第三十三話:魔王、盗賊集団の本拠地に行く
一般警察から報告があった。
イリアさんを惨殺した盗賊の本拠地が見つかった。
瞬間移動!
百人くらいいる。
「マオが来たぞ!」盗賊の連中が焦っている。
結界が張られた。
イリアさんの事を思うと許せんが、一応聞いてやる。
「今なら間に合う。改心しなさい、そうすれば、命だけは助けてやる」
「ふざけんなよ、偉そうなんだよ、お前は」
盗賊の連中は全く、改心とかする気は無いらしい。
私は手榴弾を投げた。
意外にも、盗賊たちが素早く、いっせいに逃げる。
考えてみたら、こいつら転移者だから、手榴弾の爆破威力を知っているのか。
手榴弾が爆発。
結界が解けた。
大粛清!
魔王の剣を大きく一回転!
瞬殺!
盗賊全員の体がバラバラ。
ふう、とりあえず、この盗賊集団は退治したぞ。
しかし、結界を張っている魔法使いの居場所がわからなかった。
城に戻る。
百人のバラバラ死体。
大量の鮮血が噴き出す光景を思い出す。
正直、気分が悪くなった。
しかし、これも魔王の義務だ。
と無理矢理、自分を納得させるのだが。
うーん、けど、魔王の役は私には向いてないかも。
疲れてきたぞ。
私の父でもある先王は、今や、のんびりと各地の温泉巡り。
娘に仕事を押し付けやがって。
料理番がやって来た。
「魔王様、今日の料理は厚切り牛肉のサイコロステーキです」
気分が悪くなった。
「ごめんなさい。下げてくれますか」
うーん、やっぱり魔王に向いてないのでは。
だいたい、神の奴がちゃんと仕事して、まっとうな世界にすればいいのに。
と八つ当たりする。
それとも、やはり神はいないのだろうか。




