表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍の血を引く者  作者: また太び
10章 龍族の侵略
121/162

決戦へ向かう舞香

魔物専用通行道路を走る1体の魔物がいた。

普段首は3つある魔物だが、今はエーテル温存のためか首が1つだけになっている。

その魔物の身体には主である魔術師の荷物がくくりつけられており、結構重量があるように見えるが彼には重さなど関係ないようだ。



「ケロちゃん……ホテルに1回帰ろう…?」


「了解」



そう、地獄の番犬を乗り物代わりにしている主は第7封印指定魔術師である火神崎舞香だった。

ケルベロスの首に巻きついた鎖を掴んで舞香は自分が宿としてるホテルの方角を指差す。

舞香の声に二つ返事で応じたケルベロスは反対車線まで跳躍して来た道を引き返して行った。

それを見た現地の海外人は何事かと巨大な犬を茫然と目で追っていた。



今舞香はどうやってアメリカの国会議事堂に忍び込むか考えていた。


国会議事堂にとてつもなく強大なエーテルの反応が二つある。

恐らく一つは総理を守護するアメリカ最強の魔術師だと予想しておく。そしてもう一つが未来の自分が言った浅野カケルという男だろう。


何故彼がそんな場所にいるか分からないが、面倒な場所にいる事には変わりはない。


様々な魔物がこの道路を使用しているのは当たり前の事だ。しかし、ケルベロスの移動の速さを考えると目の前の象型の魔物が物凄く邪魔くさい。

イライラとは皆無の舞香だが、早く自分のホテルに着いて作戦を練りたかった。



「やっぱりアメリカは人多いね……日本とは大違い…」


「うむ。この道路も結構な魔物が利用しているようだ」


「大型ばかりだから遅いけどね…」


「人通りを歩くのは危険だろう。ただでさえお前は小さい。すりに会ったらどうしようもないぞ」


「カードあるからすぐお金は降ろせるけど…」


「そういう事を言っているのではないのだが……」



お金の価値観をまるで理解していない自分の主にケルベロスはため息をつく。

ここ最近本当のパートナーであるリアより自分が呼び出される機会が増えて嬉しい事は嬉しいのだが、どうも雑用ばかりやらされているような気がしてきた。



「ケロちゃん…信号青になったよ……」


「うむ、では行くとしよう」



自分よりも遥かに小さな手の平で自分の頭をポンポン叩く舞香を乗せてケルベロスは、アメリカの街を疾走した。



「ケロちゃん……今夜国会議事堂攻めるよ……」



ホテルの監視カメラに細工をした舞香は、更に厳重に結界を貼って部屋の声が漏れないようにする。

それを見ていた子犬となったケルベロスは『うむ』と頷いた。



「どうするのだ。攻め込めば乱戦は免れぬぞ」


「分かっている……だから、最後の鍵の子を使う…」


「フンババ、と言ったか。その鍵に封じられた魔物は」


「うん………神秘の森にいたとされる森の番人…この子に暴れて貰う」


「注意を引かせるつもりか。それで我らは隠密行動か」


「そう言うこと……冥界から呼んだ魔物は普通の魔物として扱われるから霊体化してない実体……つまり、本物の魔物だと錯覚するはず…」


「警備を一気に集めるわけだな」


「集まったら後は議事堂の中にあるエーテルの反応を追ってターゲットを捕獲…」



舞香は電話を枯野にかけた。



「枯野ちょっといい……」


『お久しぶりです舞香さん!どうしましたか?』


「ちょっと限定解除をお願いしたい……」


『……どういったご用件で?』


「……言わないと仕事にならないの…?」


『ま、まぁそうですね…上に報告しなければいけませんから…』


「あなたはいつも通りお兄様とトレーニングするから許可を出しましたって言えばいいの……」


『分かりましたよ。何があったのか分かりませんが、今日はちょっとわけありっぽいですね。はい!僕はそう報告しておきますよ!では、舞香さん御武運を!』


「うん……いつもありがとうね…」


『いえいえ!それでは!僕は雑務があるので!』



これがバレたら国家犯罪者として一生兄の前に姿を現す事が出来なくなるし、枯野のもクビで済むかどうか。いや、政府の奥深い闇にいる彼は口封じとして殺されるだろう。


舞香はそんな事を思いながらケルベロスが運んできたアタッシュケースを開けた。


自分の力を封じ込めたアイリ特製氷結手榴弾が5個。リヴァイアサンの力を封じ込めた小型ワイバーン1機。氷結ナイフが1本。炎熱ナイフが1本。電磁ナイフが1本。

セキュリティ解除端末が1つ。そして端末の予備バッテリーが2つ。


その全てを舞香は装備していく。

舞香がアイリにワイバーンを貰うと言ったとき彼女は酷く落ち込んだ様子を見せたが、舞香の知った事ではない。

センサーにも引っかからないハイテク道具を放っておく彼女ではないのだ。

それに舞香の提案でリアのブレスを取り込んだワイバーンの戦闘能力はかなりの物だと思っている。核弾頭は流石に無理だが、一般の警備員、Bクラスの魔術師程度なら簡単に制圧する事が出来るはずだ



「ちょっと重いね…」


「仕方あるまい」



重たげに服を見た舞香は時計を見た。



「GPS機能があるものは置いて行く……後で回収できるように待ち合わせの港に行くよ……」



電源とバッテリーを抜いた端末をバックに詰め、舞香はホテルを出る。

夕方になった街は昼間よりも人の数が増し、舞香は歩きずらそうに魔物専用道路入り口まで足を運ぶ。



「ケロちゃんお願いね…」


「うむ。乗るがいい」



巨大化したケルベロスに荷物を付けて舞香は搭乗した。



「行先は日本行きのある港……そこで佐鳥先生とセレナと合流して帰る…」


「了解だ。では、まず港に行くとしよう」



決戦に向かう舞香はケルベロスに乗って港へ向かった。


前回のあとがきで舞香をそろそろ出したいなと思った次第でこんな話ができてしまいました。

まぁ流石に舞香の様子が気になり出す頃だと思ったので、良い機会かなと思って出しました。

相変わらず感情がない(?)舞香ですが、そろそろ変化が…?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ