表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/87

第49話:信頼

「そういうの、やめた方がいいですよ」


深命(しんめい)が、困ったように眉を下げる。


「おじさんは、誰かを犠牲(ぎせい)にできるような人じゃないでしょう」


「……そうだな。そんな覚悟はねえ」


視線をそらして、浦見(うらみ)(つぶや)く。坂井(さかい)微笑(ほほえ)ましげに、目を細めた。


「本当に、意地(いじ)()りな人なんだから」


その場に(おだ)やかな空気が(ただよ)う。十矢(とおや)がホッとしたような様子で、口を開いた。


「……ボクは、暗いところも平気だよ。だから地下室に逃げるのは、いい(あん)だと思う」


「まあ、他に方法がないならね。今はとりあえず、ここでジッとしているのが1番じゃない?」


友人の言葉に、深命(しんめい)(うなず)く。外のイモムシが(とう)にぶつかり、建物が少しだけ()れた。


「……大丈夫か?」


しばらくしてから、浦見が周囲を見渡して聞く。子供たちは、黙って首を(たて)に振った。


「お知らせでーす」


電子音が、そこに割りこむ。


「ただのかくれんぼも、そろそろつまらなくなってきたでしょ? そういうわけで、スパイスだよ。誰かの(かく)れ場所を鬼に知らせたら、特別ボーナス! もちろん自分は見つからないでね。それじゃ、頑張って〜」


音声は、聞こえ始めた時と同じように唐突(とうとつ)に切れる。浦見は眉を寄せて、深いため息をついた。


「……なに考えてんだ。そんなこと……」


男がそう言いかけたとき。外を人影が通りすぎる。その人物は、最初に浦見たちが隠れていたぬいぐるみを押して、イモムシの近くに運び始めた。


「……オイオイ、まじか」


窓の穴から、その姿を(のぞ)き見て。彼は冷や汗を流しながら、小さく低い声で言う。イモムシはぬいぐるみにぶつかって、大きな口を開けた。ぬいぐるみごと、運んだ人も飲みこまれる。


「……良かったですね。移動していて」


同じ光景を、(となり)の穴から見つめながら。深命は真顔で、言葉を落とす。


「それにしても、本当に他の参加者を犠牲にする人がいるなんて。まあこんなところでは、仕方のないことかもしれませんが」


「……もういいでしょ」


部屋の中で、坂井が告げる。彼女は厳しい表情を浮かべていた。


「他の人のことなんて、どうでもいいわ。とにかく、私たちは協力してここから出る。それでいいでしょ?」


「……うん。もちろん」


十矢が真っ先に、声をだす。深命は窓から離れて、友人の側に近づいた。


「……俺もお前らのことは信じてるさ。だが……」


浦見が(しぶ)い顔のまま、地下室の方に目を向ける。


「これからは、他の参加者が敵になると思うと、気が滅入(めい)な。あの部屋も、人にはすぐに見つかるだろうし……」


彼の言葉に、室内の空気が重くなる。子供たちは、浮かない表情で男を見ていた。




1/気が滅入る

「陰気で憂鬱な気分になる。元気がなくなる」


この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ