第123話 魔物軍団
朝。
索敵網が異常を検知した。
最初に反応したのはミシェル率いる索敵部隊だった。
上空。
鳥人族達が風に乗る。
風属性探索。
念聴。
遠隔透視。
透視。
複数の索敵能力が重なる。
ミシェルの表情が引き締まる。
「来ました。」
リリーも遠方を見つめた。
森が動いている。
いや。
森ではない。
魔物だった。
オーク。
ゴブリン。
コボルト。
巨大狼。
オーガ。
数え切れない。
「推定十五万。」
「全軍へ伝達。」
念話が飛ぶ。
アルナ村。
ベルグ村。
ノース村。
ハイランド村。
リーフ村。
ストーン村。
六村全域へ情報が共有された。
しかし。
誰も慌てない。
昔なら村が滅ぶ規模だった。
今は違う。
教育された人々は状況を理解し、自ら判断できる。
それが六村連合だった。
・・・
ロバートが立ち上がる。
「各部隊出撃。」
短い命令だった。
それだけで十分だった。
全員が役割を理解している。
ロバート軍。
エミリー軍。
ソフィア軍。
カタリナ軍。
ティグリス軍。
リーヴ率いる機動索敵隊。
リリー率いる長距離射撃隊。
それぞれが動き始める。
・・・
数時間後。
戦場。
大地を埋め尽くす魔物。
咆哮。
地響き。
土煙。
それでも戦列は崩れない。
ロバートが剣を掲げた。
「前進!」
兵達が動く。
シャドウバインド。
巨大な影が走る。
数百体が拘束される。
直後。
火属性部隊。
風属性部隊。
土属性部隊。
集中攻撃。
魔物が次々に倒れていく。
・・・
右翼。
エミリー率いる獣人部隊。
機動力。
連携。
索敵。
全てが洗練されていた。
リーヴが報告する。
「右翼制圧。」
「第二集団へ移動します。」
エミリーが頷く。
「予定通り。」
狼獣人達が駆ける。
包囲。
拘束。
殲滅。
訓練通りだった。
・・・
左翼。
ソフィアが笑う。
巨大な斧槍が振るわれる。
巨大オーガの首が飛ぶ。
二体目。
三体目。
次々に倒れる。
隣ではカタリナが巨大なグレイブを振るう。
風刃。
土刃。
魔力刃。
巨大な斬撃が魔物の群れを切り裂く。
「今日は多いな。」
「気持ちいいくらいだ。」
ソフィアが笑う。
「運動にはちょうどいい。」
二人はさらに前進した。
・・・
中央。
ティグリスが重装部隊を率いる。
アースウォール。
ソイルバレット。
巨大な土壁が築かれる。
突撃してきた魔物が止まる。
その瞬間。
集中砲火。
数千の魔法が降り注ぐ。
魔物は近づくことすらできなかった。
・・・
夕方。
戦闘終了。
十五万。
全滅。
味方死者。
ゼロ。
重傷者。
ほぼゼロ。
六村連合にとって。
これは勝利というより日常業務だった。
しかし。
本当の仕事はここからだった。
・・・
ロバートが念話を送る。
「回収開始。」
その瞬間。
別の軍勢が動き始めた。
ヴァレリア商社だった。




