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おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


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59/87

第59話:ゲームクリア?

「だるまさんがこ~ろんだ!」


参加者の数が減ってきたころに、歌のリズムが変化する。浦見(うらみ)は内心で舌打ちした。


(……タイミングをズラそうとしてんのか。俺たちが慣れたところを(ねら)って……)


彼の横に、坂井(さかい)が並ぶ。違う歌が聞こえていても、その足取(あしど)りには迷いがなかった。


「……なんて顔、してるのよ」


歌と同時に、声が聞こえる。聞き覚えのある声に、男は苦い顔をした。


「あなたのことだから、このくらい予想してたでしょ。リズムが変わる前に、クリアすれば良かったのに」


話しながら、彼女は彼を追いこしていく。その表情は、明るかった。


「知ってたわ。あなたはそういうことができないって。……でも、あの子たちはもういない。あなたなら、この言葉の意味が分かるわよね?」


そう言って、坂井はバケモノの肩に触れる。その姿が、白い光に包まれて消えた。それと同時に、歌がやむ。


(……そうか、あいつは。追いかけてこいって、言ってんのか)


バケモノの顔がこちらを向く。赤い目を見つめながら、彼は思考を続けた。


(俺はいつでもクリアできる。だが、あいつらを置いてはいけねえ。どこかで振り返って、現状(げんじょう)を確認する必要があるとは思ってたが……。あいつはきっと、そうさせないために伝えたんだな)


彼女の言葉を、彼は疑っていなかった。そんな(うそ)をつく意味はない。まして。


(どいつもこいつも、まだガキだ。あいつからすりゃあ、保護(ほご)対象(たいしょう)だろ)


男はとうに(さと)っていた。坂井が子供たちに優しい理由は、おそらく。


(俺と同じ、立場だからだ)


歌が流れ始める。早口のそれが終わる前に、浦見はホリーの手を(つか)んで、目の前のバケモノに向けて伸ばす。


(あいつは、見た目は若くとも、中身はそうじゃねえ。俺と同じ大人で、できることなら、子供は守りたいと願っている)


2人の手がバケモノに触れる。柔らかい皮膚の感触を、一瞬だけ感じとって。彼らは光に包まれた。


(……ああ、やっぱりな)


白い光の中で。男は初めて、背後に目を向ける。まだ、生き残っている参加者はいた。だが、そこに十矢(とおや)深命(しんめい)はいない。その事実が(なまり)のように、彼の心を重くする。


(……なあ、坂井。お前も同じ気持ちだったか? それとも、お前は……)


白い光が視界を()める。そして気づけば、彼は再び、四角い部屋の中にいた。灰色の鉄板に囲まれた、無機質(むきしつ)な部屋。そこには先に坂井が来ていて、彼を見つけてニッコリと笑う。


「……ああ、良かった。あなたが私を信じてくれて」




1/足取り

「歩くときの足の運び方。歩調」


2/現状

「現在の状態、ありさま」


3/悟る

「隠されているもの、また自分の運命などについて、それと気づく。感づく。察知する」


この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

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