第114話 パペットと幻獣の仕様。
時系列:ちょっと前後するんですが112話のあと。
「そういやひまちゃんのチドリ柄、増えてね?」
我々がお札書いてる隣で駄弁っていたミケさんが、私が背後にふよふよさせている柄チドリ……金色のぺったんこの文様化された千鳥パペットに目を止める。
取得当初は1羽だったチドリは、今3羽が上手に上下にずれながら並んでふよふよしている。
歩いてないとたまに三羽でくるくる追いかけっこしたりするので見てて楽しいよ。
「ひよこの人に聞いたんだけど、同種はみっつまで並べられるんだって。
この柄チドリもその方がかわいいかなって思ってオク叩きました」
「そういえばカラーひよこを信号機みたいにして連れてる猫さん、いたねえ」
「あの人大きい鶏150羽くらい狩ったらしいよ」
「チドリ、先に聞いてくれたらあげたのに。
流石に俺が可愛いもの連れてるの違和感バシバシだから開けただけで使ってないぞ」
パペットはゲットしたての状態でオークションに流したりバザーしたりできるけど、装備しちゃうと譲渡不可能になるアイテムだ。
なお開封前の謎の箱はすべて譲渡不可能です。
余談ですがひよこパペットも3羽連れの猫獣人、じーにゃさんから購入しました。
オレンジとピンクだよ!
「一般モブにも結構実装されたから、一気にオークションが賑わったなあ」
「赤金鉱山、このキーウィッ以外にもいますよ、かわいいかどうか意見が分かれるところですけど」
そして同じくお札を書いてるキリカちゃんから新情報だ。赤金鉱山?そういや狩りに行った話は聞いたし、なんか丸いの連れてるね?
「FMは未討伐だろうから除外として……モグラか蛾かダンゴムシ……?」
「モグラはまあ可愛い方じゃねえか?あそこのは」
「ドウモグラはダンジョンのエキドナよりはかわいかったですね。正解はダンゴムシです」
ローリーポーリーのパペット……?転がる……?
「キーウィッの前に2つだけ出たんでオクに出したら、秒でリトルフット勢が落札していきましたね」
「あー、子供は好きだよなぁダンゴムシ……」
「ワラジムシを丸めようとした幼少期の思い出」
「ひどい」
……ローリーポーリーもだけど、キーウィッ、実は狩ってきたの、キリカちゃん達が初なんだよね。
そしてFM、ダイオウハコガメに絡まれて秒で死に戻ったと。
ブフトみたいにストンプ連発してくる奴だったらしいよ。どうやって攻略しようね?
「もう一回狩りに行きたいかといえばノーですけど。倒したときに謎の臭いがするんですよあのダンゴムシ……」
「えぇ……」
臭いネタで私と玉兄さんがあからさまに嫌な顔になる。自分の顔も自覚が出る程度に歪んだぞ!マミマミーで酷い目にあったばかりだからね!
そのキーウィッは現在キリカちゃんが連れている訳ですけど。
ほぼまん丸い緑色の体に申し訳程度のちっちゃい目と黄色い長いクチバシ、黄色い短い脚。
……キーウィってこんな鳥じゃないよね。なんか割ったら緑の果肉が出てきそう。
ドロップ元のヨコシマキーウィもウリボウみたいなしましまのキーウィらしいけど、そっちは体型はリアル系キーウィだそうだよ。
ちなみにこの子、ゲーム内15分に1回『キーウィッ』って鳴く。ちょっとかわいいかも。
「キーウィッ、気になります?」
「随分造形がデフォルメ系だなって」
「こんな敵出てくるゲームどっかにあったよなぁ。踏むと鳴く奴」
……元ネタがあるのか!ミケさんの台詞がなんか正解ぶち当ててる予感がする!
「なおリトルフットの子が叩いたら、叩いた回数分キーウィッって鳴きました」
「他の種族だと?」
「キッ!って鳴きます。多分警戒音ですね」
「なにその芸コマ球体」
ちょっと興味が湧いたので後日リトルフットのフレに実演して貰ったら、連打されたら『キキキキキキーウウウウゥイッ』って鳴いたので、その場の全員で爆笑しましたね!
でも叩いたうりぼう君が、ちょっとこれだとかわいそう、と言っていたので反省した我々です。
「ところで、今判明してるパペットで欲しいのっている?」
「私は今はないかなー」
「私も欲しいものはだいたい自分で取りましたので」
玉兄さんが狩りの話を振ってきたけど、正直付け替える必然性をあんまり感じないので、ないなーと返事しておく。
そしてキリカちゃんはベータの頃よりアグレッシブになっていて、既に欲しいものは自力ゲット済みだそうだ。
「タマはなんか要るのあるのか?」
「実はちょっと紅雀が欲しい。他にネタがあるなら合同で行って来ようかって話がしたかった」
「あー、そういえば持ってないね!盾ジョブで欲しい人誘って取ってこよっか!」
「そういえばFMでも追加があったんでしたねえ。確かに紅雀もかわいいかしら」
会話しつつ、掲示板のあっちこっちをチェックする。ふむ?
「レッサーパンダ、パペットいそうじゃない?」
「バクも割と可愛い気はするな」
「むしろカッコイイ系でティラノがあってもよくないか?」
翠玉茶花のモブってあんまり話題にならないよね。すあま取りに行ったりフラフラミンゴに魅了耐性貰いに行ったりはするけど。
と思って話題に出したら、男子二人は割とノリ気だ。
「アライグマもその理屈だと……見た目はかわいいですし……」
「いてもおかしくはないが……」
「あれ連れてようものならイノに縁切られそうでなあ……」
ああ、はい……それは、わかりみしかない……
その日は結局話だけで終わった。
いつもの面子が足りないからお札書いてたんだったよ我々!
後日、話の流れで大アライアンス組んで全エリアの大確認大会やったら、アライグマはなし、レッサーパンダはあり、バクは変異体だけがパペット持ってた。
ティラノ君は残念ながらパペットはなしだ。
地元の住民が怖がるものは連れ歩けないそうです。なんか納得。
なおグンカンカモメから何故かブービーバードが出たよ。
空から群れでくるんで、結構倒すのは大変だったしドロップも渋かったけど、ソロモンさんがすっかり気に入って連れ歩いている。
なお猫又には逃げられた。
ひまり::もしかして猫又、モブじゃなくてNPCでは?
サウル::可能性はあるな……
ファディ::このエリアの猫又種は、皆誰かと契約していますよ。今後は手出しをしない方がいいでしょう。
ディ::そういうのは先に言って?!
ファディ::気が付くまで言うなって制限されておりましてね……
玉兎::猫又アラについて行かなかったのはそれでか……
ユー::真龍、守秘義務えぐい種族ってちらっと聞いているんですけど、そんなに?
ファディ::殆どはプレイヤーには一切関わりない部分ですよ。
うーむ、中の人の適性が!高すぎる!
この件を受けて、改めて本屋さんや冒険者組合の資料室で調べたら、そもそも猫又は幻獣種であって、狩りの対象には本来しない方がいいものだそうだ。
そういわれてみれば、我々が狩るモブって魔法は使わないよね。
FMは魔法をガンガン使ってくる個体がいるけど、それ以外のモブが使うのは、属性を帯びていてもだいたい魔法じゃなくてスキルだね。
で、猫又が王都エリアを徘徊しているのは、警備の為、だそうだ。
つまり一般モブが増えすぎたり侵入するアクティブがいたら駆除したりというお仕事をしているわけだ……!
なので後日アライアンス代表でパーティ組んで謝りに行きました。
専業召喚師のアランヴィーズさんと、これも召喚師がメインであるファディさんが後方保護者してくれたこともあって、なんとか仲直りはできたよ!
(あっしどもも仕事で守秘義務などございますからねえ、誤解は致し方ないんでござんすよ)
リーダー格だという白猫さんは、そう述べて頭を下げてくれたけど。
「でも確認しないで突っかかったのは我々だからね、申し訳ない」
「王都界隈には幻獣以上の管理者がいるかもって話はしてたことあるんです。
気が付かないでごめんなさい」
その話をしてたの自体はベータ版時代だけどね!
(ああ、王都だとあっしどもの上役の聖獣様もおられますからねえ!
人間でいう第二階位のエリアにはそれぞれ専従の幻獣がおりまさぁ)
(ちょっとあんたまだそれ言っちゃダメな奴!)
そして白猫さんは口を滑らせて、ツレらしきブルーの長毛猫又さんに後頭部をはたかれていた。
「掲示板には投げないようにしておきます」
(そうして頂けると助かりますわぁ。おおきに)
ひまり:長毛種さんが関西弁女子。
サウル:関西って猫又のイメージがあんまりないんだが。
玉兎:そうかな?確かにこのリーダーさんは江戸弁っぽいけど。
ひまり:文献での初見は奈良の方じゃなかったっけ?あと徒然草も京都方面の話よね?
アラン:そうなんだ?
最終的にこの長毛の猫又さんがアランヴィーズさんと契約して連絡役になってくれるという話に収まった。
白猫さんの奥さんなんだって。
ファディさんじゃだめなのかな、という人もいたけど、この人守秘事項多いから連絡役には向いてないよ、と伝えたら納得はされた。
アラン:僕も守秘事項持ちですけどね。
ちょっと天人族?!なんで今頃そういう事言うの!!
これもあとで確認したら、オンリーワン種族だった……
職業召喚師、敷居の高さにも理由がありそうな気配……!
なお玉兄さん用の紅雀を取りにいったら、あいつのドロップもランダムでした!
カノコスズメとか知らなかった!かわいいけど!
そこまででもない<召喚師
という訳でやっと走鳥以外の幻獣種が本格登場。




