇というよりもトカゲのような身体だ。尾は先ほどの鋭い角のような棘が幾重にも生えそろっている。こんな尻尾を受けたりなどしたら体中穴だらけになってしまうだろう。



「最後にボクだね」



それは神々しい龍だった。

本当に教科書に出て来るような東洋の龍の姿をしている。

白い身体に黄金の角が2本。そして長い髭に尻尾まで連なるたてがみはゆらゆらと揺らめいている。

そして首元は白い毛で覆われており一見柔らかそうに見えるが、これは弱点を隠すための毛。つまり、相当強靭な毛である事は確かめるまでもなかった。



「ボクは龍神種の白龍帝だよ」


「この龍神種はボクっ娘なのね」


「なにそれ?」


「知らないならいいわ」


「まぁいいけど。えっと、ボクは応龍と一緒にいたんだけど、応龍が神龍のところに行けって言うから来たんだ。バハムートと戦うんでしょ?力を貸すよ」



神龍に比べると何だか若い龍神種に見えた。

声も女の子なわけだし、ノリも軽い。自分の主であるバハムートと戦う事に何の躊躇もないようだ。



「皆さん既に分かっていると思いますが、白龍帝は龍族最後の龍神種です。里が襲われる3日前に誕生した龍ですので、覇龍王に忠誠を誓ってもいませんから、やりたい放題の子供同然です。躾の方は応龍がしていたと思いますが、まぁ人間に換算すると10歳くらいでしょうか」


「ニルより下だな」


「うむ。だが、潜在能力を見れば白龍帝は龍神種の中でも最高クラスの力を持っている。だがまぁ、世間知らずのガキも同然だからな」


「扱いには気を付けろってところか」


「そういうことだ」




リアも少々面倒くさそうにしている。

しかし、相手は自分より格上の龍神種なので仕方なく紹介してやっていると言った所だろうか。

どうやらここに来る前にひと悶着あったみたいだ。



「もう皆してボクを子ども扱いするんだー!いいのかな!ボクいなかったら絶対バハムートに負けるよ!」


「あぁ、もう拗ねないでください。ここに来る前に何度このやり取りしたんですか」


「うわ、あのリアが子供の面倒見てるわよ。凄い光景だわ…」


「確かに扱いには気を付けた方がいいな……」


「龍神種の中では一番面倒な奴だった。応龍め……よくもあのガキを押し付けてくれたな」



現れた神龍は何やらぶつくさ文句を言いながら白龍帝に近づくと何の前振りもなしに拗ねている白龍帝に尾を振り下ろした。



「うげッ!?な、なに!?って神龍!?何するのー!」


「黙れ。そして龍神種はもっと堂々としていろ。応龍はお前を甘やかしたかもしれんが、私に預けられた以上私に従え」


「はい……」


「神龍……あなたは一体どんなマジックを使ったのですか…」


「以前にあの老いぼれ応龍にこいつの世話を任されていてだな。里が襲われてその頼みもなくなったと思っていたが、応龍は覚えていたらしい」


「なるほど、だから白龍帝は神龍の言う事を聞くんだね!私、あなたが出てきた瞬間何やらかすのかと心配してたよ」



リアが驚きながら神龍尋ね、彼はくだらなさそうに答えた。



「白龍帝、今晩から瑠璃の部屋で寝るんだ。お前の世話は瑠璃が見てくれる」


「ホント!?わーい!」


「えええええ!?わ、私が見るの!?神龍は何もしないの!?」



10歳くらいの少女の姿になった白龍帝は少し黄色みかかった長い髪を揺らして嬉しそうに瑠璃に抱き付いた。



「私に子守など務まるわけがないだろう?」


「そ、それもそうだけど…」


「神龍の臭いがするー!ボクこの人大好き!」


「早速懐かれているな……龍神種に好かれるオーラでも発しているのか…?」


「さ、さぁ…瑠璃先輩は誰にでも好かれる性格だけど…まさか魔物にも有効だなんて…」



紅哉と豊姫はその光景に顔を引きつるしかなかった。



「紅哉先輩、他の龍はどうするっすか?確か賢い魔物じゃないと人間の姿になれないんすよね」


「おっと、そうだったな」


「ダハーカ様、私が無名の龍を引き連れて行きますが?」


「そうだな。雅文、我が同胞が身を潜めることが出来る場所はないか?」


「そうだね。確か裏山の方に使われていない採掘場所があったはずだ。結構広い洞窟だからワイバーンはともかく、龍人種と地龍種は大丈夫だよ」


「分かった。舞香、我は大きすぎる故にお前にニーズ達を裏山まで連れて行ってほしい」


「いいわよ。ケロちゃんであっという間だわ」


「ねえねえ、そこの龍人さん。ここの近くに湖はないかしら?」



紅哉に話しかけてきたのはシャナだった。

シャナは水の妖精だ。確かに湖が近くにあった方が何かと便利だろう。



「あぁ、あったぞ。昔その湖で釣りもしていたから、場所も覚えている。何なら、ガルグイユもそこでいいか?流石に海は人も来るから厳しい」


「構わない。水があれば海だろうと湖だろうと関係ないさ」


「さて問題なのが翼龍種だな……」



紅哉がワイバーン達に目を向けると彼らは落ち込んだ様子を見せる。



「可哀想だね……人が見つからない場所はないかなぁ…」



余り空中を飛び回られてしまうと人に見つかる可能性も出て来る。だが、彼らは飛ぶ事を生きがいとする龍だ。

飛ぶな、というのは流石に酷すぎる。

豊姫もそれが分かっているからこそ可哀想だ、と言ったのだろう。



「あの~」



皆が頭を捻っていると凪咲が手を挙げた。



「どうした?良い案でも思いついたか?」


「はい。それなんですが、山の頂上とかどうでしょうか~?山の頂上なら雲の厚い場所ですし、人の目にも止まらないかと。山の道を封鎖すれば人もくる心配もありませんよ~」


『おおおおお!!』


「良いアイディアだな凪咲!いや~流石俺の弟子だぜ!」


「凪咲の案を自分の手柄みたいにしないでください~」


『グオオオオオッ!!』


「うお!?なんだ!?」


「喜んでいるだけだ。凪咲の意見がお気に召したのだろう」



前にニルは翼龍種はうるさい、と嫌っていたが今の彼女の口元は笑っていた。

やっぱり同じ種族の龍が困っている姿を見るのは嫌なのだろう。


紅哉は喜んでいる翼龍種に目を移すと彼らは嬉しさの余り火を夜空に吹いていたりもしている。

やっぱり飛べるのが嬉しいのだろう。



「さて、丁度夜な事だし、移動してしまおう。人の目に着かないようにしっかりやれよ」


『はい!』



紅哉達は龍達を案内する人数を決めるなり移動を開始しようとした時だった。


ヒュオオオオオ――――!!!


突然真夏など言うのに吹雪が巻き起こったのである。



「さぶッ!な、なんだ!?」


「紅哉、久しぶり」


「え?」


「ほう?これは珍しい龍だな」



翼を羽ばたかせて空から降りてくるのは氷の龍だった。

ダハーカは珍しく笑い、ニル達は驚くの余り固まっている。



「誰だ?」


「あ、記憶奪っていたんだよね」



氷の龍は吹雪に包まれると人間の姿になって紅哉まで歩いてくる。



「頭、ちょっと下げて」


「ん?おう」



何が何だか分からない紅哉は目の前の少女の言うとおり少し頭を下げると、少女は背伸びをして紅哉の唇に自分のを重ねた。



「なッ!?」


「まあ!幻龍まで手籠めにしていたのね!」


「えええ!?って私またええええ!?って言ったよ!?」


「え!?嘘!?ナニソレ!?」


「あらまぁ、お兄様そんな少女まで手籠めに」


「わお、凪咲ちょっとショックです」


「流石紅哉先輩だね……私恥ずかしくて見てられないよ」


「師匠は自然と女性が寄ってくる体質のお持ちのようですから」


「全く紅哉ったら…」


「お母さんは嬉しいわ。こんなに女の子に囲まれて」


「凄いわね。昔の雅文さんに似てる光景だわ」



ニル、ヴリトラ、瑠璃、豊姫、舞香、凪咲、美波、癒理、セレナ、直海、麗華の順で紅哉について一言ずつ喋っていく。

その一方で―――……。



「うは……俺やっぱり紅哉先輩には一生敵わない気がするっす…」


「いや~流石兄さんだね。僕も結構女の子に追いかけられるけど、兄さんみたいな不意打ちには出会った事がないな~」


「ちくしょー!!俺にはそんな出会いすらないんだぞ!!直人!てめぇ!美波さんと付き合ったらしいじゃねぇか!彼女いないの俺と彰だけになっちまったぞ!」


「え?僕はオーディンがいますから」


「さらっと自分のパートナーを彼女にするお前はすげえよ……」


「俊介先輩!?しっかり!しっかりしてください!」



白目で倒れた俊介は直人にゆすられるが、起きる気配はない。



「あ、えっと……思い出した………君はサクソンだな」


「うん、久しぶり」



頬掻きながら答える紅哉は赤面している。

後ろから凄まじい殺気を感じるが、紅哉は見ない方向で行く。



「おい!オレは何も知らないぞ!マスターが知っているという事はオレも知っているはずだろう!」


「あら、ニルはサクソンと熱いキスをしたいのかしら?」


「な、何を言っているんだ!んなのしたくないに決まっているだろうが!」


「私もニルとなんかしたくない」


「当たり前だ!オレだってしたくないわ!」



むすっとした顔のサクソンは右手を何もない空間に振るうと一瞬だけ雪が降った。



「思い出した?今ので記憶の封印を解除したから、私の事を思い出したはず」


「そうか。結構前に出会ったいたのだな。だから、あの山は立ち入り禁止に…」



思い出したニルはその時の事を振り返るようにサクソンを見る。

舞香達も思い出したようで、納得した表情をしている。



「でもな。それが出来るのなら何故マスターとキスをした」


「え?したかったから?」


「お、おい、抱き付くなって」



熱い視線を紅哉に向けるサクソンにニルの堪忍袋の緒が切れた。



「い、いい度胸だ…!バハムート討伐の前にお前を血祭りにしてやる!!」


「紅哉、ニルが怖い。助けて」


「いや、俺に言われても…」


「おいマスター!そこを退けろ!」


「ってお前俺ごと殴る気か!?嘘だろ!?」


「知らん!一緒にやられちまえ!!」



紅哉の悲鳴が夜空に響き渡った。



「はぁ……もう怒りが失せたわ。ダハーカ、お兄様は放っておいて私たちだけで龍族を連れて行くことにしましょう」


「そうだな。あれは長引きそうだ。ニーズ!舞香と雅文に続いて行け!」


「はッ!地龍種!龍人種は私に続け!」


「シャナとクエレブレとガルグイユはあたしとカケル君ね~」


「俺達に着いて来てくれ。安全なルートで行く」


「は~い。よろしく頼むわね」


「案内頼んだぞ。少しの間の住処だ。気に入る場所だといいな」


「翼龍種は私と美波さんについてきてくださ~い!山頂まで飛んで行きます!」


「行きますよー!豊姫先輩と私に遅れないで来てくださいねー!」


『グオオオオン!』



そして紅哉達と合流した龍族はゾロゾロと移動を始めたのであった。


売れる小説の基本ってナンデショウね、という話からスタートした後書き。

まず面白い話しなのは当たり前、テンポがいい話なのも当たり前、バトル描写がうまく書けているのも当たり前。

まだこれ以上にあると思いますが、とりあえずここらへんで。

さて、今挙げたのは中身の部分ですよね。私が言いたいのは外側の部分なんです。

私が小説を買う時に見るのはまずあらすじとタイトル。それと値段(笑)です。

買う前に『これはどんな話なのかな?』と気になり、本の裏側のあらすじを見る。そこから『これは面白そうだ』『ちょっと読んでみようかな』となって買うのを決める。そして今挙げた内容の中身、となってくるわけです。

私の話を読んでくださっている方も興味本位で見てみる方がほとんどでしょう。

『これってどんな話なんだろう。あらすじだけじゃなくて本編も見てみたい』そんな思いからこのページを開いてくださっていると思います。

あらすじってかなり重要ですよね。本が人を呼ぶ可能性を秘めている字!ですもんね。

タイトルも最近面白いものが多いですよね。私はそういうタイトルのギャグセンスがないのでこんな真面目くさった感じですが…w


つまり、こんな長々と書いていて言いたいことは『私のあらすじの印象ってどうなっているんだろう……』ってことです…w

この話を挙げる前の日にがらっとあらすじを変えてみたのですが、これで少し読んでくれる人が増えると私としては『よっしゃ…!』小さくガッツポーズです。

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