↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『在りし日の空 』~南方無人島の独立飛行隊 零式観測機で 斯く戦えり~  作者: ともぞう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
43/47

第43話 誘敵

 ─────Contact!(コンタクト)



 爆音が砂浜に鳴り響く!


 それを聞くとチーフと九州が

 海へと飛び込んだ!


「いったれー!頼んだぞボン!」


 その言葉を背に

 零観が力強く離水する。


「旦那!3時の方角。接敵まで…1分くらいだべ!」


「了解!」


 とりあえず…このまま飛び続けよう…。

 何機か、こちらに食いついてくれれば…。


「旦那!大変だべ!!」


 反射的に振り返った。


「こっちに誰も来ねえべな!」


「何!?」


 確かに一機も来ていない…。


「複葉機だからって、舐めやがって!!」


 スロットル全開のまま、操縦桿を引き付けた。


 基地には火花と黒煙が立ちのぼっている。



「高度取るぞ!」





 絶対……田中の仇は取る!





「旦那!爆撃機と戦闘機両方おるだ!」



「了解!」



 爆撃機は無理だろう…。


 ならば…戦闘機を!




 高度を取りながら緩やかに旋回し、

 基地へ機首を向けた。




「物資の場所は…バレてねえみたいだべな!」




 幸い物資を隠してる所には、

 着弾していないようだ。


 …ただ、偽装している零観が燃え上がっている。



「バレてはないが…痛いな。」



 上空を見ると…爆撃機が退避し始めている。




「行くぞ!新米!目標……敵戦闘機!」



「突貫だべ!!」




 基地に近づくと…敵が一斉に高度を取り始めた。



「クソ!速いぞあいつら!」



 一気に距離が開いていく…。



「おい…あれ…九試単戦みたい…だな。」



「きゅうし……なんだべ?」



「昔の飛行機だよ!」



「あ!あれ!えび反りだべ!」



「コルセアな!」



 上昇していく敵機を目で追う。



 速い……。



 だが……。



 さっきから、やけに旋回が大きい。



「新米!しっかり掴まってろ!」



「へ?」



 スロットルを絞る。



 操縦桿を腹まで引き付けた。



 ────グンッ!



「うぉぉ!?旦那ぁ!!」



 零観が一気に機首を上げる。



 速度なんかいらない。



 こいつには……



 こいつの喧嘩の仕方がある。



「旦那!来るべ!!上からだ!!」



 見えてる。



 一機がこちらへ機首を向けた。



 ようやく……



 こっちを見やがった。



「遅えよ。」



 敵機が急降下してくる。



 みるみる機影が大きくなる。



「旦那!撃ってくるべ!!」



 ────バババババッ!!



 敵の曳光弾が横を走った。



 次の瞬間、新米が撃ち始めた。




 ─────ドド………ドド…




 まだだ……。



 後ろは見ない。

 新米の撃ち方だけで、距離は分かる。



 

 ─────ドド、ドド、ドド




 まだ……。



 ─────ドドドドドドド!




「今だ!!」



 操縦桿を倒し、左足を蹴り込む!



 ────グルンッ!



 零観が左へ翼を翻し、急激に機首を回した。



 敵機が目の前を突き抜けていく。




「速すぎるんだよ……馬鹿野郎。」




「旦那!ケツ見えたべ!!」




「分かってる!」



 機首を引き起こす。




 敵機が一瞬だけ横切った。




 ────ダダダダッ!!




 翼から火花が散る。



「当たったべ!!」



「まだだ!」



 敵機はそのまま上昇していく。



 追わない。




 追えば……こっちの負けだ。




「新米。」



「なんだべ!?」



「次も来るぞ。」




 上空には──




 さっきまで俺たちを無視していた敵機が、



 一機……



 また一機と、



 こちらへ機首を向け始めていた。



「旦那ぁ……。」



「なんだ?」



「人気者になったべな!皆に追っかけられてるべ!」



「……こんな所で人気者なんてなりたくねぇーよ!」



 操縦桿を握り直す。



 速さじゃ勝てない。



 上昇力でも勝てない。




 だが────



 旋回戦なら……付き合ってやるよ!─────








 お読み下さりありがとうございます。


 次回公開日は


 10月3日(土)の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。