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エピローグ 結婚式②

3部構成なので次回でエピローグ、周と澪桜のお話は終わりです!

アホな話になってる気がしますが……お付き合い頂けましたら幸いです。


その後は例の……ゴ……いや。ボインちゃんのその後になります。



『それでは只今より、人前式を執り行いたいと思います。参列者の皆様には、只今より新郎、新婦の誓いをこの場でお聞きいただき、二人の結婚の証人となって頂きます。それでは皆様に向かって宣誓してください』



 参列者たちは聞きなれない言葉に


 へぇ〜とか


 いいね〜などと声を上げていた。


 座席中頃にいたハーディンが口を開く。


「こんな結婚式、初めて見た。まさかチャペルの中でシビルウエディング(市民婚)なんて」


「それは俺も。日本でもまだあんま無いよ」


「俺もだなぁ。俺の式は賛美歌とかもあったし、神父もいたなぁ」


 何気なく藤堂が過去の話をし、冴木はため息をついた。


「縁起でもない話、やめて下さい」


「なんだとぉ!」



 反対側、1番後ろの席。


「やだーーー! 澪桜先輩めっちゃ綺麗!! 後で絶対近くで写真撮らなきゃ!!」


 体だけ通路側にはみ出させ、二人を動画で撮影し続ける松井に気怠げな声をかける。


「おいおい。あんま通路側にはみ出るな」


 佐々木が泣く。


「安達さぁん! 良かった……良かったぁ。……でもなんで平日にうちのお偉いさん2人来てるの?……しかも知らん外国人もいる。あの人も役員よね……」


「へぇー。あの人偉い人なんだぁ」


 佐々木の言葉に反応する佐野の声に、猫なで声を出す。


「ココちゃんも頑張って出世するんだもんねぇ♡」


「うん♡ともりん♡」


「いや、無理だろ佐野じゃあ」


 山本の冷めたツッコミに、即座に反応する。


「何この浅黒!!めっちゃ失礼なんですけど!」


「なにおう」


「そうなの。拓海はただの浅黒フツメンなのよね」


「そこはイケメンって言え!」


「どうでもいい! ほら、2人がなんか透明なボード見ながら動き出したから! 集中」


 言い捨てて松井は山本の言葉を無視し前に視線を向けた。

 周がマイクを持ち、低く通る声で宣誓を始める。


『本日は、僕達ふたりのために、平日にも関わらず御足労頂きましたこと、誠にありがとうございます。それでは只今より、宣誓に入らせて頂きます』


 そう伝え、周は澪桜にマイクを向けた。


『私たちふたりは、皆様に見届けられ夫婦となりますことを、とても幸せに

 思います。これから未来を築くにあたり、以下のことを誓います――』



 それは二人なりの誓い。

 洗濯や掃除など、日常の細かなルールは妻に従うこと。

 虫の話ばっかりし過ぎないこと、ご飯中に虫の動画を観ないこと。

 一生、身内や友人を大切にすること。

 そして、


 いつまでも変わらず、愛し合うこと。


 ふたりの誓いを聞き、鼻をすする声が聞こえ始めた。どうやら血縁席の方からだった。


 宣誓のあと、指輪を交換し合い嬉しそうにふたりは、はにかむ。


 祭壇に立ち、慈しみ合いながら寄り添うふたりはどこまでも幸せそうで。


 背後のステンドグラスが二人に祝福を与えているみたいに美しくて。


 皆が目を細めた。

 少しだけしんみりとした空気を破ったのは司会。



『ありがとうございました! ではいよいよ、誓いのキスです』


 澪桜は周の方を向く緊張が顔から伺える。

 対して周……なにやら様子がおかしい。


 肩を掴み、キスをしようとするが、澪桜に手で唇を塞がれ阻止された。


(こら! デコにしろ! 人前だ)


 怪しく笑みを深めた周は、さっき誓ったばかりなのに、言うことを聞かずに唇を狙う。


(嫌だよ。ほら、逃げないで?)


 手をどかし、何度も試みるがデコ!! という指示が強い。周も周で諦めが悪い。とうとう、ふたりは前かがみになってプロレス対戦のような体勢に。


 きっと、澪桜は親戚の子供達への配慮をしようとしているのだろう。

 周は公の場で出来る唯一のキスを逃したくない。


 両方わからんでもない。


 埒が明かない攻防戦にたまらず司会が声を上げた。


『え、えーと。白熱しておりますが、ここは一つ……人中にキスをしてみては?』


 どんな代案だ。


 参列者たちは耐えきれず、どっと笑い声が起きる。


 結局、皆が笑い転げているスキに、唇を奪われた澪桜。ついでにデコにもキスされた。


 誓いが多い。


 ブーケトスになると、圧が強い独身の澪桜側の親戚達。流石に修羅の国出身。闘争本能がすごい。


 その中に松井、佐々木が現れる。


 澪桜は手に持っていたブーケを振った


「いっくよー?」


「おっしゃこーーーい! 澪桜、あたしゃ今年こそ結婚したいんやけん! こっちなげれ!!」


「遠投やぞ! 澪桜遠投!!」


 野球か。


「おりゃあ!!」


 澪桜が力いっぱい背後に投げた。

 押されながらも最前列を死守した松井と佐々木、頑張って踏ん張る。


「私! 絶対とるよ! 拓海にプロポーズさせるんだ!」


「私も! ココちゃんと幸せにっ」


 弧を描くフサフサなブーケ。



 ポスン。


 勝ち取ったのは……


 安達 佳子(52)だった。



「うおるぁぁぁぁぁ!! 今年こそ婚活で男GETやぁぁぁぁぁ! 周くんみたいな幻想イケメン捕まえるんやぁぁぁ」


 なぜかムキムキの彼女。

 あんなの勝てるわけない。


 敗北した若者ふたりは、肩を落として重い足取りで参列者席に戻るが、互いのパートナーが吹き出すのを我慢するように震えながら笑ってる。


「「笑うなぁぁぁ!」」


 つい、シンクロした。



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― 新着の感想 ―
読了しました!! わぁぁぁぁ(*´ω`*) めちゃくちゃ楽しそうな結婚式で悶えてます!! それぞれが幸せを掴み取ってて、幸せか!! そして最後のブーケトスは笑いました(*´∀`*)!! 佐々木さんと…
人前式に宣誓。いろんな式の形があるなぁと感心しました。そして、彼らの人生に関わってきた人たちが何気なく会話していて、楽しいです。ココちゃんのワンコ化が酷くて笑えました。誓いのキスはすんなりするのかと思…
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