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おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


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75/88

第75話:エリア収縮

そのとき。電子音声のアナウンスが、街に(ひび)いた。


「お知らせします」


感情のない声。(かた)い言葉で、それは続ける。


「残りの人数が少なくなりましたので、エリア収縮(しゅうしゅく)を始めます。生き残っている方々は、矢印(やじるし)沿()って移動してください。繰り返します。生き残っている方々は……」


アナウンスは、浦見(うらみ)とホリーがいるコンビニの中にも聞こえてきた。食事を終えて、くつろいでいた2人は、その音を聞いて動きだす。男は少女を背負い(ひも)の上に座らせて、足を開かせ、(かた)ベルトに(うで)を通した。


「行くぞ、ホリー。やり残したことはないな?」


「……うん」


短い会話。彼女を背にして、彼は立つ。その(のち)に、2人は地面に浮かんだ矢印が指す方に向かって進んだ。やがて、彼らがたどり()いたのは、黒く高いビルの前だった。


「……入れってことか?」


浦見は用心深(ようじんぶか)く、周囲を見回しながら言った。ビルの入り口、自動で開くガラス製のドアを抜けた先。矢印はそこで途切(とぎ)れている。彼はホリーを連れて、(かべ)にあるフロアマップを見にいった。そのビルは巨大なショッピングモールになっていて、フードコートや飲食店、映画館や本屋もある。そして。男が見ているマップには、光る点もついていた。数は4つ。2つは止まっていて、他の2つは動いている。


(……これは……)


彼は(いや)な予感がして、大きなフロアマップの下にある、折りたたまれた地図を手に取る。そしてそれを広げて、フロアマップと見比べながら点の位置を探した。点は、すぐに見つかる。男は続けて、光る点の中の2つ。動いていないものに注目する。彼はそれを見ながら、階段に向かって歩いた。2つの点は、地図の上で(かがや)きながら移動する。それを見て、浦見は苦々(にがにが)しげに(つぶや)いた。


「……やっぱりな。ホリー、これを見ていてくれるか? 今、1階のこの部分にいるのが俺たちだ。残りの点は、おそらく他の参加者だろう」


そう言って。男は少女の目が(とど)くところまで、地図を持ち上げた。彼女は彼の肩ごしに、それを見つめて口を開く。


「……他の人も、これを見てるの?」


「おそらくな。ここまで生き残った(やつ)らが、この程度のことに気づかねえとは、俺には思えん」


「……分かった。これが、私たち。他の人が近づいてきたら、おじさんに知らせる。それでいい?」


「ああ。頼むぜ」


笑って告げて。浦見は地図を、ホリーに(わた)す。彼女は真剣な表情で、渡された地図を広げた。


「……まだ、大丈夫。おじさんだけじゃなくて、他の人も、そんなに動いてないみたい」


「そうか。それなら今のうちに、見晴らしの良い場所に移動するぞ」


誰もいない階段で。2人は話しあい、男はゆっくりとした足どりで上に向かう。少女は地図から目を離さず、他の点を見続けていた。



1/収縮

「ひきしまって小さくなること。ちぢむこと。また、ちぢめること」


2/用心深い

「よく注意して十分に心をくばっている。警戒心が強い」



この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

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