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おじさんと幼女のデスゲーム攻略  作者: 文字書きA


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30/40

第30話:埋葬(後編)

冷たくなった子供の体を、穴の中に横たえる。そして浦見(うらみ)は、穴の横に()み上げられた土を、遺体(いたい)の上に(かぶ)せ始めた。重苦(おもくる)しい沈黙が、周囲を満たす。


「……その子、笑ってるよね」


その空気に。根巳(ねみ)()えられなくなって、口を開いた。亡くなった少年の体は、もう半分ほど()められている。


「おじさんがいたから、だよ。だからさ、その……」


「……ああ。そんなことしか、できなかったな」


低い声で、男は返す。根巳が精一杯(せいいっぱい)、気づかいながら話していることは、彼にも伝わっていた。ただ、それでも。(くや)しさは消しきれず、浦見は手を動かしながら続ける。


「分かってるさ。俺だって。これはどうにもできないことで、誰にも罪はないんだと。……ただ、目の前で死ぬのを見ちまったからな。割りきれねえのも、確かなんだ」


男の言葉に、根巳が泣きそうな顔をする。その横にいた深命(しんめい)は、黙って動きだした。彼は少し離れた場所から、花を探して()んでくる。


「……それなら、これも。お墓に(そな)えてあげてください」


子供の遺体が埋まった、小さな山の上に。花を置いて、彼は浦見と目を合わせる。


「僕たちもあなたと同じです。あなたが救えなかったことを気にするのなら、一緒に背負(せお)いますから」


「……いや、お前たちには……」


「いいえ。彼の言うとおりよ。おじさんだけが、責任を感じることはないわ」


深命の言葉を、否定しようとした男を(さえぎ)って。坂井(さかい)がハッキリとした声で告げた。(そば)にいたホリーが、大きく(うなず)く。


「……そうだよ。おじさんは1人じゃないんだから」


2人にも言われて、浦見は無言で目をそらす。十矢(とおや)がオロオロとしながら、口を開いた。


「……あ、あの。だったらみんなで、この子のために(いの)らない? だって、お墓も作って、お花もあって。他にできることがあるとしたら、それだけだから」


その言葉に。()(とな)える者はいなかった。小さな土の山に向かって、6人は(そろ)って手を合わせる。死した子供が、安らかに眠り続けられるように、願いをこめて。


「……よし、ここまでだ」


やがて男が、動きだす。彼はまだ、()かない顔をしていたが。それでも自分が動かなければ、子供たちも動けないということは分かっていたから。


「こいつには(わり)いが、同じようにならないためにも。俺たちは前に進むしかねえ」


重い声音(こわね)で、彼は告げる。そしてゆっくりと立ち上がった。坂井がホリーを連れて、男に寄り()う。少年たちも、それに(なら)った。こうして6人は、墓を後にして森の中に消えていく。墓の上に乗せられた花が、そよ風を受けて少しだけ動いた。




1/異を唱える

「反対の意見をいう。異議を唱える」


2/浮かぬ顔

「心配事などがあって晴れやかでない顔つき。沈んだ顔つき」


3/倣う

「すでにあるやり方、例をまねて、そのとおりにする。手本としてまねをする」


この後書き内での説明は、コトバンクのデジタル大辞泉から引用したものです。

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