第38話 紆余曲折のクラン結成!!
次は何をするか、と思ったんですが……
アン:あ、ディギーさんから情報です。ハウスはどうでもいいけどクラン結成だけは先にやれと。
玉兎:ん?確かに供託金だけは先に出せるが……
アン:クラン名が先着順でかぶり不可だそうです。
ひまり:いやでも特殊種族互助会みたいなクランそうそうないのでは。
ミケ:見た目で囲い込みたい勢がいるだろうからクランからだな
北斗:ミケの言う通りだぞ。ひまちゃんちょっと危機感持とうか?
そう言ってる間に、アンが所属クランがありますマークを一瞬だけ表示させる。
どうやらディギーさん達は既にクランを結成したようですよ。
アン:『DYS+1』ってどう読むんでしょう。
玉兎:3人のイニシャルとアンさんが+1部分か?いやでも普通ユークリッドだったらEuclidだよな多分?
ミケ:読み方、特にないんじゃねえか?
ひまり:日本語の認識範囲の音でいえばディスかドゥスかデュスあたりが定番読み?あとはダイズとか?
北斗:定番?どこの定番?
玉兎:比較言語学の授業だコレ?
ミュー:むずかしいことは!わからぬ!
ひまり:学生がんばれ。
アン:ひまりさんも学生ですが……いや、ちゃんと頑張ってますよね。
そんな話をしながら冒険者組合の中に戻る。
いやクラン結成も総合受付でいいらしくてね?
「クランの結成の申し込みもここで大丈夫ですか?」
「はい、クランの結成ですね。レベルは……20ですから問題ないですね。供託金も問題なし。
ハウスは申請されますか?」
「いえ、クランハウスはこれから資金を稼ぐ感じですね」
「かしこまりました、ではこちらの申請書類にクランメンバー全員の署名と、クランリーダー予定の方にはクラン名などの必要事項も記入願います」
クランを作ると決めたのは玉兄さんなので、玉兄さんが受付の人とやりとりする。
サブメンバーである私たちの署名は仮想ウィンドウからぽちっと加入を押すだけで完了だ。
玉兎:クラン名は境界の子……だけのがもう取られてるだと……では『境界の子互助会』かな。
ひまり:わあ。
そして、ディギーさんやミケさんが危惧していた通り、いちばん名称の短い境界の子関連は取られた後だった。
「はい、では受け付けますが……省略表示の時に極度に類似する先着名称がありますので、審議が入ります」
アン:く、遅かったかー。
玉兎:これも先着有利?
ひまり:いや、審議だから多分先行側に一人も境界の子が居なかったらこっちが勝てる奴かも。ゲーム内の固有名詞だから運用要注意なのかな?
ミュー:だめだったら呪符作成士保護者の会にでも!
北斗:それも間違いではないがwwww
ミケ:それだと一般人避ける言い訳ができないぞ
「暫くお待ちください……先行側に境界の子扱いの方が所属しておられませんね。
あちらの改称を請求されますか?」
「お願いします。実態のない状態で固有名称で囲い込みを試みるのは、余りいい行いではないですよね」
私の予想通り、審議で実際のメンバーの確認などが入り、先行側がいきなり不利になる。
些細なことだけど、詐欺はダメ絶対。
ひまり:名前先行で取った人たち、NPC好感度下がるよコレ?
玉兎:そんなところにまでトラップが……ありそうだなあ、受付嬢の表情がそんな感じだ。
ミケ:好感度の存在皆忘れてんじゃね?
ミュー:ありそう。というか普段の行動でそこまで意識はしてないからなー。
北斗:普段の行動……ゲームだからって羽目を外してヤンチャする奴いるからなあ。
アン:ベータだとそこまで酷い人は見かけませんけどねえ。
そうして待っていたら、ヒューマンの女性が一人駆け込んできた。
「名称変更ってなんでですか先着順じゃ……あっ」
窓口直行で叫んだ女性は、我々を見るなり固まった。表情がこれ完全にやべえばれた、とかそっち系だねえ?
玉兎:はい確信犯。
ひまり:あうとー。
ミケ:あからさまにキョドってんじゃねーっすわ
北斗:フレンド勢にもこいつの話は流しておくべきか。
アン:名前はどうやって?
玉兎:クラン名とクランリーダー名は強制表示だ。ヒルデスティアLv18、姓はなしのヒューマンの治癒師、か。
ミュー:割と容赦ない。
表情を見る限り、我々がそういうクランを作る予定なのを知っていてねじ込んだ感がアリアリなんですよね。あうとー。
「成程、ヒルデスティアさんは、この方達がこの名称でクランを結成する事を事前にご存じでしたね?」
そして、いつもほぼ笑顔の受付嬢からその笑顔がすっと消えた。
実際玉兄さんが掲示板で境界の子専用クラン作るかなって話をしてたのは結構前だから、掲示板見てる人の多くが知ってるはずだしなあ。
ひまり:もしかしてこれ、我々が思ってるよりペナルティきついやつでは?
玉兎:真顔の受付嬢とか、スタンピード騒ぎの時以来だな。
そんな話をしていたら、女性の頭の上に一瞬バッテンマークが付いて、姿自体が掻き消えた。
玉兎:クラン強制解散のうえ監獄リアル2日の刑……?
ひまり:え、監獄あんの。
アン:即BANよりは有情ですね。
北斗:確かにそうかも。ベータってやらかし即BANのイメージだったけど。
ミケ:わー、きちょーなちゆしがー
ミュー:なんで棒読み!
ミケ:監獄送られるような下心マンなら要らない^^
マン?あ、ネカマか?
いや、断定は良くない。そもそも性別のセレクトは一般種族だと自由のはずだし。
なお玉兄さんはトラブルの当事者なので、相手の食らったペナルティが通知されたそうです。
「お待たせいたしました。総合判定で先行側に悪意が認められましたので該当漂流者にはゲーム内時間2週間のログイン禁止令とクラン解散命令が出され、実行されました。
現在届け出されているクランネームを変更することもできますが、どうされますか?」
「縁起が悪いので互助会のままでいいです。その方が実態にも即していますし」
「かしこまりました。ではクラン:境界の子互助会の設立を認定します」
そんなやり取りのあと、我々の頭の上にクラン入ってますよマークが一瞬だけ灯る。
そして、システムメッセージで普段はデフォルトで非表示で、コンフィグから表示するかどうかを選べると解説が入った。
んんん?コンフィグ、キャラクターネームを表示するかどうかの項目もあるんだ?
これもデフォルトがオフですね!
プレイヤーは調べるとプレイヤーであることだけ表示されるんで、それで問題ないと思ってましたね私!
そして画面がごちゃつくから、今後もこの機能は非表示一択だ。
今のフレンズと遊ぶのが楽しいから、あんまり他の人に興味ないし今んとこ。
ミケ:さっきの話で気が付いたんだが、タマ、『玉兎一号』って全部名なんだな
玉兎:姓とか考えてなかったからなあ。
ミュー:エルフだとそもそも姓の欄がない。
アン:ドワーフは任意でした。私は種族風を選んでいますので姓なしですね。
北斗:クラン会話に……はだめか、アンちゃん別クランだねえ。
ひまり:検索時に姓と名の間にスペース挟まるのは仕様?ステ画面だとないよね?
(ステータス画面側が不具合だ……微細な不具合なので恐らく製品版までこのままだな)
首を傾げていたら、朔夜から不具合だとネタバレされた。あふん。
無事クラン結成もできたので、冒険者組合を出たら、なんか周囲に人が多い気配がする。
あ、そうだ、周囲非表示にしてたっけ、たまにはオンにしよう。
「タマお疲れ。あのプレイヤー、変に馴れ馴れしく近寄ってくるんで困ってたんだ」
「やあ、烏哭、この時間にいるのは珍しいな!」
「今日明日連休!」
そして最初に声を掛けてきたのは、玉兄さんと色目反転したみたいな黒い兎耳に白い髪のお兄さんだ。この人が日輪黒点ノ兎さんか。玉兄さんよりガタイいいな?
「そーいうのはハラスメントで通報していいんですよ?」
「女性キャラから男性キャラに来る奴は審査が甘い」
「逆は一発お縄なのになあ」
周囲にいるフツーの人たちも、なにやら成り行きを見守っていた気配?で、好き好きに何か言っている。
「あ、ひまりちゃーん。クランの事相談していい?ひまりちゃんとこ募集はしてる?」
「ごめーん、クランリーダーは玉兄さんだからそっちに確認してー。
基本的にはクラン名の通り、特殊種族互助会なんで、該当種族と関連スキル持ちしか申請通せないけど!キリカちゃんはだいじょぶのはず!」
ちょうどそこにキリカちゃんも来て、クランの件を確認してきたので、大雑把に説明だけしておく。
玉兎:サブリ誰にしようかと思ったけどひまりちゃんでいいか。
ひまり:えー
アン:未成年ですよー。ってゲームだからいいんです?
ミケ:アンさんそれ言わない方がいい奴
アン:あっ
北斗:いや待て未成年で卒論????
ミュー:通信制だと飛び級あるんだよなあ!ひまりちゃん天才?
ひまり:ううん?せいぜい努力型ってとこ?
自分が天才だと思ったことはないな。秀才って程ですらないし。
ゲームちょっと遊んでるくらいだと時間が余るから、学習優先してたら大学課程まで終わっちゃっただけだからなあ。
玉兎:おおぅ、一気に申請が来たので少し黙る。というかひまりさんサブリーダー付けたから女性陣の確認して、一般人は一旦全部弾いていい。
ひまり:なぜ!私!ってそうだアンはクラン違いだった……
その手の処理に慣れてるのはアンファルの中の人なんだけどさあ!別クランだよねえ!おのれ!
いやでもこの申請チェックは片手間でもなんとかなるな?
レベリング以外の事ならなんとかやれそう!
この作者もたまには悪人を出すんです。
結局監獄で精査されたらオフパコ目当てなのがばれて最終的にBANになったとかなんとか。
ユ:ディッギ、ユークリッドの頭文字はEですよ?
デ:え?あれ?えっとその、ダイスって読ませたくてさあ!
シ:キャラ名にはアルファベット不可だから問題ないない。たぶn




