第十五話:生徒会副会長の意味
そんな私を他所に、遼がゆっくり口を開いた。
「答える必要を感じないが?」
はぁ?なんですか、その態度。
答える必要を感じないだと?
今すぐ
「いやぁ~、こいつ。実は超役に立つから連れて来たんだよ」
とか言え!
「婚約者、ナイナイ笑笑」
でも許す!
今すぐ、否定しろ!
私はそう心の中で叫びながら遼を睨むと、遼は私の視線に気付きニッコリと微笑むと
「ほら、今も俺の愛しい恋人は、熱い眼差しを送ってくれているだろう」
とかほざいた。
誰かー!
こいつ、殴っても良いですか?
プルプル震える拳を必死で堪える。
ふと視線を向けると
力と春原さん、『我慢だ!』
竜も『堪えるんだ!』
陸……なんも考えてない顔。
…………
多数決……我慢します。
グッと堪える私を他所に、宇治原先輩が突然、立ち上がった。
「女性で生徒会副会長という事は、遼様か竜様の恋人だろうとは思っていました。ですが……今朝、遼様が迎えに行って……しかも二人で仲良く登校なさるなんて!」
と叫んだのだ。
え!生徒会副会長って、そんな意味あったの?
慌てて遼を見る。
遼、白々しく視線を逸らす。
竜……『あ~あ、バレちゃった』の顔。
力と春原さん『え?知らなかったの?』の顔。
陸……やっぱり、なんも考えてなさそうな顔。
ちょっと待って?
私も関係ある話なのに、なんで私だけ蚊帳の外?
見えないように、隣の席の遼の制服を引っ張る。
遼が私に視線を向けたので、無言で『ちょっと来い』と、生徒会室の端に視線を向ける。
遼、『今は無理』って首を振る。
私、皆様に見えないように、そっと手で口元を隠し、遼だけに見えるように
『後で覚えてろ、ぶん殴る』
と口パクした。
すると遼が突然、ブハッと吹き出した。
この緊張感溢れる空気で、吹き出すとか意味不明。
私が唖然としていると、遼の顔を見て全員が唖然としている。
「お前、本当に面白いな」
突然、遼が私の頭をわしゃわしゃして来たのだ。
「ちょっと、触らないでよ!」
「お前、本当に生意気だな」
楽しそうに笑う遼。
「ちょっと、マジで何なの!」
と、私が怒るより少し前に、机を宇治原先輩が物凄い勢いで叩いた。
「何処の馬の骨か分からない方と、私、生徒会をやっていく自信がありませんわ!」
そう言って、生徒会室を出て行ってしまった。
すると末永先輩と倉橋先輩も続き、倉橋先輩は私を睨むと
「宇治原さんは遼様をずっと思っていらしたのに、目の前でそのようなお姿を見せるなんて、恥を知りなさい!」
そう言い捨てて、ドアを音を立てて閉めて出て行った。




