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274話 出来ないキャリア候補(32歳)

遅くなってすみません!今回は珍しく短めです!


新章突入です!

よろしくお願いいたします(๑˃ᴗ˂)و♡

 

 11月


 第1週 木曜日


 17:40


 結城宅


 書斎から何やら声が漏れる。


『いや、自分はちゃんと報告しました! 松重重工に! それは向こうが言いがかりつけて――』


「僕は謝罪を入れてくださいとお伝えしましたよね?可能であればアポを取って、直接会社に出向く方がいいと。必要であれば同行しますとも……なのになぜ、ただの報告になってるんです?」


『そっそれは。……わかりましたよ! 謝ればいいんでしょ!? アンタに言われなくても今から連絡して謝ってや――』


 少しずつ口調が荒くなる黒瀬。

 だがもう、この形式のやり取りにもいい加減慣れてきている周は冷静に対応する。


「いや、もう遅い。先方はかなりお怒りでこの話はもう既に冴木GMにまで話が上がっています。……来週僕とGMで謝罪に伺うことになっているんですよ。だからもう、黒瀬さんはこの案件には関わらないように」


 上司としてただ、指示するのみ。

 画面の向こうの黒瀬は身を乗り出した。


『なっ!! また貴様俺から仕事を奪う気か!? 多少の行き違いがあっただけで!? ちょっとまわりから持て囃されてるだけのガキが調子に乗りやがって……!! 俺の親父はクレストリンク本社と提携するフォレストグリーン代表取締役だぞ!?』


 最近の黒瀬流行りのセリフ。

 とうに聞き飽きた周は少し呆れたように頷く。


「あー。よく存じ上げてますよ。でもそれ、黒瀬さん自体は全く関係ないですよね」


 はい。地雷

 ここでいつも黒瀬はブチギレる。


『言わせておけばぁぁぁ!! 俺の親父の力があれば貴様なんぞ――』


 パン! と手を叩き

 画面の向こうで目を血走らせ喚き散らす黒瀬を無視して

 周は片付け始めた。


「おっと! もうこんな時間だァ。黒瀬さん、今日もお疲れ様でした。始末書は直接冴木GMから連絡が行くと思いますので……覚悟しててくださいね」


 呑気な顔で周は笑う。

 黒瀬はまだ何か言いたげに、険しい顔のまま首を傾げた。


『……覚悟……?』


「冴木GMは……ウチの事業統括一、怒ると怖いと恐れられておりますので。ちなみに僕も平だった頃、ものすごく絞られました。パワハラなんてことは言いませんのでご安心を。ただ、ひたすら息ができないくらい怖いだけです」


 周の言葉に黒瀬は顔色を変えた。


『う……』


「でもまぁ。僕みたいなガキに言われるより、40代のバリキャリから言われる方が納得しますよね、黒瀬さんだって。ガキ、嫌いですもんね☆では〜落ちて頂いて結構ですよ!お疲れ様でした〜」


『ちょ、ちょっと待っ』


 黒瀬は慌てて何か言おうとしていたが、周は無視してDOOMから抜ける。


 そのままパソコンのタブを変えて、先程届いた調査結果に目を通していった。


 神崎のものでは無い。

 新しいターゲットの素行調査。


「……へぇ。まぁまぁな収穫だな」


 ブルーライトを浴びて周の微笑みが妖しく照らされていた。


「……偶然? ならそれが一番。でも27日以降一切の接触はなしか……いよいよ黒くなってきてるなぁ。出来ない部下なだけでいてくれればいいのに」


 ストレスで禿げないように……頭皮マッサージしながら低く呟いた。




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― 新着の感想 ―
おっ!蜘蛛女さんのメロンメロン攻撃を利用していた人の話が始まりましたね(*´꒳`*) 周さん、彼に関わると頭皮を気にするのウケる! 冴木さんの激怒は直接受けるのいやなので、黒瀬さんの影からひっそりと楽…
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