↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!番外編 異邦人の神を追う羊たちの旅  作者: 神永ちろる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
23/25

子羊の領地に神が現れた

第23話 子羊の領地に神が現れた



装甲車はアントンの街、シアトンの街を通り越して、ラーカムの街にて一泊した。

翌日にはミリスの街を通過して北の街道を行き、バータの街を経て目的地のラムリアスに到着した。


ミリーナの領地のラムリアス近辺に来たときには、既に暗くなっていて雨が降っていた。

雨が強くなったので道の脇に装甲車を停車させて、視界が回復するのを待った。


「凄い、デリーズからわずか2日で到着するなんて思わなかった。」


「流石、銀の馬車だ。」


「これが噂の神の馬車なんだな。」


ミリーナ達は装甲車の高速移動に驚いていた。


「こちらでは、まだ自動車が普及していないんだな。」


「これまで走って来たが、まったく出くわさなかったぞ。」


「確かにそうですね。」


「ところでレイナ。」


「はい?」


「何で、いつの間にか俺の膝に座っているんだ?」


「えっ、あらいけない。思わず出番が少ないから、つい。」


「なんだかレイナは最近あざといな。」


「転んだ振りして抱きついたり、車が揺れて抱きついてきたり、だんだん巧妙になっているぞ。」


「だって〜ヤマタニ様が好きだから、甘えたいんですもん。」


「セシルも積極的だったが、お前もか。」


ヤマタニはレイナをどかして立ち上がった。


「その娘は誰なんですか?」


ミリーナがレイナを見てヤマタニに聞いた。


「この娘は俺の部下で、2号装甲車担当だ。」


「ふーん。」


「未来の旦那様に気安く触れないでもらえますか?」


「何を言いますか、あたしはヤマタニ様の花嫁候補なんですよ?」


などと勝手なことを言っている二人だった。


「マスター、あちらでお茶をどうぞ。」


「ありがとう、コメリア。」


ヤマタニはレイナとミリーナ達にかまわないで、キャンパーへ行ってしまった。


「ふぅー。コメリアの淹れるお茶は美味しいな。」


などとヤマタニはお茶を飲んで休憩していると、雨が止んだようで、装甲車に当たる雨音が聞こえなくなった。


「おや、雨が止んだようだな。」


「マスター、そのようですね。」


「お茶を飲み終わったら、出発しようか。」


「はい、マスター。」


すると装甲車に石や矢が多数当たる音がした。


「おい! 馬車の中の奴、出てこい!」


などと怒鳴る男の声がした。


「大変ですよ! 盗賊のようです。」


「すでに囲まれています!」


バートンやロングが、車内の窓から外を見て叫んだ。


「まー、一応話だけでも聞いてやるか。」


装甲車からヤマタニが降りると、スケさんカクさん、コメリアやハチまで降りた。


「お前達は盗賊か?」


「そんな事はどうでもいい、食料や金を黙って置いてけ!」


「殿、やっていいですか?」


「スケさん、カクさん、懲らしめてやりなさい。」


「はっ。」


スケさんカクさんは高速な動きで、盗賊達を倒していった。

いつの間にかゲンバやハチも参戦して、次々と盗賊達を倒していった。


ヤマタニに向かってくる盗賊は、コメリアによって吹っ飛ばされて倒された。

そして倒された盗賊の人数を数えたら38人もいた。

いずれもボロい服に、武器は貧弱なものばかりだった。

体は痩せ細り、健康状態は良くなさそうだ。


「お前達はこの領地の者達か? 盗賊には見えないが、農民か?」


次々とスケさんカクさんに縛られている者達だったが、一人の男がヤマタニに言った。


「ああ、ただの農民だ。食えなくなったから今はこうやって金や食料を奪って生活してるんだ。」


「そうかそうか。」


しばらくするとミリーナ達も装甲車から降りて来た。


「この者達は確かにうちの領地の者です。見知っている顔があります。」


「ふむ。」


「街まで近いし、このままラムリアスの街まで連行しよう。」


捕まえた者達を連れてラムリアスの街へ入った。

そして衛兵のいる詰所まで行き、連行した者達を引き渡した。


夜も遅いので、そのまま宿に泊まり、翌朝に領主に会うことにした。

宿屋の食堂で、具の少ない薄いスープと硬い黒パンと水で食事をしてから眠りについた。


翌朝に朝食を食べるために、一階の食堂に皆が集まった。

朝食もメニューは選べなかった。 夕食と同じ物を食べた。


「うーん。味も量も物足りないな。」


「仕方ありませんもの、不作で隣の領地から食料を分けてもらってますからね。」


「やはり食料不足だったな。」


「昨日の農民もああするしかなかったのだろうな。」


「はい。そのようです。」


「とりあえず、今日は領主に会ってみようじゃないか。」


「はい。是非ヤマタニ様から領地の躍進政策を止めるように説得して下さい。」


「聞き入れられないかもだが、やるだけやってみよう。」


ヤマタニ達は宿を引き払うと、そのまま領主のいる館へと向かった。

館に入ると、執事が領主のいる部屋に案内してくれた。

部屋の中には白髪頭に目にくまがある、痩せた老人が座っていた。


「ミリーナか、よく戻った。」


「はい、ただいま戻りました。」


「そして一緒に来たお方が、あのヤマタニ卿ですかな。」


「はい、はじめまして、グリーズ子爵。」


三人が席に着き、ヤマタニの後ろにはスケさんカクさんコメリアが控えていた。


「早速ですが、躍進政策を止めて、新しい農地改革をやりませんか?」


「名高いヤマタニ卿まで、何をいきなり言っておられるのですかな?」


「躍進政策の効果が出るのは、まだ先なのですよ。もっと気長に待たなければなりません。」


「お祖父様、神と噂されるほどの再生能力を持つヤマタニ様が、わざわざ遠くからやって来て言っているのですよ?」


「聞き入れてはいかがでしょうか?」


しかし、この老人はまったく受け入れようとはしなかった。


遠方からヤマタニを頼ってやって来たミリーナだったが、せっかく神を連れてきたのにもかかわらず、徒労に終わったのだった。


ヤマタニはこの事態をどう乗り切るのか、頭の中で思考を巡らせていた。



ここまで読んでいただきありがとうございます!

もし少しでも続きが気になると思っていただけたら、ブックマークや評価【★★★★★】で応援していただけると嬉しいです!

すごく励みになります!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。