第二十六話:魔王、便器転生者と会話する
また例の『異世界街道』を歩いていると、道の脇になぜかトイレの便器がある。
近づくと、便座カバーがパカッと開いて、便器に話しかけられる。
「ここは異世界か」
私はうんざりしながらも答えた。
「そうです。異世界ですが、何か?」
「俺は転生者だ」
「便器に転生したんですか」
「そうだ」
「なんで、よりによって便器に」
「そりゃ、女が用を足すのを見たいからさ。目当ては若い美人だ。お前可愛いから、この便器を最初に使用した栄誉を与えてやろう。さあ、さっさと座ってオシッコしろ。大きいほうでもいいぞ。しっかり見ててやるから安心しろ。ちなみにウォシュレット付きだぜ、ウヒャヒャ!」
ふざけた奴だなと私が思っていると、
「それから、どこか若い娘が沢山いる場所に俺を設置してくんないかな。女子高校のトイレがいいな。ウヒヒ!」と便器が笑う。
この変態め。
こいつは瞬殺だな。
と思ってたら、またもや、例のオーガが現れた。
オーガは便器の方へ行く。
「こっち来んな! あっち行け!」と便器転生者がわめいているが、やはり動くことは出来ないようだ。
しばしのあいだ、オーガは興味深そうに便器を触っている。
「触るな、モンスターめ」と便器転生者が騒いでいる。
オーガは何かひらめいたのか、便器に座る。
巨体オーガの体重で、バキッと音がして、便器が割れた。
「ギャー! 痛いよー! 死にたくないよー!」と絶叫をあげながら、便器転生者は死んだ。
オーガはつまらなそうに去って行った。
便器に転生したあげく、即日で死亡。
いったい、転移とか転生とは何なんだろう?
神はどう考えているのだろうか?




