第二十一話:魔王、大木転生者と会話する
ある日、私は気晴らしに、城の外周を散歩していた。
どんよりとした曇り空。
歩いていると、見覚えのない大きい木を見つけた。
あれ、この場所に、こんな大木があったっけ?
「ここは異世界か」と大木が聞いてきた。
どうやら木に転生したらしい。
「どうして、よりにもよって、木に転生したんですか」
「もう、人生に疲れたからさ。俺は植物になりたい。静かにゆったりと永久に生きていたい」
「あのー、失礼ですが、木にも寿命があると思いますが」
「この木は四千年は生き続けると神から聞いたぞ。それくらい生きれば、まあ満足だ」
「しかし、その間、ずっとここに居ることになりませんか」
「それがいいのさ、木になって、ゆっくりと思索や瞑想にふけりたい」
まあ、木なら問題は無いかと、私がその場を去ろうとすると、
「待ちたまえ。せっかく縁ができたんで、私のハーレムに入れてやってもよいぞ。君は可愛いし、そして、胸も大きい。なかなかスタイルがいいではないか」と大木転生者が言いだした。
またハーレムかよ。
もう、うんざりだぞ。
「木がどうやってハーレムを作るんですか」
「うーん、何とかなるんじゃないか」
思索や瞑想にふけると言いながら、やっぱりハーレム目当てか。
アホらしいから放っておくか。
私は無視して立ち去る。
おっと、何だか空の雰囲気がおかしいな。
ゴロゴロと音がする。
突然、雷が大木転生者に落ちた。
「ギャー! 熱いよー! 痛いよー! 死にたくないよー!」と大木転生者が悲鳴をあげる。
真っ二つに折れて、燃え上がる大木転生者。
どうやら死んだらしい。
何で転生したの?




