ヤンキーは礼儀とか考えず馬鹿晒しとけ
アルカが、おずおずと話し始めて数分。やっと終わった。
俺は「簡潔に」と言ったはずなんだが……。
「全然簡潔じゃなかったな」
「うるせぇ……。言葉にするの難しいんだよ」
視線を逸らすアルカ。
まぁ、気持ちはわからんでもない。
「まとめるぞ」
頭をガリガリ掻く。
「村長は村人を人扱いしていない。パワハラも酷い。それでも耐えてきた。ここまでは合ってるか?」
小さく頷く。
「だが、我慢の限界で殴った」
「アッテイマス」
殴るなよ。
殴るなら頭の中だけにしとけ。
俺なんて何百回も上司を殴ったぞ。脳内で。
「状況はわかった。それじゃ──」
……足音。
「静かに」
二人も気づいた。
ドア前で気配が止まる。
ガチャガチャ。
――バンッ!!
「失礼するぞぉぉぉぉおらぁぁぁぁ!!」
モヒカンヤンキー。
思考停止。
「……あ、どうも」
条件反射で挨拶してしまった。
スーツ。モヒカン。棘付きマスク。サングラス。
「……ださ」
「「!?」」
口が勝手に動いた。
「今“ださ”って言った奴ぁ誰だぁぁぁ!!」
馬鹿っぽい。
いけそう。
だが、廊下から別の声。
「落ち着け。情報を引き出すのが先だ」
同じ見た目。
だが空気が違う。冷たい。
俺の前まで来た、何をしてくる?
「少し話をしてもいいかな」
「“少し”の定義による」
「慎重だな」
「どーも」
こいつは面倒だ。
まともに相手したくない。
それより、こいつらの来るタイミング、絶妙すぎ。
まるで、タイミングを見てきたような……。
「もしかして、カメラ仕掛けてる?」
「今は関係ない」
その反応、絶対あるな。
プライバシーの侵害じゃねぇかよ。
「なぜ部外者がいる? お前は何者だ?」
「異世界転移したおじさん。チート魔力持ち。金目的でダンジョン潜る一般人です」
「……どこから突っ込めばいい」
正直に言ったのに。
別に俺、ツッコミ待ちしてないんだけど??
「まぁ、いい。今の会話だけでお前との話は疲れる事がわかった」
「おい」
失礼な奴だなぁ、俺は正直に話しただけだぞ。
「そんなことより……」
視線が俺から、受付嬢に移った。
「裏切り者を始末しないとな」
うっわ、向けられたくない笑顔がここにある。
笑顔で言うな、普通に怖いわ。
視線を移された受付嬢の身体が震えている。
「ご、ごご、ごめんなさい」
涙目で、受付嬢が謝罪。
だが、そんな謝罪をこいつが素直に受け取るわけもない。
「謝っても情報は消えない」
「それな」
「お前が同意するな」
あっ、つい。
「こっちへ来い。罰を与える」
その指クイは嫌だな。
アルカとリヒトが限界顔。
おい、また殴るなよ?
「今は黙れ――――おい!」
俺の制止を無視し、アルカが前に出る。
「お前らはこの人を使って、なんで俺達にダンジョン攻略させないようにしたんだよ」
「ん? 簡単な話、村長に逆らったからだが?」
「逆らうのも当然だろう!! 村人はお前らの道具じゃない、好き勝手に命令していいわけじゃないんだ!」
まぁ、そうだな。
「だが、村長のおかげで村人達が生きているのを忘れてはいないかい? 食料や物資は村長の力があってこそ手に入る。どんなに生きやすい空気を作りあげたところで、食料がなければ死ぬのみ。感謝されど、反逆行為はおかしくないかい?」
「確かにそうだが、そうだとしてもだ。村人達が苦しんでいるのは事実だ」
「何も苦しまずに欲しい物を手に入れたいと言っているのかな? それこそ、村長を苦しませることとなると思うが、いかがかな?」
理想と現実。
「苦労を否定してない。強制がおかしいって言ってる!」
「バランスが崩れれば村は終わるが?」
平行線だな。
もういい。
「もういい、疲れた。だから、これだけ言う」
二人の視線が刺さる。
「ダンジョンはクリアした。村長に報酬は倍の、四百万にしろと伝えろ。以上」
「断る」
「それを俺が断る。帰れ」
「不正でクリアした奴に報酬はない」
不正? 不正だと?
ワイバーンと戦った俺のどこに不正がある。
「してない。ワイバーンは俺が倒した。以上」
まじで、不正はしてないぞ?
なぜ、疑われないといけないんだよ。
びっくりだよ、おじさん。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
出来れば次回も読んでいただけると嬉しいです!
出来れば☆やブクマなどを頂けるとモチベにつながります。もし、少しでも面白いと思ってくださったらぜひ、御気軽にポチッとして頂けると嬉しいです!
よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ




