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おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


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42/45

第42話:異変(前編)

(思ったより、深刻(しんこく)な問題だったな)


元の場所に戻った浦見(うらみ)は、ため息をつきながら座りこむ。


(解決しようにも、こいつが覚えてないとなると……。いや、記憶があっても、それはそれで面倒(めんどう)だな)


根巳(ねみ)十矢(とおや)の間には、どうしても()まらない(みぞ)がある。だが、根巳がそれを理解することはないだろう。ならば、いっそ。


(このまま何も、思いださないでいてくれたら)


そこまで考えて、男は(ふたた)びため息をついた。


(……いや、無理だな。ここには明確(めいかく)な悪意がある。意図的(いとてき)に、3人をまとめて呼んだなら、最悪のタイミングでバレると思っておくべきだ)


ホリーが彼の前に立ち、無言でその目を見つめてくる。浦見は少女の頭を()でながら、小さな声で言った。


「……ああ、(わり)いな。退屈(たいくつ)させて」


「……そうじゃないよ」


(すず)()るような声で、彼女が返す。


「おじさんは、ずっと私たちのために動いてくれてるから。悩みがあるなら、話してほしくて」


「あー……。いや、大したことじゃ……」


男が迷いながら口を開く。その言葉の途中で、外から大きな音がした。


「……なんだ?」


彼は即座に立ち上がり、窓の穴から外を見た。薄いピンク色の(かべ)に、イモムシの体がぶつかって、その一部が(くず)れている。


「……ど、どうなってるの?」


「壁に穴が空いた。ここからだと、それ以上のことは分からねえが……」


根巳の不安げな声に、浦見は淡々とした声で答える。その目の前で、ドールハウスから2人の人間が飛びだした。手を(つな)いで、彼らは崩れた壁の方に走っていく。その姿が。大きな音に体を曲げて、後ろを向いたイモムシに見つかった。


「……っ!!」


男は(さけ)びそうになって、口を押さえた。イモムシは大きな口を開けて、恐怖に(ふる)える人間たちを飲みこむ。2人の人間を一瞬で消した生物は、ゆっくりと()いずって、ドールハウスの方に向かった。


「……マズイな」


浦見は(つぶや)き、座席から下りて言葉を続ける。


「今ので鬼が、(かく)れ場所を1つ見つけた。ここも、いつまでも安全だとは(かぎ)らねえ。俺はあいつらを呼んでくる。お前らも、すぐに移動できるようにしておけ」


男はそう言って、運転席の方に向かった。その背を見ながら、坂井(さかい)が口を開く。


「……ホント、大変ね。根巳くんは大丈夫?」


「……う、うん。オレは、別に……」


戸惑(とまど)いながら、少年は男のマネをして外を(のぞ)く。そして彼は少し遠くに、びっくり箱のオモチャを見つけた。


「……ここが見つかる前に、向こうに行く? 箱の中に入ってれば、見つかりっこないと思うよ」




1/深刻

「容易ならない事態と受けとめて、深く思いわずらうこと。また、そのさま」


2/明確

「はっきりしていてまちがいのないこと。また、そのさま」


3/意図的

「ある目的を持って、わざとそうするさま」


4/即座

「すぐその場。「即座に」の形で副詞的にも用いる」

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