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倒産中年社長、異世界で孤児達と逆転再生経営!番外編 異邦人の神を追う羊たちの旅  作者: 神永ちろる


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ニセモノ神と真の神の違い

第20話 ニセモノ神と真の神の違い



ヤマタニはフィングスの街を後にした。 しかし数キロ走ったときに車体が揺れはじめ、異音がしてきたので道の脇に装甲車を停車させた。

バートンとロングが降りてきて、直ぐに車体の点検をしてくれた。


「バートン、ロング、やはり整備員が装甲車に乗っていて良かったよ。」


「車体を点検しますので、お茶でも飲んで休憩していて下さい。」


「いやいや、俺も足回りを見るくらいなら出来るから、一緒に点検するよ。」


「ではヤマタニ様は1号車から、俺は3号車、ロングは4号車から見てくれ。」


「分かった。」


「了解。」


ヤマタニが車体の下に頭をつっこんで、点検していると、1台の馬車がやって来てヤマタニのいる場所に停まった。


「どうされましたか?」


「ちょっと異音がしたので、車体を点検している最中なんだ。」


ヤマタニがそう返事をして顔をあげた。

銀色の馬車の窓からミリーナが、心配そうにヤマタニを見ていた。


「何かお手伝いいたしましょうか?」


「いやいや、大丈夫だ。専門の整備員が今見てくれてるからな。」


「あら、あなたは……。」


ミリーナは、馬車から降りてきて、ヤマタニの側に近寄った。


「昨日、貧困街で必死に倒れている者を助けていた方ですね?」


「まぁ、かなりヒーリングしたが、見てたのか?」


「はい。」


「変わった馬車だな。」


ニセモノヤマタニらも馬車から降りてきて、勝手に装甲車を見物しはじめた。


「あなたの活躍は以前から知っておりましたよ。」


「ほぅ、どんなだ?」


「あちこちの街や村で悪人を退治したり、救済活動をしているそうですね。」


「ははは、そんな話が広まっていたのか?」


「はい、酒場で聞きましたし、昨日は実際に見ましたよ。」


「そうか、まーもの好きな趣味みたいなものだがな。」


「はい。」


ヤマタニの装甲車を見物したニセモノヤマタニ達は好き勝手な事を言っていた。


「こんなでっかい馬車見たのはじめてだ。」


「そもそも、こんなに長くする必要はあるのか?」


「しかし、故障して動けなくなるくらいだから、大した物ではないな。」


「いやー、きっと重すぎて、中の馬がバテてしまったんじゃないかな。」


「はははははっ。」


などと装甲車を馬鹿にして銀の馬車へ戻った。

ヤマタニとミリーナが話をしていると、ニセモノヤマタニが馬車から声をかけてきた。


「ミリーナ殿、もう出発するぞ。」


「いつまでも、変な馬車を見てないで、早く乗った乗った。」


ミリーナが銀の馬車へ乗り込むと、たちどころに発車した。

ミリーナは馬車の窓から顔を出して、中年男を見ていた。


「ヤマタニ様!原因がわかりましたよ!」


ヤマタニ様とミリーナは聞こえたように思えた。

馬車を停めて確かめようとしたが、ニセモノヤマタニに咎められて、結局確かめられなかった。


「次はデリーズの街へ向かうのですか?」


「まぁ、そうですね。」


ニセモノヤマタニはそうミリーナに答えた。

馬車はデリーズの街へとひたすら進んで行った。 数キロ先に進んだところだった。


前方に大量の馬車や人だかりが出来ていて、道を塞いでいる。


「どうしましたか?」


御者台にいた女護衛が言った。


「なんか魔物の群れがいて、皆立ち往生しているんですよ。」


「ほう、それは、このヤマタニの出番が来たようだな。」


ニセモノヤマタニは立ち上がって言った。


「銀の馬車戦闘フォーメーションだ!」


「はっ!」


「ロケット弾、各武装の安全装備解除。」


「この銀の馬車!あなた様はまさか神ヤマタニか?」


「はははっ、この神ヤマタニが魔物を討伐してくれる。」


そう言って銀の馬車は魔物がいる先に突入して行った。

魔物はロックゴーレムの群れだった。

ニセモノヤマタニの銀の馬車が、ロックゴーレムに接近した。


そして銀の馬車の屋根のロケット弾発射装置が斜め上を向いた。


「ロケット弾発射!」


一本のロケット弾がヒョロヒョロと煙を引いて、ロックゴーレムの足下に落ちた。


「くそっ!避けやがったな。」


ミリーナはそのしょぼい光景を見て唖然とした。


「次弾発射!」


ヒョロヒョロと飛んで行ったロケット弾が、今度はロックゴーレムの頭上を通過した。

ニセモノヤマタニは次々とロケット弾を発射するが、なかなか命中しなかった。


「くそっ!なんて素早いロックゴーレムだ。」


ミリーナの目にはロックゴーレムは何もしないで立っているようにしか見えなかった。

数発外したあとにやっと肩に命中したが、ダメージはなかったように見えた。


「なんて頑丈なロックゴーレムなんだ!」


「ヤマタニ様、ロケットアローを使いましょう。」


「よし、ロケットアロー発射だ!」


銀の馬車からロケット推進の矢が飛び出した。

矢はロックゴーレムの胴体にかろうじて刺さったが、ロックゴーレムには効かなかった。


そして矢が刺さったロックゴーレムが銀の馬車へと突進してきた。


「やばいぞ!転進だ。」


ニセモノヤマタニの銀の馬車は、ロックゴーレムの突進に怯んで逃げ出した。

そこに分離したヤマタニ装甲車が到着した。


「ババババババッ!」


突進して来たロックゴーレムは、機関砲の弾丸を浴びて無数に砕け散った。


ミサイル装甲車からミサイルが発射されると、爆音とともに白い煙が尾を引いて、一直線にロックゴーレムの群れに進んで行った。


「ドッカーン!」


数体のロックゴーレムが砕け吹き飛んだ!

続いてロケット弾が次々と発射されて、弧を描いて飛んで行った。


「シュルルルルルッ!」


「ドッカーン!ドッカーン!ドッカーン!」


複数のロックゴーレムがロケット弾の餌食になった。

生き残ったロックゴーレムは、各装甲車によって次々と仕留められていく。


「バババババババババッ!」


「ダダダダダダダタッ!」


「バォーン!バォーン!バォーン!」


しばらくすると全てのロックゴーレムは倒され、荒野には静寂が訪れた。



ここまで読んでいただきありがとうございます!

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