表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/40

第36話:ゲームが始まるまでの一幕

「……しっかし、今まで以上にわけの分からん場所だな、ここは」


(そば)にある、大きなクマのぬいぐるみを見上げて。浦見(うらみ)(つぶや)く。薄いピンク色の床の上には、他にも様々な物が乗っていた。


「なんか、オモチャ箱みたいだよね。ほら、向こうには列車の模型(もけい)があるし」


周囲を見回して、根巳(ねみ)が言う。十矢(とおや)深命(しんめい)は、少し離れた場所にいた。


(……なんかあったのか?)


以前に比べて、距離を感じる様子。その姿に、男は目を細める。彼は根巳に気づかれないように、十矢たちに近づいて話しかけた。


「……おい。お前らは何を、思い出した?」


床に置いてある大きな()み木を持ち上げようとして、苦労している。そんな根巳を見ながら、浦見は小声で問いかけた。十矢が目を()せて、体を(ちぢ)こまらせる。


「……すいません。それは、言えないんです。個人の事情ですし……。そもそも、この記憶が本当に正しいのかも、僕たちには確信が持てないので」


彼の代わりに、深命が答える。男はため息をついて告げた。


「……分かった。話す気になったら、教えてくれ」


そんな話をしている横で。積み木を運ぶのを(あきら)めた根巳が、ビニール(せい)のボールを転がして、ホリーのいる場所まで運んでくる。ホリーは大きなボールを見上げて、その表面を指先でつついた。


「ピー、ガガー……」


そこに、先ほどよりノイズが強くなった電子音が割りこむ。男は(けわ)しい表情を浮かべた。


「お知らせ、お知らせ、オシラセデス。ゲームに参加しない場合は、強制的に、殺しマス。ハシゴをおりて。オリロ。オリロ、オリロ、オリロ……」


不気味な電子音と共に、上の(かい)から重い物が落ちるような音が聞こえてくる。浦見は声を張り上げた。


「……おい、お前ら! こっちに来い! 集まった方が、安全だ!」


坂井(さかい)とホリーが、(あわ)てて彼の言葉に(したが)う。根巳も2人の後についてきた。その姿を見て、十矢が深命にしがみつく。浦見は黙ってこっそりと、十矢たちと根巳の間を(さえぎ)るように移動した。2人は安心したような顔で、彼を見る。上からは、他の参加者たちが1人ずつ、下りてきていた。彼らはみな、青ざめた顔をしている。


(……何があったのか、想像はつくが……)


男は(うで)を組みながら、ハシゴを(つた)う人々を見つめた。オリロと()り返す放送は、まだ続いている。


(その気になりゃあ、俺たち全員を殺すことも、簡単にできるだろうに。この放送を流してる奴は、どうしてゲームに(こだわ)るんだ?)


彼が首を(かし)げる前で、参加者たちは1人ずつ下に移動してきた。やがて、下りる人もいなくなり、上から重い物が(くず)れたような音が聞こえてくる。放送もブツリと切れて、後から下に来た参加者たちは(おび)え顔で下を向いた。




1/確信

「かたく信じること。信じて疑わないこと」


この後書き内での説明は、コトバンクの『精選版 日本国語大辞典』から引用したものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ