表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/39

第33話:第2ゲーム、最後の日

3日目も、浦見(うらみ)の様子は変わらなかった。テントから出てきた坂井(さかい)が、目をこすりながら声をかける。


「……おはよう、おじさん。今日も昨日と同じかしら?」


「……まあな。他にやれることもねえ」


(しぶ)い顔をして、彼は返す。その姿も、いつもと同じだ。けれど。


「少しくらいは、休みを取ってもいいんじゃない? あの黒い人たちも、追ってきている感じはしないし……」


男を気づかって、少女は言う。テントから出てきたホリーも、もの言いたげに彼を見つめた。少年たちは、まだ起きていないのか、テントの方に動きはない。


「……俺は、止まるべきじゃねえと思ってる」


そこにいるのが、見慣(みな)れた少女たちだけであることを確認して。浦見は小さな声で告げた。


「これは()()()()だ。馬鹿なことかもしれねえが、最低限。動き続けていたいんだよ」


坂井の目つきが厳しくなる。彼女はこのゲームに参加する気などない。そのことは理解した上で、男は本気で話していた。


「鬼は、あの黒い奴らだ。あいつらは俺たちを追いかけている。俺たちがルールに(のっと)っている(あいだ)は、その速度は変わらない。歩きでも十分(じゅうぶん)に逃げられるだろう。だが、もしも足を止めたなら。奴らは()()を目指してくる」


「そんな、まさか……」


坂井が反論しそうになる。その後ろで。ちょうど起床(きしょう)して、テントから()いだしてきた深命(しんめい)が、2人の話に口を(はさ)んだ。


「……やっぱり、そうか。あなたが、何も考えずに動き続けるなんてこと、するはずない。始めから、僕たちのことを守ってくれていたんだね」


浦見が眉間(みけん)にシワを寄せる。坂井はそれを見て、ため息をついた。


「私はどうしても、まともに参加する気にはなれない。でも、おじさんの見立てなら信じるわ」


男は何も答えなかった。テントの入口。布がめくれて、根巳(ねみ)たちも出てくる。立ち上がって、()を伸ばしている彼らを横目に。浦見はテントを片付けた。中に入って支柱を抜き、体の上に(おお)(かぶ)さる布の下から抜けだす。ペグがわりの小枝を抜いて、広がった黒い布をたたむ。彼の行動に、口を出す者はいなかった。


「……よし、行くぞ」


やがて。作業を終えて、男は告げる。彼は支柱(しちゅう)にしていた枝を布で(くる)んで、深命に渡した。


「どんなに長くても、期間(きかん)は今日の夜までだ。気合いを入れて、あと少しだけ頑張(がんば)ろうぜ」


子供たちが黙って(うなず)く。根巳がそれまでと同じように、気楽な口調で言葉を(はっ)した。


「つまり、今日を乗りきれば終わりってことでしょ? そのくらいなら、大丈夫! おじさんもいるし、なんとかなるよ!」




1/則る

「規準・規範として従う」


2/見立て

「こうだろうと予測すること」


3/ペグ

「テントを張るときに用いる杭」


この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ