隠された村と問題のバケモノ
第11話 隠された村と問題のバケモノ
ファンタジー世界に何故か日本の忍が登場する。 本日はその忍のお話です。
ヤマタニ装甲車がいつものように、他領地の道を疾走していた。
「殿、次の目的地なんじゃがのぅ。」
「なんだい? スケさん。」
「この近くの村へは行かないのですかな?」
「ん?」
ヤマタニは装甲車を停止させた。
そして地図を見たが、この近くには街や村などは記されていなかった。
「村なんか地図にないぞ?」
「ん〜、やはり感じます。」
「スケさんの言う事は正しいと思いますぞ。」
「私にも近くに村があると感じますのぅ。」
「そうかそうか。スケさんカクさんの超人能力なら、まず間違いないだろう。」
「よし、案内をしてくれ。」
「分かりました。」
スケさんカクさんのガイドで、ヤマタニ装甲車は山と森のある方角へと向かうのだった。
◆
ヤマタニ装甲車が村に近づくと、スケさんカクさんは体を緊張させていた。
「殿、一旦車を停めて下さいませ。」
「危機感を感じましたので、罠がないか見てまいります。」
スケさんカクさんは装甲車の外へ出ていった。
「あの二人が緊張して、危機感があると言っていた。」
「よほど何かあるのかもしれないな。」
しばらくしてから二人は帰って来た。
「やはり罠が仕掛けられていましたよ。」
「装甲車が通ると横から丸太が飛んでくる罠でした。」
「えっ。そんな罠があったのか?」
「はい、大小いくつかの罠がありましたのぅ。」
「うーん。これは村に近づくなという警告なのかもしれないな。」
「村にも行ってみましたが、普通の村でしたよ。」
「うーん。それでは魔物対策の罠かもしれないな。」
「はい、大きくて強そうなのが森の中にいますなぁ。」
「やはり二人の感知能力は凄まじいな。」
「いえ、殿の逆転再生能力は神に等しい能力だと思いますぞ。」
「ほんにほんに。溢れるエナジーは水蜜桃の様に甘くて、側にいるだけで心地よいのぅ。」
「そうそう、ヤマタニのエナジーはおいちいのですぅ。」
「メルルよ、お前最近なんだか寄生虫みたいに俺を舐め回して、エナジーとやらを吸ってないか?」
「えへへっ、バレてたか。」
妖精メルルはヤマタニに言われて姿を消した。
「それにレイナも、車が揺れたとかいっては俺に抱きついたりしてたよな?」
「あはは、バレてましたか。」
「普通、男が女にやるような事を、なんでか知らないが、逆転して俺がやられているよな。」
「こう、抱きつかれたり、チューチューされたり舐め回されたり。」
「そういえば、女神も人に好かれやすくなっているって言っていたなぁ。」
ヤマタニはあれこれと自分のパッシブ能力が、徐々に強まって来ているのを実感した。
装甲車が村の入口にやって来ると、門番に止められた。
「なんだ? このでっかい馬車は?」
「それによくこの場所を突き止めたな?」
「何処の誰に聞いたか?」
「ん~~。連れが村があると言っていたので、見に来たんだ。」
ヤマタニがそう言うと、門番達が装甲車を門の中へと誘導してくれた。
そして車内にいる全員を降ろされて、色々と質問された。
「あんた何者なんだ?」
「俺はこういう者だ。」
ヤマタニが辺境伯のバッジと総督のバッジを見せた。
門番がエンブレム表の紙を取り出して確認した。
「あった!」
「大変失礼いたしました! 総督閣下。」
門番達や兵士達が一斉に膝をついて頭を下げた。
「これが噂の銀の馬車でしたか、知らなかった事とはいえ、ご無礼いたしました。」
ヤマタニ達は村長の家まで案内されて、歓迎を受けたのだった。
ヤマタニの前に立った老人の村長が言った。
「神ヤマタニ様が、地図にも載っていない、この村に来た理由はただ一つでしょう。」
「それは、我らを救うためですじゃ!」
「うぉー!」
周囲にいた村人から一斉に歓声が上がった。
「それでは我らが今抱えている問題を、神が解決してくれるのじゃ!」
「うぉーーっ!」
さらに歓声が増した。
反論する隙をヤマタニに与えないまま、魔物討伐をやらされる羽目になってしまうのであった。
「おいおい、何なんだ村長。」
「俺はまだ何も言ってないぞ?」
「では困窮している我らを見放すと?」
「だから、ちゃんと会話しようと言っているんだ。」
「では村を苦しめている魔物なのですが、バケモノの大亀でしてな、手に負えません。」
「あのね……。」
村長はヤマタニの話を聞かずに、どんどんと魔物の説明をした。
「この亀のバケモノは甲羅に、人間の死体を入れて森中を徘徊して回っております。」
「当然我らも討伐しようとしましたが、返り討ちになってしまいました。」
「甲羅に乗せた死体は腐乱し、疫病をばら撒いておりますのじゃ。」
「姿は巨大な亀で赤い目をしている、デッドブラッティトータスと呼ばれております。」
「どうかお助け下さいませ!」
村長がヤマタニに向かって跪き、拝んで懇願すると、周囲にいた村人も跪いて拝んできた。
「うー。」
「分かったよ。俺が何とかすればよいのだな。」
「ありがとうございます!」
周囲からも感謝の声が上がった。
こうしてヤマタニはバケモノ大亀のデッドブラッティトータスを退治する事になってしまったのだが………。
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