番外編3 アレク、育児でパニックになる
侯爵家では、シアの出産後、二人の子供はアレク以外、誰にもなつかなかった。
ただし篝を除く。
アレクシス元殿下は、
赤ん坊を抱きながら震えていた。
「シア……この子……泣き止まない……」
「アレク、落ち着いて」
「落ち着けるか!!
この子、泣くたびに魔力が漏れてるんだぞ!!
さっき壁が一枚消えた!!」
「あなたが慌てるからよ」
「慌てるだろ普通!!」
そこへレイモンドが通りかかる。
「アレク様、何をして──」
「レイモンド!!
どうやって赤ん坊は寝かせるんだ!!
お前の子どもはどうしてる!!」
「いや、うちも毎日地獄ですけど!?」
アレクは涙目で叫んだ。
「俺は元王族だぞ!?
なんで育児で国より苦戦するんだ!!」
「知らないですよ!!」
シアは微笑んだ。
「アレク、あなたもお父さんなんだから頑張って」
「頑張る……頑張るけど……!!
この子、絶対に俺より強くなる……!!なぜだ。」
(……殿下、完全にパニックだな)
レイモンドはそっと目をそらした。
そういえばシア様って、篝とは遠い親戚関係だったな。
篝とレイモンドの子ども。
アレクとシアの子ども。
どちらも“規格外”に育ちつつあり──
王都は今日も平和で、
そして騒がしい。




