表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

オーラ

「ジーミア」、それは我々人類には観測できない場所に存在し、地球とは似ているようで似ていない、遠いようで近い存在の世界である。そこには、人間と同じ姿をしたクロム族と人間に似た姿をしたエルフ族が、生体エネルギー「バイオール」を操り、ともに共存・対立し暮らしている。


アドミア暦1195年プス14日、フェイリル城にて、ユウヤ、トール、ウイングの3人を歓迎するため宴会が開かれた。宴会中、ユウヤはウイングと話す機会があり、お互いの召喚される前の生活について語りあった。その中で、召喚される前のウイングは、アメリカで軍用機の開発をしていた事を語り、その話を聞いていたフェイリルの王ビーク・ロワは、ウイングに軍用機の開発を頼み、ウイングはそれを了承した。


 ユウヤたちが宴会を楽しんでいる中、突如、爆発音と共に大きな揺れが大広間を襲った。それは、フェイ・グランの「白の騎士団」が夜襲を仕掛けたのであり、白いドラゴンに乗り空から爆弾を落としていたのである。フェイリルは、ウィックの指揮の下大砲で応戦し、白の騎士団を追い払った。その後、フェイ・グランにより宴会は中止され、自室に戻ったユウヤは、床に就くのであった。


 翌日、朝早くに目が覚めたユウヤは、城内を散策していたところ青髪の少女にであった。ユウヤは、会釈をし横を通り過ぎようとしたところ、少女に「傀儡者」と言われた。ユウヤは、少女に何故「傀儡者」と言ったのか質した結果、口論となり、少女は「あなたの様な人、戦争で死んでください!!」と言い残し走り去るのであった。

 青髪の少女と別れた後、ユウヤは無事自室に戻った。しばらくすると、誰かが戸を叩いた。


加賀巳 ユウヤ

「はーい、今出ます。」


 戸を開けると、使用人が立っていた。


使用人

「朝食の準備が出来ていますので、お呼びにまいりました。」


加賀巳 ユウヤ

「ありがとう。」


 ユウヤは、使用人に朝食会場へ案内された。案内されついた場所は、前日に宴会会場として使われていた大広間だった。着くと使用人にプレートを渡され、列を指さし並ぶように言った。並んでる間、列の先を見てみると、恐らく給養員だと思われる人が兵士たちのプレートに料理をよそっており、料理をいただいた兵士は、各々好きな席に座っているようだ。そうこうしているとユウヤに番になり、料理をよそってもらった。料理の内容は、パンと野菜のサラダ、そして豆の煮物だった。ユウヤは席を探し、周りにだれもいない席を見つけそこに座った。料理を食べようとすると、後ろから声をかけられた。


トール・マックス

「よう、ジャップ。」


 ユウヤは顔をしかめた。


トール・マックス

「せっかく戦士様が挨拶してやったのに、何シケた面してんだよ。」


加賀巳 ユウヤ

「なんでも。」


 ユウヤは、トールを無視し料理を食べ始めた。


トール・マックス

「それにしても、宴会に来た青髪の子、綺麗だったなぁ。」


加賀巳 ユウヤ

「そう」


トール・マックス

「素っ気ない返しだなぁ、昨日はあの子に見とれていたくせに。」


加賀巳 ユウヤ

「何でもいいだろ。」


ユウヤは背を向けた。


トール・マックス

「何でもねぇ。」

「いやー、あんな美人な子を嫁にもらえないかなぁ。」


加賀巳 ユウヤ

「やめといた方がいいぞ。」


トール・マックス

「"やめといた方がいい"て…、」

「ほう…、そうか、嫉妬だな。」


加賀巳 ユウヤ

「違う」


トール・マックス

「じゃあ何なんだよ。」


加賀巳 ユウヤ

「嫌な奴だったんだよ。」


トール・マックス

「"嫌な奴"?あんなかわいい子がそんなわけないだろ。」


加賀巳 ユウヤ

「それが"嫌な奴"だったんだな、これが。」


トール・マックス

「何でそんなことがわかるんだよ。」


加賀巳 ユウヤ

「今日の朝、遇ったんだよ。」

「朝、トイレに行ったんだけど、帰る時に道を忘れててさ、城内をさ迷ってたら廊下で偶然。」


トール・マックス

「ほう。」


加賀巳 ユウヤ

「おれは、会釈をして横を通ろうとしたんだけど、青い髪の子が突然"傀儡者"て言ってきてさ。」

「何故、おれに"傀儡者"て言ってきたのか聞こうとしたら、急にヒスり始めて終いには、"あなたの様な人間は戦争で死んでください"て、訳が分かんないよ。」


トール・マックス

「そうか、だったらお前が悪いな。」


加賀巳 ユウヤ

「おれが?」


トール・マックス

「そうだ、」


加賀巳 ユウヤ

「何が悪かったんだ?」


トール・マックス

「お前の態度が悪かったんだろうな。」


加賀巳 ユウヤ

「態度って…、失礼なことはしてなかったはずだが、」


トール・マックス

「悪かったんだよ。そうじゃなきゃ、あんな美人な子がキレるわけないだろ。」


加賀巳 ユウヤ

「美人て、女贔屓かよ。」


 ユウヤは席を立ち、大広間を後にした。


トール・マックス

「何キレてんだ?」


 トールは首を傾げ、豆の煮物に手を付けるのであった。


 朝食後、ユウヤとトールは城外に呼び出され、エルフ族の兵士たちに紹介されるのであった。


隊長らしきエルフ兵

「あらためて紹介しよう、異世界より召喚されたカガミ・ユウヤとトール・マックスだ。」


 兵士たちが、割れんばかりの拍手をする。

 拍手が止むと、隊長らしきエルフ兵がユウヤとトールに近ずいて来た。


隊長らしきエルフ兵

「これから君たちの面倒を見ることになった、クワッサ・ガウだ。」

「カガミ・ユウヤ、よろしく頼む。」


 クワッサは、握手をしようと手を伸ばした。


加賀巳 ユウヤ

「こちらこそ、よろしくお願いします。」


 ユウヤは、伸ばされた手を握り返し握手をした。


クワッサ・ガウ

「トール・マックス、よろしく頼む。」


トール・マックス

「これから頼むぜ。」


 トールは、ユウヤと同じくクワッサと握手をした。


クワッサ・ガウ

「早速だが、これから君たちには訓練を受けてもらう。」


 それからユウヤたちは、クワッサに指導を受けるのであった。


クワッサ・ガウ

「君たちにはまず、"オーラ"を扱えるようになってもらう。」


加賀巳 ユウヤ&トール・マックス

「「"オーラ"?」」


クワッサ・ガウ

「オーラは、バイオールを集中させること。」

「オーラを扱えば、道具を持たずとも大岩を砕くことができ、足に集中させれば、大木をも一跳びで越えることもできる。」


加賀巳 ユウヤ

「へー。」


クワッサ・ガウ

「そして、オーラは自身の身体と触れているものに流すこともできる。」


トール・マックス

「流したらどうなるんだ?」


クワッサ・ガウ

「今から見せる。」


 クワッサは剣を抜き、近くにある大木と向かい合った。オーラを流しているのか、クワッサの持つ剣が白いモヤに包まれた。クワッサは、剣を振りかぶり大木を斬りつけた。次の瞬間だった。刃渡り以上ある大木が、クワッサの一振りにより切断され、音を立てて倒れたのである。


加賀巳 ユウヤ

「大木が…、」


トール・マックス

「あんな大きな木を…、いったいどんなトリックだ?」


 ユウヤトールは、大木が切り倒された様子に愕然とした。


クワッサ・ガウ

「これがオーラだ。」


 クワッサは、少し誇らしげに言った。


エルフ族の兵士

「隊長、何してるんです!!」


 兵士が声を荒げた。


クワッサ・ガウ

「異世界から来た戦士たちに、オーラの使い方を実演しただけだが?」


エルフ族の兵士

「実演て…、切り倒した木が道路を塞いでるじゃないですか!」


クワッサ・ガウ

「あ…、」


 誤って、切った木で道を塞いだようである。


クワッサ・ガウ

「こりゃまいったな…、」

「すまん、みんなでこの木をどかすぞ。」


エルフ族の兵士1

「あ~あ、なんで隊長はこう仕事を増やすのかなー。」


エルフ族の兵士2

「そーだそーだ。」


クワッサ・ガウ

「悪かったって、」

「あとでみんなに、果物を採ってきてやるから許してくれよ。」


エルフ族の兵士1

「今、隊長が"果物を採ってきてやる"て言ったぞー。」


エルフ族の兵士2

「よーしみんな、急いで木をどけるぞー。」


エルフ族の兵士達

「「オー!!」」


 兵士たちは、隊長であるクワッサと約束を結び、切り倒した大木の撤去作業を始めるのであった。


鳥?に乗ったエルフ族の者

「少し通るぞ。」


 作業中、体長が1メートルほどある鳥のような生物に乗った者が、大木の横を通り過ぎ森の奥へ走っていった。


加賀巳 ユウヤ

「あれは?」


 ユウヤは、近くの兵士に尋ねた。


エルフ族の兵士

「クヤヒキだな。」


加賀巳 ユウヤ

「"クヤヒキ"て?」


エルフ族の兵士

「急ぎの手紙を届ける奴らさ。」


加賀巳 ユウヤ

「へえ。」


 その後もユウヤたちは、途中で昼食を挟みながら、大木の撤去作業を続けた。

 日が沈み始めたころ、大木の撤去作業が終わった。エルフ族の兵士たちがその場に座り込む中、クワッサが、黄緑の果物を大きなかご一杯に入れ戻ってきた。


クワッサ・ガウ

「約束どうり、果物を採ってきたぞ。」


エルフ族の兵士1

「隊長が、果物背負って帰ってきたぞー。」


エルフ族の兵士2

「さっそく食べようぜー!」


 兵士たちがクワッサの周りに群がり、クワッサは一人につき2つ果物を渡した。ユウヤは、貰った果物を一口食べた。味はとても甘酸っぱかった。


トール・マックス

「こいつ、めちゃくちゃ酸っぱいな。」


 トールが喋りかけてきた。


トール・マックス

「それにしても、この世界は不思議だよな。」


加賀巳 ユウヤ

「そうだな。」

「ドラゴンがいるは、エルフがクロム族て奴らと戦ってるは、一振りで大木を切り倒すは。」


トール・マックス

「ほんとそうだよなー。」


 トールは一口、黄緑の果物をかじった。


トール・マックス

「でも、オレは決めたぜ。」

「戦士としてこの世界で生きていく。そして、あの青髪の少女を嫁に貰うんだ!」


加賀巳 ユウヤ

「青髪ねぇ。」


クワッサ・ガウ

「"青髪の少女"というのは、リューシーのことかな?」


 クワッサが会話に入ってきた。


加賀巳 ユウヤ

「"リューシー"て?」


クワッサ・ガウ

「"リューシー・ロワ"、ビーク・ロワ様の一人娘さ。」


トール・マックス

「だから宴会の時、ビーク・ロワ達と一緒に入ってきたのか。」


クワッサ・ガウ

「さっき、リューシーを嫁に貰うと言っていたが、それは厳しいな。」


トール・マックス

「厳しいて、なんで?」


クワッサ・ガウ

「さっきも言ったが、リューシーはビーク様の一人娘だ。」

「おそらくだが、将来リューシーは他国の王子と結婚するだろう。既に、見合い話が始まってると噂も聞く。」

「それに、ビーク様はリューシーを可愛がっている。君のような者を、婿にするのは許さないだろう。」


トール・マックス

「それでも、オレは諦めたりしない。」

「このクロム族との戦争で武功を立て、オレは、ビーク・ロワに気に入られて見せる!」


 トールは、高らかに宣言した。


加賀巳 ユウヤ

「あんな奴とくっついても、痛い目を見るだけだと思うけどな。」


トール・マックス

「嫌味を言われたのはお前が悪いだろうに、まだいうか。」


クワッサ・ガウ

「リューシーが嫌味を?」


トール・マックス

「コイツ、今日の朝会ったらしく。その時に"傀儡者"て言われたんだとよ。」


クワッサ・ガウ

「ほう。」


トール・マックス

「そのことを朝からずっと言ってて、どうせこいつが悪いのに。」


加賀巳 ユウヤ

「ハイハイおれが悪いよ!」


 ユウヤは、怒鳴るように言いその場を去った。


クワッサ・ガウ

「リューシーが嫌味か…、」

「恐らく、思う事があるのだろうな…。」


 クワッサは、一人小さく呟いた。


つづく…

「オーラ」

・バイオールを集中させること、またはその操作。

・オーラは全身で扱え、身体に触れているものにも流す事が出来る。


「クヤヒキ」

・エルフ族の、モス家が営む家業。

・急ぎの手紙を、「ドードバ」という鳥類に乗り届ける。

・半日で、約1900kmも離れた国に手紙を届ける。


「クワッサ」

・本名 クワッサ・ガウ

・年齢349歳

・異世界出身 

・出身国 フェイ・グラン

・種族 エルフ族

・性別 男

・身長 187cm

・髪型 少し青みがかった黒髪で、センターパートのロングヘア。

・フェイリル兵団「キンエイ」の隊長。


「トール」

・本名 トール・マックス

・年齢 19歳

・アメリカ人

・性別 男

・身長170cm

・髪型 金髪で、アップバングのショートレイヤー。

・召喚される前は、アメリカ陸軍に所属していた。

・好物はコーラ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ