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龍の血を引く者  作者: また太び
10章 龍族の侵略
126/162

宴 

その後紅哉達の騒ぎを聞きつけた癒理たちも加わり、今日は盛大な晩御飯となった。



「紅哉」



セレナからマイクを受け取った紅哉は、真実を話す事を決めていた。

なんだかんだで曖昧にしてきた自分の過去を皆に話す時が来たのだ。



「舞香は昔雅文と直海の実験で感情をなくした」



皆は紅哉の話しをじっと聞いていた。

彼が何を思ってここまで歩んできたのか、彼がどうしても叶えたかったものを。



「お兄様……そこまで私の事を思って…」


「いつか炎道家を滅ぼしてやると思っていた。俺が己の身体を鍛え上げて来たのも舞香をこんな目にあわせた両親に復讐してやるつもりだった。だけど、それは間違いで、俺は危うく真実を知る事もなくとんだ過ちを犯すところだったんだ。だから、雅文と直海と四条家には本当にすまないと思っている」



紅哉はそこで座っている雅文たちに頭を下げた。

息子の憎しみと謝罪が籠った言葉を聞いた雅文たちは穏やかな表情を浮かべて『いいんだ』と言った。



「そんな俺を見捨てずガードマンとして着いて来てくれたセレナには本当に感謝してもしたりないくらいだ。馬鹿な弟子をここまで育ててくれてありがとう」


「あなたは本当に危なかっしい弟子ですからね。わたし以外に師匠が勤まるはずがありませんよ」


「……そうだな。まぁ俺の過去はこんなもんだ。俊介たちは後悔してないか?こんな大事になってさ」


「何を言っているんだか。俺達はとっくに腹を決めているんだぜ。ここまで来たらとことんやってやるよ!龍が来ようと神が来ようとも関係ないぜ!」



俊介に言葉に凪咲たちが頷いた。



「よし!シンミリした話はここまでだ!長々と待たせたが、乾杯と行こう!」



そして紅哉がテーブルにおいたグラスを持つと、高く掲げた。



『かんぱーーい!!』



楽しい宴が続いた。

紅哉達を驚かせたのはクーフーリンとオーディンとゲオルギウスの3人の仲が良かったことだ。

ワインを飲むのに邪魔なのか鎧を解いたゲオルギウスは銀髪の青年であり、朱音も素顔を見たことないと言っていた。



「そこまで驚く事もなかろう」



と、本人は言っているが驚きである。

リンとオーディンは何故そこまで驚いているのか分からずポカーンとしていた。



「おお!良い飲みっぷりじゃねぇか!こりゃあ俺に似たんだな!がっはっはっは!」


「カケル?クロフィードの真似して飲む必要などありませんよ」


「いいんだいいんだ!爺さんと飲み比べしたいと前から思ってたんだよ。さぁ爺さん!もう1杯だ!」


「流石俺の孫よ!」


「もう倒れても知りませんよ」



クロフィードとカケルは背後にビールが入った樽を置いて飲み比べをしている。

麗華とセレナは呆れており、龍一は自分には出来ない芸当だと悟っているのか、ちょびちょびワインを飲んでいた。



「うっはー!飯がうまいっす!いや~舞香先輩の弟子になってから俺いいもん食ってるっすね!」


「直人君また倒れるよ?」


「大丈夫っすよ!俺の腹は異次元っすから!」


「直人君、私の家に伝わる丸薬をあげましょう」


「おお!癒理ちゃん流石っす!」



肉やら野菜やらバクバク食べる直人に癒理は黒い丸薬を2錠渡した。



「胃の消化は早くなりますが、後で高確率で腹痛が来るという副作用があります」


「えええええ!?おいおい!先にそれを言ってくれよ!」


「説明を聞かずに飲んだのは直人君でしょう」


「そんなぁ!くっそう!もう焼け食いだ!」


「あぁ、私知らないよ…」


「直人君が倒れても美波が面倒を見るのでしょう?」


「え……ええ!?わ、私が直人君の!?」


「何をそんなに驚いているのやら…」



癒理は明後日の方向を見ながらお茶をすするのであった。




「熱血せんぱーい!凪咲たちの希望が通ったのかアイスがいっぱいありますよ~!」


「おお!凪咲、お前のお勧めでいいから俺の分まで取って来てくれよ!」


「いいですよ~!では!行ってきます!」



滅多に自分の言う事を聞かない凪咲が言う事を聞いたことに若干驚きながら俊介は隣に座る遊佐を見た。



「いや~俺達も凄い場所に来たもんだよな~」


「そうですね。昔の私達からすれば考えられない状況ですが」


「俺、一年の頃紅哉と初めて友達になった時こいつ何かやばいな~って思ってたんだ」


「まぁあの頃の紅哉さんは瞳がドス黒かったですから。私も少し怖かったです」


「あれ、俺普通に遊佐さんと会話出来てる?」


「………話を続けないのですか?」


「おっと、すまんすまん。いつも無視されているからちょっと驚いてな」



呆けた顔をした幼馴染に遊佐はため息をつきながら次の言葉を待つ。



「ただもんじゃねぇな~って思ったが、まさかここまで大物だとは思わなかったよ」


「私は知っていましたよ。同期の学生に龍人が二人いる事くらいは。まさかあなたの最初の友人が紅哉さんだとは思いませんでしたが」


「何か知らねぇけど俺達気があってさ、何かあったらすぐ4人で集まってたよな」


「ええ、不思議なものですよね。人見知りの豊姫さんに少し怖い印象を与える紅哉さん。あなたはてっきり運動系の人とつるむと思っていたのですが」


「いや、なんかしんねぇけどよ。同じ部活の奴よりお前らといた方が気が楽なんだよ」


「私も楽しかったですよ。てっきりクラスは別々に分かれて俊介さんとはもう話さないと思っていましたから、まさか再びつるむ日が来るとは思いませんでした」


「そうだよな。それが2年もそのまま持ち上がりと来る。このまま行けば職場も一緒か?」


「やめてくださいよ。あなたがそう言うと冗談に聞こえない。それに私は大学に進む予定です。高卒で仕事はしません」



遊佐は野菜を口に運びながら答えた。

すると、俊介は何か考える素振りを見せたあと遊佐にこう言った。



「俺もその大学に行ってやろうか」


「………俊介くんも大馬鹿ですね。自分の好きな分野でもないのに私の後をついてきて」


「遊佐ちゃんに勉強教えて貰えればどこだって行けるぜ?」


「ホント馬鹿ですね、あなたは」


「まぁそう馬鹿馬鹿言うなって。馬鹿なのは自覚してんだしさ」


「先輩~!持って来ましたよ~。結構種類があって選ぶのに苦労しました~」



凪咲が戻ってくると笑っている俊介と初めて見る遊佐の笑顔に凪咲は絶句した。



「え、なんでしょうか。このいい雰囲気は……」



ちょっと戻りにくくなった自分の席に凪咲は少しだけ立ち止まった。


アップした~時間が~午前5時21分~♪

はぁ……忙しい忙しい……でも、頑張って更新はしていくつもりですよ……。

そして毎度恒例後書きに悩む私……3行できればいいかなと思っているのですが、別にいいですよね!?

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